2023年2月20日発売
「おつやのよる」祖母が急逝し、葬儀のために親族が集まる。清陽は祖母に交際相手を紹介できなかったことを悔やむが、原因はその親族にあって…。「くろい穴」美鈴は不倫相手から栗の渋皮煮を作ってほしいと頼まれるが、そもそも食べたいと言っているのは、彼の妻だった。日曜日、ひたすら栗を煮詰めていると…。ままならない人間関係、避けられない別れーもつれた心を解きほぐし、本当の自分を取り戻すための、5つのやさしいレシピ。
列島中が豪雨災害に見舞われた夏、二つのニュースが小さく報じられた。次々と見つかった血塗れの旧五千円札と、一人のジャーナリストの死。フリーランスのライター・木部美智子はふとしたきっかけで取材を始めるが、複雑に絡み合った事件の根を追ううち、愛媛の村で起こった戦中戦後の悲劇を知ることとなるー。
愛って何なのかな?自分の幸せ以上に相手の幸せを願うことかなー。背の高いきれいな顔の彼は、愛する人を探しにここへ来た。海辺で、ピアノのそばで、病院で、列車の中で、湖のほとりで、彼は私たちをそっと守り、救ってくれた。大丈夫、会いたいと強く願えば、きっと会えるー。ハマった心も観てない人も胸躍るラブストーリー9篇。
2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!
平安末期。十二歳の少年・駒王丸は、信濃国の武士・中原兼遠の養子として、自然の中でのびのびと育つ。兼遠の息子たちとも兄弟のように仲良く過ごすが、彼は実の父と母の名も、自分が何者なのかも、いまだ知らずにいた。ある日、駒王丸はささいなきっかけから、同じく信濃の武士の子と喧嘩になる。同等の家格であるにもかかわらず、後日、当主が謝罪に訪れ、深々と頭を下げて言った。「駒王丸殿はいずれ、信濃を束ねる御大将となられる御方。我ら信濃武士は、ゆくゆくは駒王丸殿の旗の下に集わねばならぬ」駒王丸、のちの木曾義仲の波瀾の生涯が始まろうとしていた。この男が幕府を開いていれば、殺戮の歴史はなかったかもしれない。日本史上最も熱き敗者の鮮烈なる三十一年。
夫は、私のこの秘密を想像だにしないだろう。ある翻訳家の告白的小説。1975年、ペンパルとして出会った主婦・怜子とイタリア人数学者・パオロ。魂の交流がやがて現実の交情に変じ、互いが79歳と87歳になるまでの濃密な日々を描く。
中国人民解放軍は、台湾海峡に一筋の人工雲を作りだした。線状降水帯に発達した特殊加工の雲は、日台両軍をいわば目隠し状態に陥れ、中国はその隙を突くように第3梯団を送り込む。第3梯団上陸の可能性があるのは台湾北西部、桃園か新竹のいずれかーその報に接した“サイレント・コア”率いる土門康平陸将補は、新竹市郊外で交戦中の待田小隊と、台北に詰めていた第三即応機動連隊を向かわせ、自らも上陸候補地点へと急行する。人工雲と第3梯団によって、未曽有の混乱に見舞われる台湾戦線。いよいよシリーズ第九巻、陸海空のすべてで繰り広げられる激戦を見届けよ!
ドイツ・イタリア枢軸軍を打ち破り、紅海からスエズへと攻め上る日英連合軍。次の目標は地中海の制圧とイタリアの打倒である。まずはシチリア島を占領すべく日英の上陸船団が進出するが、枢軸軍がそれを座視するはずがなかった。イタリア海軍に加え、ドイツ海軍も強力な艦隊を差し向けてきたのだ。対する連合艦隊もついに切り札である戦艦大和・武蔵が地中海に進出した。果たして、地中海の覇権を握るものとはー!?
ヴェーデン王国の第一王子クロードを暗殺するために、侍女に扮して彼の寝所に忍び込んだ反社会勢力マーロウ一家のロッタ。しかし傷を負わせたクロードと目が合った瞬間、ロッタとクロードは同時に前世の記憶を思い出すことに。学生だった前世のロッタは、弁護士だった前世のクロードの事務所でアルバイトしており、ある日事務所を訪ねてきた男に襲われ殺されてしまったのだった。因縁の相手との予想外の再会に困惑するロッタだったが、クロードはそんなロッタを“婚約者”に据えると言い出して!?
一人でいるのが好きな僕が地元を離れ、この東京まで来たのに「偶然」という言葉ほど似つかわしい言葉はない。ただそれは、行き当たりばったりというよりは予め決められていたという意味の方がしっくりくる。僕の人生を大きく変えたあの数年を今でもどう語ればいいかよく分からない。でも、もし誰かに聞かせるならまずは彼女のことから話すだろう。
トワイライトランドー王国の隣にありながら謎に包まれた国。錬金術三昧の涼が久々に受けた依頼は、その隣国と国交を結ぶため、外交使節団に加わることだった。「コーヒーを飲みながら馬車に揺られるだけの簡単なお仕事ですね!」とお気楽に構えていたにもかかわらず、首都テーベでまさかのクーデターが発生!国家反逆の咎で味方が囚われてしまう。状況打開の鍵は「シンソ」という貴族も恐れる人物で…?大陸各国に渦巻く陰謀、そして“爆炎の魔法使い”の暗躍。複雑に絡まり合った計略を快刀乱麻に切り捨て、物語はクライマックスへ向けて動き出す!最強水魔法使いの気ままな冒険譚・第6弾!
1585年。朝堂院の再建が始まり、朝廷の復興が一段と進んだ年。太平の世を見据えて国を豊かにするため、通貨作りや産業育成に東奔西走する日々。おかげで日本は空前の好景気に沸いていた。一方で明は深刻な不景気のさなかにあり、民衆の不満は今にも爆発寸前。しかもその原因は朽木の政にあって…?明と日本が争えば、西洋諸国からの介入は避けられない。敵は極東の大帝国“明”か、太陽の沈まぬ国“スペイン”か、それとも…?東アジアの安寧のため、基綱は複雑な舵取りを迫られる!世界と対峙する戦国サバイバル、待望の最新刊!
貴女を“悪役令嬢”になんてさせない!小さな王女がシナリオ改変に挑む、本格内政ファンタジー!
「なんで同じ顔…?」魔王の復活阻止から数か月、王都へ帰還途中のパーティーを襲ったのはー髪型と服装が違う賢者ちゃん!?昔、固有魔法で増やしたコピーが、オリジナルを乗っ取りにきたのだ。得意の魔法も封じられ瞬く間に攫われた彼女を救うべく、隠居勇者が動き出す。見つけ出したはいいが、いつも冷静で毒舌の彼女が、何故か悶え死にしそうなうえ、愛の告白(?)までしてくる異常事態に。助けるしかないのだが…コピーにもとんでもない事情が!手がかりは、“ダブル賢者”の過去「エルフの里」に秘められていて?「この世で最も厄介な敵は自分自身ですねぇ」リライフ・ファンタジー第2弾開幕!