2023年2月27日発売
『BLUE GIANT』もうひとつの物語 沢辺雪祈は、言葉を覚えるより先に音を覚えたーー。 幼い頃、音が「色」に見えた少年は、やがてジャズの魅力に取り憑かれ、運命の仲間たちと出逢う。目指すは日本一のジャズクラブ「ソーブルー」での10代トリオ単独公演! ただ真っ直ぐに、ただただ真摯にピアノと向き合い続ける青年は、夢の舞台で磨き上げたソロを響かせ、喝采を博すことができるのか!? 大人気コミックのストーリーディレクターが魂を込めて書き下ろすフルボリューム音楽小説!! 漫画でも映画でも描かれなかった『BLUE GIANT』もうひとつの物語。
通りを、アスファルトを、山道を、海岸沿いを、並んで、ひとりで、知覚を冴え渡らせ、無と化し、鳥の声に耳を澄ませ、寡黙に、饒舌に、物悲しく、意気揚々と、自由を求めー歩く。自分の人生を、主体的に歩き続けるとはどういうことだろう?古今東西の作家、音楽家、思想家たちの言葉に触れながら思策を深める渉猟の記録。現代ノルウェー文学の金字塔的作品、ついに邦訳!!
過保護に育てられたレデヴン館の相続人ビル・レデヴン少年は、同年代の少女のいる知人宅で休暇を過ごすよう親に命じられ、気乗りしないまま、シルバーのロールスロイスに乗せられ目的地に向かっていた。ところが、霧が濃くたちこめた荒れ地の途中で、いきなり、意味も分からないまま、お抱え運転手のブランドンに車からつまみ出されてしまう。同じころ、周到な計画のもとに、〈ナイフ〉と呼ばれる若者がボースタル少年院から逃亡する。 ビルは荒れ地をさまよううちに少年パッチと知り合い、行動をともにするようになる。二人はビルが思わぬ形で手に入れた暗号で書かれた文書を解読しながら、〈にやついた若者〉、〈ヴァイオリン〉、片手が鉤爪の男との、追いつ追われつの冒険へと踏み出してゆく。 オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、いわゆる英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家としてゆるぎない地位を築いたクリスチアナ・ブランドが、すべての少年少女のために、みずみずしい筆致で、荒涼とした大地と海が広がるイギリス南部のダートムアを舞台に繰り広げられる冒険を描いたジュヴナイルの傑作。 【炉辺談話】『濃霧は危険』(山口雅也) 濃霧は危険
“彼女が目を上げ、二人の目は出会った。「どうか教えて下さい」彼女の視線に胸の内に熱い波がわきたち、思わず身が震えるのを感じながら、ロマンは言った。「教えて…」彼が繰り返すと、彼女はすべてを悟ってまた目を外した。その頬がさっと赤く染まった。「ああ、なんと早く!」ロマンの頭にそんな思いがよぎった…”優秀な弁護士としての首都での暮らしにピリオドをうった青年ロマンは、画家として第二の人生を歩むために、故郷の村クルトイ・ヤールへと戻ることにした。旧知の友や親類に囲まれた素晴らしく愉快な日々。都会では忘れていた人間としての生活に、彼は大きな喜びを感じる。そして、やがて彼は運命の女性にめぐり会う…。“現代文学のモンスター”の異名をとる作者が、ツルゲーネフ、チェーホフ、ゴーゴリといった19世紀ロシア文学の精髄を戯画化しながら描く、衝撃のスプラッター・ノヴェル。
デビュー10周年を記念してお贈りする、ファン必携のバラエティブック!!書き下ろしSS、ロングインタビュー、シリーズ相関図、コミカライズなどーぎゅぎゅっと盛りだくさんでお届け。
新婚年の差カップル、まだ見ぬ家族とご対面ー?高校生の本川弥尋が出会ったのは、やり手に見えてどこか放っておけないエリート会社員の三木隆嗣。美少年の弥尋に降りかかる数々の災難を経て互いを深く愛し合うようになった二人は、ついに結婚!晴れて家族になった。出逢い、恋して、愛し合い、入籍ーと、手順を踏んできたものの、まだご挨拶できていない人が…?
『分解する』『ほとんど記憶のない女』につづく、「アメリカ文学の静かな巨人」の三作目の短編集。内容もジャンルも形式も長さも何もかもが多様なまま自在に紡がれる言葉たちは、軽やかに、鋭敏に「小説」の結構を越えていく。作家が触れた本から生まれたミニマルな表題作「サミュエル・ジョンソンが怒っている」をはじめ、肌身離さず作家が持ち歩くという「小さな黒いノート」から立ち現れたとおぼしき作品など、鋭くも愛おしい56編を収録。
国家崩壊を神話的に描く、21世紀の『魔の山』 1989年夏、東ドイツで⽂学を学ぶエドは、恋⼈を事故で亡くして絶望し、人生からの逃亡を決意する。向かったのはバルト海に浮かぶ小さな島、ヒッデンゼー。対岸にデンマークを望むこの島は、自由を求める人々の憧れの地だ。島に到着したエドは、さしあたり⼀夏を過ごそうと「隠者亭」の⽫洗いの職に就く。実質、島はクルーゾーというカリスマ的な男によって統治されていた。強烈な影響力で周囲を動かすクルーゾーに、エドは畏怖と憧れを抱く。やがて、クルーゾーは詩への情熱からエドを特別な存在として認め、二人は心を通わせ、深い絆で結ばれていく。だが、夏が終わり、秘かに国境を越えようと住人が一人また一人と去っていくと、平穏な日々に亀裂が……。 最後に一人、島に残った男が知る世界の大転換と、友との約束とは? 極限で見出した、真の自由と友情とは? いまドイツで最も注目され、《バッハマン賞》《ライプツィヒ書籍見本市賞》など、数多の文学賞の栄誉に輝く詩人が、夢と現実の境界を溶かす語りで、国家の終焉を神話に昇華させた長篇。本書で《ドイツ書籍賞》を受賞している。
コロナ後を生き抜く キーワードは「やさしさ」 ユーモア溢れる筆致で多くの読者を魅了した『女の答えはピッチにある』(サッカー本大賞2021受賞)の著者による、韓国で大反響のエッセイ、日本上陸! 新型コロナウィルスの世界的な流行で生活は一変し、人と関わらない日々が普通になりつつある。今まであたりまえだと思っていたことが、そうではなかったと思い知った著者が、日常生活を振り返り、自分がつらかったとき、困難に直面したとき、他者の大小さまざまな「やさしさ」がいかに自分自身を立ち上がらせてくれていたのか、しみじみと実感したエピソードが本書には詰まっている。 『多情所感』とは、 韓国の四字熟語「多情多感 (思いやりが深いこと )」にちなんだ造語。コロナ前には気づかなかった、女子サッカーチームの先輩たちから自然に受けていた励まし、偽善的な上司からの悟り、客室乗務員時代の女性たちの連帯、社会にはびこるマウントや偏見、SNSの言葉の落とし穴、塞ぎ込んでいたときに救ってくれた友人の料理のあたたかさ…。タイトルの通り、著者の繊細な感受性が日常生活や社会の様々な層の感情を掬いあげていくが、それには秘密がある。著者が小学校3年生の時に、大人たちが何気なく使う言葉や表現でクラスメートが深く傷つけられていると感じた記憶が明かされる。その姿が自らの深い傷になり、今も反芻し、差別する側の目が自らの内にないか常に問いかけている著者の繊細さがあるからこそ、本書の言葉は人を包みこむやさしさをもつ。 大きく感情を揺さぶられながら、相手の立場で考える想像力を取り戻す力を与えてくれる、心の点滴のような一冊。 日本の読者のみなさんへ 第一部 海苔刷毛置き、みたいな文が書きたい 旅に正解はありますか 逆さま人間たち サッカーと大家 虚飾に関して 自分だけを信じるわけには、いかないから 先祖嫌悪はおやめください 納涼特集 私の幽霊年代記 スーパーで、ようやく 彼のSNSを見た 本で人生が変わるということ Dが笑えば私もうれしい──#私がもう使わない言葉 第二部 ひとつの季節を越えさせてくれた 扉の前で、今は そんな私たちが、いたんだってば 飛行機はわるくなかった あるミニマリストの試練 wkw/tk/1996@7'55"/hk.net プーパッポンカレーの喜びと悲しみ ひょっとして、これは私のソウルフード あとで会おうね、オンラインで コーヒーと酒、コロナ時代のスポーツ 旬の食べ物をしっかり摂ること ひとつの季節を越えさせてくれた あとがき──コロナ時代の近況と、書かれていないやさしさについて 訳者あとがき
小説か、詩か、暗号か。ギムゲミスト、シュルレアリスム。100年前の前衛から届いた言葉。単行本未収録作品集。自筆イラスト12点、註釈198項。
貧しい生家を救うため金持ちの男爵子息と婚約した侯爵令嬢エリーゼ。だがある時妹と婚約者がキスする姿を目撃。その上愛し合っているから婚約破棄してほしいと縋られてしまう。そんな婚約者にうさん臭さを感じたエリーゼは一旦断るものの、今度は『妹と婚約者の純愛を邪魔する悪女』との噂を広められ…。途方に暮れるエリーゼの前に現れたのは隣国の公爵令息アルフォンス。魔法使いでもある彼はなぜか婚約者の調査に協力してくれるそうでー?
一目惚れしたキルシュネライト卿との婚約が決まった、末っ子王女のアンネリーゼ。彼にせっせとアプローチする一方で、DV婚約者に悩む令嬢たちに名助言しているうちに、なぜか「恋愛の達人」として人気者に。その反面、事情を知らない人たちからは「悪徳王女」と呼ばれてしまう。しかし肝心の想い人からは、頑なに「誰とも結婚できない」と言われるが、どうやら彼には秘密があるらしく!?
異形を操る影王子により義兄や王太子達が行方不明。コニーも諜報部隊“黒蝶”として救出隊に加わり、敵の妨害、無能な味方に足を引っ張られながらもアベルや“黒蝶”とともに歩みを進める。だがあるトラブルにより貴重な戦力の彼らが魔法薬をかぶって子供に変身!戦闘に加え子守りとか勘弁してくれませんか!?一方囚われのリーンハルトは王太子救出の機会を狙いつつコニーとの再会を願っていたが、彼の身体にはある“変化”が起こり始めていてー?