2023年3月8日発売
「幽霊語」を作る辞書編纂者の正義、儀式で絶命することを名誉とする一家の恥曝しな伯父、社会に辟易しデジタル・データになる告白をした息子と母親の葛藤、穏やかな日々を送る男が終身刑で消去された人生の記憶、生物園の檻で暮らす男と逢瀬を重ねる女、女王陛下と揶揄された少女の絶望と幸福の告白、空っぽの肉体をもつ新生児が生まれ始めた世界の恐るべき魂の争奪戦、合衆国から独立したテキサスの町「アメリカ」で繰り広げられる群像悲喜劇、逆回転する世界に生まれた僕の四次元的物語ー。現代アメリカの暗部と矛盾、恐れと欲望、親密さと優しさ。奇想天外な世界の住人たちのリアルな情動に息を呑む、驚異的作品集。
大森署を長年にわたり支えてきた竜崎伸也が去った。新署長として颯爽とやってきたのは、またもキャリアの藍本小百合。そんな大森署にある日、羽田沖の海上で武器と麻薬の密輸取引が行われるとの報が!テロの可能性も否定できない、事件が事件を呼ぶ国際的な難事件に、隣の所轄や警視庁、さらには厚労省に海上保安庁までもが乗り出してきて、署内はパニック寸前!?藍本は持ち前のユーモアと判断力、そしてとびきりの笑顔で懐柔していくが…。戸高や貝沼ら、お馴染みの面々だけでなく、特殊な能力を持つ新米刑事・山田太郎も初お目見え。さらにはあの人物まで…!?
火山噴火で孤絶した集落。森の中から彼らに忍び寄る群れー作家マックス・ブルックスのもとに届いた手記。それはレーニア山噴火後、廃墟となって発見されたエココミュニティの住人が残したものだった。未だ原因が明かされていない集落全滅の真相とは?武器も食糧もないひとびと。地面に刻まれた人間そっくりの巨大な足跡。闇にひびく咆哮。森の中に散乱した動物の死骸。そして牙を剥いて襲い来る凶暴な群れ。傷だらけになった人間たちの反撃、果たして成るか?
“マスターズ和平会議”はテロ国家共同体ティグロ代表・ブルタウにより破壊された。会議に遅刻し、世界に恥を晒したピースランド首相・・富士見は、マスコミから糾弾され、デモ隊から生卵をぶつけられ、支持率は地に落ちた。しかし彼は会議を再開するべく、フロンティア合衆国の大統領代理・アンに想いを込めた手紙を送る。富士見は桜を始めとする個性のキツイ秘書達、そしてアンと彼女を支える国務長官・ダイアナとともに、武器ではなく「言葉の力」で、どんな国のどんな立場の人間も置き去りにせず、世界を一つにしようとする。しかし、両親をテロで亡くしたアンには、ある秘密があったー。
“絶対に口にしてはいけない禁忌”を抱えた村に、転校生・高遠瑠樺がやってくる。彼のあまりの美しさに、息を呑む相馬律。だが、他の誰も、彼に近づこうとしない。律だけに訪れる、死にたいほどの快楽。ある日、律の家の前が、狂い咲きした花で埋め尽くされる。花の意味を知る、神社の“忌子”の口から出た言葉は…。止まらぬ愛と欲望は、はてしない絶望と恐怖の始まりだった!