2023年5月発売
国際的な投資家・鷹栖祐二を刺殺した容疑者は、かつて渋谷の街でLSDを散布した新興宗教「一真行」の元信者だった。一種のマインドコントロールが疑われ、国家総合安全保障委員会(NCSC)兵器研究開発セクションの井澗紗理奈と、テロ対策セクションの弓削啓史が調査にあたることになる。2人は、和歌山にある一真行本部の近くに住む心理学者、山咲岳志のもとに向かう。事件の背後に隠された恐るべき謀略とは?“巡査長 真行寺弘道”“DASPA 吉良大介”の人気作家が、沈みゆく日本を舞台に描くサスペンス巨篇。
最悪?と思った中古マンションには女神が棲んでいた。突然持ち上がった立ち退き話をきっかけに入居者たちが組合を作って個々の負担なし、外断熱で管理費もカバーとあらゆる知恵を絞って新しいマンション建設に至った。コーポラティブハウス完成までの笑いと文殊の知恵の物語。
たった290円の相談料で悩みを抱える人の元に出向き、おたすけ料理をこしらえて解決へと導く“麦わらさん”の優しくて可笑しくて、少し哲学が入った物語。「なにかお困りの方、メールをください」連作短編小説。
第9回メフィスト賞受賞作『QED 百人一首の呪』から25年。高田崇史が挑む新境地は、初の時代小説!目も鼻も口も耳もないのっぺらぼうの僧侶に暗闇から手招きされる。そんな悪夢に怯える藤沢宿の飯盛り遊女・お初は、間夫の破戒僧・勝道と弁財天の加護を求め、江ノ島へ。茶屋の婆から身投げした稚児の哀しい物語を聞いた二人はー。
世界中の強豪選手が集結した「第1回東京レガシー卓球」。会場では、急遽出場となった毛利翼という中国の補欠選手が注目を集めていた。初戦でいきなり世界ランク3位の選手を一蹴した男のユニフォームには、中国選手のはずなのになぜか日の丸が縫いつけられていたのだ。不思議な選手の登場に動揺するテレビ局の中継スタッフが調べると、6年前、毛利翼という大学生が、殺人の罪で逮捕されていたことが明らかになる。カメラに映る男とその大学生は同一人物なのだろうか?過去と現在をつなぐ、絆のラリーが始まった。
ある日の昼下がり、妻の恵が暴漢に襲われた事件の知らせを受け、楠木啓蔵は病院に駆け付ける。一命を取り留めた恵だが、「なんでわたしは、-あなたを選んでしまったの」という謎の言葉を残したまま意識を失ってしまう…。最後のメッセージが頭から離れない楠木は、事件に巻き込まれた原因を探るうちに、恵の陰に見え隠れする、古代ギリシア彫刻「ニケ」の存在に気付いていく。
60戦以上無敗、まさに無敵の剣士。有馬喜兵衛、吉岡一門、宍戸某、そして佐々木小次郎。さらにはー。難敵との数々の死闘をくぐり抜けた武蔵は吐き捨てた。今日まで剣に生きてきて、兵法というほどのものではない。ただのチャンバラにすぎん…。東西の歴史に材を取り、『ナポレオン』で司馬遼太郎賞を受賞した名手の手で鮮やかに蘇る、数多の強敵との名勝負!「剣聖」とも称される達人が、戦いの果てに辿り着いた境地とは?
恋なのか?推しなのか??1912年、バレエ・ダンサー。1958年、宝塚歌劇団男役。2人のスターに焦がれて生きた女性・ロモラの半生を描く傑作長編!
探偵には、1字の誤算もありえない。ワンセンテンスに隠されたまさかの謎を解け!!論理的対局。それは偶然耳にしたわずか1文・数十字をめぐる知の殴りあいだ。何の因果か今日もまた、結子は悪党のワンセンテンスを聴いてしまった。そこに秘められた恐るべき悪事よーそれをトボけたおっさん・司馬警視正にわからせ、重大事件を解決させてやらねば。だから結子は指し続ける。ロジックロジックの攻めの手を。彼女の指す一手ごとに暴かれる、悪魔宿るワンセンテンスの解釈とは。彼女が最後に証明する、驚天動地の犯罪計画とは。さてこの勝負、詰むや詰まざるや?
鎌倉の民宿に、ある家族が長逗留している。息を潜めるように暮らしているが、実はテレビでも特集されたことのある有名人たちらしい。病院で新生児の頃に子供を取り違えられた二組の家族が支え合い、共同生活を営んでいたことが注目されたのだ。それが、なぜいま隠れ住んでいるのか?原因は、予期せぬ殺人事件と、その驚くべき顛末にあった。彼らが平穏を取り戻すことは、不可能なように思えた。
「六つの迷宮入り凶悪事件の犯人を集めた。各人に与えられた武器で殺し合い、生き残った一人のみが解放される」女名探偵の死宮遊歩は迷宮牢で目を覚ます。姿を見せないゲームマスターは六つの未解決事件の犯人を集めたと言うが、ここにいるのは七人の男女。全員が「自分は潔白だ」と言い張るなか、一人また一人と殺害されてゆく。生きてここを出られるのは誰なのか?そしてゲームマスターの目的は?
日常から浮遊する、5つの奇妙な謎と解決。ドレスをズタズタにした犯人は、どこから来てどこへ逃げた?「幸せという小鳥たち、希望という鳴き声」。虫食いだらけの原稿を、前後の文章から推理して完全修復!?「フーダニット・リセプション名探偵粍島桁郎、虫に食われる」。夫は殺したはずなのに!なぜここに!?「動くはずのない死体」。超常的な力で殺人罪から逃れる男VS.熱血刑事「悪運が来たりて笛を吹く」。瞬間移動能力者が起こした密室殺人。読者への挑戦状付き!「ロックトルーム・ブギーマン」。
一九四九年、終戦から四年が経った東京。陸軍中野学校出身でかつて破壊工作員だった藤堂直樹は、歴史学者の守屋淳一郎と物理学者の和久田元から過去に時間を遡る手段を発見したと聞かされる。さらに二人は直樹に思いがけない依頼をしてきたー「過去に戻って、戦争を始めた者たちを排除して欲しい」。-目指すは満州事変の阻止。未来は、本当に変わるのか?
権力の座を望む長女、その姉を恐れる次女、父親が気がかりな三女。日本一の家具店を一代で築いた“家具王”宝田壮一だが、寄る年波には勝てず、また後継者選びにも悩んでいた。三姉妹も役員だが、それぞれの強い思いが不協和音となり、家族間に暗い影を落とす。一族を取り囲む社員たちに加えて投資ファンドの策謀が絡み、影は濃く、深くなるばかり。宝田家具には“破滅”への道しかないのか!?家族の“絆”は、幻想にすぎなかった。『リア王』を下敷きに、古くて新しい家族の悲劇を描いた意欲作。
“どんでん返しの帝王”が描く大人気検察ミステリー、待望の第3弾!南海電鉄岸和田駅にて、無差別殺人事件が発生。7名を殺害した笹清政市(32)は、自らを失うもののなにもない“無敵の人”と称する。ネット上で笹清をロスジェネ世代の被害者だと擁護する声があがるなか、大阪地検で郵送物が爆発、6名が重軽傷を負った。被疑者“ロスト・ルサンチマン”は笹清の釈放を求める犯行声明を出す。事件を担当する大阪地検の不破俊太郎一級検事は、調査中に次の爆発に巻き込まれー連続爆破事件は止められるのか?“ロスト・ルサンチマン”の真の目的は何なのか?
『物語の種』ができるまで。読者が物語の「種」を投稿する。(体験談、思い出、好きなフレーズ、写真…なんでもOK!)→有川ひろが、選んだ「種」を元にして「小説」を書く。→十粒の「種」が選ばれ、十篇の「小説」ができあがる。→それをまとめて、本書が完成。次に選ばれる「種」は、本書を読んだあなたの投稿かも?
暗愚と疎まれた将軍の、比類なき深謀遠慮に迫る。口が回らず誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)と呼ばれ馬鹿にされた君主。第九代将軍・徳川家重。しかし、幕府の財政状況改善のため宝暦治水工事を命じ、田沼意次を抜擢した男は、本当に暗愚だったのかーー? 廃嫡を噂される若君と後ろ盾のない小姓、二人の孤独な戦いが始まった。
教会都市パルムの神学校を首席で卒業したアルフ。しかし彼は、貴族の嫉妬によって、都市のはずれに建てられた教会に追いやられてしまう。途方に暮れるアルフの前に現れたのは、赴任先の教会にいたリアヌンという名の女神!アルフは神の声が聞こえるスキル「預言者」を使って、リアヌンと仲良くなると、祈りや人助けした数だけ貯まる“神力”で様々なスキルを使えるようにしてもらうのだった。教会を訪れる愉快なみんなと、あったか教会ぐらし始めます!