小説むすび | 2023年6月21日発売

2023年6月21日発売

七人怪談七人怪談

「これは、わたしが小学校の、高学年だった頃の話です」--少女が雑誌に投稿した、ある家族を襲った不気味な怪異の記録。悪化していく一方の父の怪我、何者かに乗っ取られ不気味な笑い声をあげる妹。そして親類たちの死。霊能者“マツシタサヤ”によって怪異は鎮められ、記録は締めくくられる。だが、この投稿を皮切りに、マツシタサヤを巡る不可解な記録が世に溢れはじめ……(澤村伊智「サヤさん」)。  同窓会をきっかけに、故郷の実家に泊まることになった「私」。すでに実家には誰も住んでおらず、何も無い家に過ぎないはずなのに、「私」以外の何者かの気配が段々と濃くなっていく。鳥籠の中で邪悪な笑みをたたえた阿弥陀如来像、座敷の蒲団の中で蠢くモノ、そしてーー。忌まわしい記憶とともに、何かが迫ってくる(三津田信三「何も無い家」)。 ホラー界の巨星、三津田信三が、屈指のホラー小説の名手六人それぞれに相応しいテーマで「自分が最も怖いと思う怪談を」と依頼して編まれた戦慄のアンソロジー。 澤村伊智「サヤさん」 加門七海「貝田川」 名梁和泉「燃頭のいた町」 菊地秀行「旅の武士」 霜島ケイ「魔々」 福澤徹三「会社奇譚」 三津田信三「何も無い家」

不便なコンビニ不便なコンビニ

韓国発ベストセラー、傑作Kヒーリング小説 【2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位】 【韓国で100万部超、シリーズ累計150万部超】 【ソウルで舞台版ロングラン上演。ENAにてドラマ化進行中】 ソウルの下町。亡き夫の遺産で建てたコンビニ「Always」を細々と営む元教師のヨムさんは、駅で無くした財布を拾ってくれたホームレスの男「独孤(トッコ)」と知り合う。記憶を失い言葉はたどたどしいが、誠実そうな独孤を見込んだヨムさんは、彼を深夜シフトの店員として雇う。近隣のコンビニに押され気味で品揃えが悪く、近所住人からは「不便なコンビニ」と呼ばれている「Always」の店員や客たちは、謎だらけで怪しげな独孤を警戒しつつ、一方でそれぞれに問題を抱えていた。 韓国でシリーズ累計150万部(2023年6月現在)、世界各国で出版され、舞台化、ドラマ化も進行中の大ベストセラー。誰もが生きづらさを抱えて生きるコロナ前夜のソウルを舞台に、人と人との関わり、罪と赦しを優しくユーモラスに描いた、8篇からなるKヒーリング小説の傑作。 【編集担当からのおすすめ情報】 本書は2021年春に韓国で刊行された小説の邦訳版です。著者は2013年の『望遠洞ブラザーズ』で世界文学賞を受賞しながらも、その後はずっとヒット作に恵まれませんでした。そんな中で細々と発表された本作は、電子書籍プラットフォームから火がつき、またたくまに大ベストセラーとなり、2022年には大型チェーン書店「教保文庫」と大型電子書籍店「YES24」でもっとも売れた「今年の一冊」に選ばれました。2022年夏に刊行された続編『不便なコンビニ2』と合わせて150万部(2023年6月現在)を売り上げ、本書に似せた装画の本が次々と刊行され、「Kヒーリング小説」という新たなジャンルを生むなど、社会現象となっています。 そのような華々しい道を辿っている作品ですが、描かれるのはむしろ普通の人々のささやかな営みと、痛みや優しさ、人との関わりから生まれる何かです。それぞれに小さな生きづらさを抱えている登場人物にも、どこかしら共感していただけるのではないかと思います。本書を読むことで、ひとときの癒しや救いを感じていただければ幸いです。

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