2023年発売
「ある日のこと、オルロフはえんどう豆のピュレをいやというほど食べて死んだ。クルィロフはそのことを知って、やはり死んだ。スピリドノフは勝手に死んだ」 (「出来事(ケース)」より) 長くソ連では当局に禁止されていたものの、いまやロシアはもとより、欧米諸国でカルト的な人気を集めているダニイル・ハルムス。ロシア・アヴァンギャルドの終焉に燦然と輝くハルムスは、そのミニマルな文体、意味と無意味の戯れ、ユーモアと不条理で、「ロシア文学」のイメージを颯爽と覆す。 代表作である生前未刊行の短篇集『出来事(ケース)』と、訳者がセレクトした短篇38篇からなる旧版に、新たに訳出した10篇〈アンコール・ハルムス〉を加えた増補版として待望の復刊。岸本佐知子氏推薦!
誰もが恐れる宇宙犯罪組織「アニキラシオン」若干20代のそのボスは生まれながら心臓が弱く信頼する部下たちの勧めで心臓移植手術に踏み切ることに…しかし、それが全ての災いの元だったのだ。少女型セクサロイドに義体化されたアニキラシオンのボス「セロン・C・レオネ」とその正体を知らないまま一攫千金を夢見る賞金稼ぎ「ビル・クライド」まったく噛み合わないコンビがそれぞれの目的のために宇宙をさまよい、そして闘いの渦に飲まれていく!?韓国の小説投稿サイトに掲載されるとたちまち人気を誇ったこの作品をローカライズ化!!そのジェットコースターのような軽快なストーリーに魅了されること間違いなし!!
"Think not that dreams appear to the dreamer only at night, the dream of this world of pain appears to us even by day." In this book, famed author Lafcadio Hearn presents 14 fascinating stories--including deathless ghosts and yokai, local folklore and haunted places, as well as Buddhist traditions. This edition includes a new foreword by Michael Dylan Foster which explains the book's importance as a Japanese cultural and literary classic. The Japanese have two kinds of ghosts in their folklore--the spirits of the dead and the spirits of the living. In Ghostly Japan examines both and, in the process, offers a fascinating window into Japan's supernatural and spiritual world. The 14 stories include: ・Fragment"--A young pilgrim encounters a mountain of skulls and is shown a terrible truth ・Ingwa-banashi"--On her deathbed, a dying wife bequeaths to her young rival a sinister and horrific gift ・A Passional Karma"--A spectral beauty transcends death to return for her handsome samurai lover ・Story of a Tengu"--A priest saves the life of a Yokai monk and is granted a wish, but the outcome is not as expected 霊の日本 英文版 再話作家の第一人者であるハーンが日本の霊を描く14編をまとめた短編集。
我らの父祖の言葉は死につつある…… ともに覚醒せよ、皆、ともに覚醒せよ! 現在では牧歌的な風景や美しい海岸のイメージのある、 フランス北西部の半島に位置するブルターニュ。 そこには言語を強奪しようとするフランスからの支配に ペンで抵抗した文学者たちの歴史と、継承が危ぶまれる ブルトン語を守ろうとする人々の現在があった! ======== 【目次】 第一部 受難と抵抗 第一章 抗う人々の歴史 第二章 ブルトン語の受難 第二部 民族主義と文学的営為 第三章 『バルザス= ブレイス』の誕生と「バルザス= ブレイス論争」 第四章 ナショナリズムと国民(民族)文学の黎明 第五章 信仰と郷土愛に生きた詩人ブレイモール 第六章 社会参加の詩人カミーユ・ル・メルシエ・デルム 第七章 ブルトン語文学の創造を希求した作家ロパルス・エモン 第三部 戦後の言語放棄と言語復興運動 第八章 ブルトン語の危機 第九章 ブルターニュ地方の言語政策 第一部 受難と抵抗 第一章 抗う人々の歴史 第二章 ブルトン語の受難 第二部 民族主義と文学的営為 第三章 『バルザス= ブレイス』の誕生と「バルザス= ブレイス論争」 第四章 ナショナリズムと国民(民族)文学の黎明 第五章 信仰と郷土愛に生きた詩人ブレイモール 第六章 社会参加の詩人カミーユ・ル・メルシエ・デルム 第七章 ブルトン語文学の創造を希求した作家ロパルス・エモン 第三部 戦後の言語放棄と言語復興運動 第八章 ブルトン語の危機 第九章 ブルターニュ地方の言語政策
「日の丸原爆製造計画」の真実 太平洋戦争中、理化学研究所の科学者たちは、陸軍か らの命令にどう対処したのか? 彼らは、本当に原爆を製造しようとしていたのか。 これまで世に出なかった新事実に基づくノンフィクション 小説。 戦中、戦後、日本の科学者たちは、陸軍やGHQ の圧力 に屈することなく、祖国の将来を見据えた基礎研究を続けたことが記されている。 はじめに 第一章 第二章 第三章 参考資料 あとがき
思いもよらない人々や異界との出会いを生み、読む/書く人々の試行錯誤の場となる「公園」を目指して、様々な分野のエッセイ・小説・漫画を収録する文芸雑誌がいよいよ創刊。 特集は「矛盾」。矛盾をいかに抱えていくか、矛盾があるからこそ可能になることは? 小説家、コーヒー店店主、数学者、物理学者、など様々なフィールドの書き手が「矛盾」を描く15のエッセイ・小説を集めました。 創刊準備号に引き続き「この1年に読んだ本」では、ジャンル・新旧を問わず、執筆者・制作者が印象に残った全21冊を紹介。 連載・小特集「これから読む後藤明生」では、漫画家・panpanyaが後藤明生の小説を読んで描く漫画をはじめ、エッセイ2編を収録。 すべてのページに画家・佐貫絢郁の書き下ろし挿画掲載。 巻頭言 ようやく創刊する『代わりに読む人』 この1年に読んだ本 2022-2023 ・panpanya/松尾信一郎/わかしょ文庫/小山田浩子/はいたにあゆむ/松尾模糊/今村空車/佐貫絢郁/蛙坂須美/飯村大樹/二見さわや歌/伊藤螺子/伏見瞬/永井太郎/深澤元/コバヤシタケシ/北村さわこ/牧野楠葉/陳詩遠/友田とん 特集 矛盾 ・友田とん 「矛盾」が考える ・はいたにあゆむ 環 感 勘 歓 ・今村空車 芝生の習作 ・わかしょ文庫 よみがえらせる和歌の響き 実朝試論 ・松尾模糊 海浜公園建設予定地 ・蛙坂須美 幽霊は二度死ぬ、あるいはそこにないものがある話 ・小山田浩子 こたつ ・松尾信一郎 水の滴るような積分記号について ・永井太郎 健康 ・陳詩遠 ありえない秩序 ・二見さわや歌 骨を撒く ・牧野楠葉 瑠衣 ・伏見瞬 「さみしさの神様」を待ちながら ・伊藤螺子 鶴丸さんの分身 ・友田とん 矛盾指南 連載・小特集 これから読む後藤明生2 ・細馬宏通 蕨、遡る歌 ・深澤元 後藤明生を売る ・panpanya 読み方 コバヤシタケシ dessin 2 ミイラ 著者略歴 読者の声
2021年9月11日午前8時46分、国会議事堂に無人偵察機が墜落・炎上した。 同時多発テロから20年後のこの日、誰が何を目的にテロを起こしたのか? そしてなぜターゲットは日本なのかーー。 奇しくも同じ日、アメリカが国際指名手配するイスラム過激派テロリスト・赤星瑛一が警視庁に出頭していた。このままではCIAに暗殺される、身の潔白を証明させてほしいと保護を求めてきたのだ。 警察はテロ犯の疑いをもって赤星の身柄を拘束するも、その後に次々とサイバーテロが発生、取調室の赤星は「神の裁き」だと繰り返すばかりで犯人像はまったく掴めない。 首相官邸、防衛省、警察庁は一枚岩になりきれず右往左往、具体的な対策を打ち出せないでいるうちに、東京の電力供給がストップし、国民生活にも被害が及び始める。 大混乱の最中、追い打ちをかけるように北朝鮮のミサイル発射を知らせる警報が鳴る・・・・・・。 突如訪れた国家と世界の危機に、「平和の国」日本はどう立ち向かうのか。 序 宣戦布告 テロリスト 新・戦争論 審判の日 終末のアリア バベルの塔 終
目覚ましい成長を遂げた美貌の王子ウォルドは、性別も身分も関係なく、ただカリヤの側にいたいと跪く。一度はウォルドの想いを拒絶したカリヤも、ひたむきな彼の愛を受け入れ、二人は晴れて結ばれる。旅の間に紡がれたエルフとの縁を契機に、風前の灯だったティシア国は、若き王ウォルドの下で復興しつつあった。カリヤも生産職のスキルを活かし、邪悪な転生者との対決に備える。そんな中、冒険者ギルドに赴いたカリヤはゲームに似たこの世界の秘密とウォルドの覚悟を知ることになりー?
名門・ヴァレイン家の執事から依頼を持ちかけられ、内密に用心棒兼使用人として屋敷に潜入していたロバートは、なんの因果か屋敷の主人でΩ嫌いのαである魔法騎士ダリウスの夜伽相手も務めることに。度重なる指名に戸惑いながらも普段通り情事に耽っていた晩、ダリウスの暗殺に失敗したスパイが口を滑らせたせいで自分にも暗殺の嫌疑がかかってしまう!不幸にもその場にロバートの無実を証明できる者もいなかったため投獄から逃れようと屋敷を飛び出したが、これまでバース性が判明していなかったロバートは逃亡の際に自身に妊娠の兆しを感じて…!?
定年目前最後の仕事に精を出す土田有三は、ある日、仕事の機密情報が入ったUSBメモリを紛失してしまう。そんな彼のもとに転がり込んできたのは、「“ゴミ仙人”なる人物に依頼すると、数日のうちに失せ物が見つかる」という奇妙な噂。藁にもすがる思いで“ゴミ仙人”のもとに訪れた彼は、そこで信じられない光景を目にするのだった。表題作『塵芥仙人』ほか、計3篇の傑作を収録。
やっぱり翻訳モノはおもしろい。 読めば読むほど、もっと読みたくなる。 19年10月に刊行した『翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK』(1〜12号収録)の第2弾、完結編。 13号(18年12月)〜20号(23年2月)に、「緊急特集 戦争を考える」を加えた全9号が1冊の本になりました。 フィクションやとんでもなく厚い本、短篇、詩等のほか、「戦争を考える本」も紹介。 江國香織さん、多和田葉子さん、東山彰良さん、ブレイディみかこさん、町田康さん、森絵都さんなど、総勢31人の作家の方々によるエッセイも収録した贅沢な翻訳本案内です。 13「絵と字で、無敵!」グラフィックノベル特集 【エッセイ】グラフィックノベルの新時代とスタン・リー 95歳の死──小野耕世(映画・漫画評論家) 14「against!」「ノー」と言うこと 【エッセイ】不羈という一言──あさのあつこ(作家) 15「Be short!」短編特集 【エッセイ】遠い他国の和平を願う──宮内悠介(作家) 16「stranger than fiction?」ノンフィクション特集 【エッセイ】現実こそオチがつく──ブレイディみかこ(ライター) 17「Books on Books」本についての本特集 【エッセイ】我が友バートルビ──都甲幸治(アメリカ文学研究者・翻訳家) 18「Other Voices,Other Places」英語圏以外の本特集2 【エッセイ】翻訳と詐欺──多和田葉子(作家・詩人) 19「Fat but/and Fun」分厚い本特集 【エッセイ】分厚い本──桜庭一樹(作家) 緊急特集2022 Books and Wars 戦争を考える 青山七恵、江國香織、恒川光太郎、酉島伝法、東 直子、東山彰良、深緑野分、星野智幸、穂村弘、町田康、松田青子、森絵都 and more…… 20 It will resonate 詩の本特集 【エッセイ】詞と詩のあいだにあったもの──斉藤 倫(詩人)
婚約破棄されたので 辺境で家族と仲良くスローライフを送るはずが…… なぜか前世知識でモノづくり&ビジネスライフ!? ゴルダ王国第2王子に婚約破棄された貴族令嬢サラナ・キンジェは、実は前世がアラフォーOLの転生者だった。 王家からの扱いや堅苦しい貴族社会に疲れたキンジェ家は、一家そろって隣国にある母の実家に移住することに。 こうしてサラナは辺境で両親や祖父、伯父家族たちとのんびりスローライフを送る──はずだった。 しかし、前世知識を駆使してモノづくりを始めたり、つくった商品が爆売れしちゃったりと、サラナは想定外の人生を歩み始める!? ちょっと暇つぶしに──魔石装置や化粧品や快適寝具や魔物料理や領民の安定収入源をつくっていたら、商会長がゲッソリしたり孤児院を救ったり王弟殿下につきまとわれたりしてしまった、サラナ・キンジェです。ごきげんよう。
「わたしを厄介者扱いしてきたやつら、逃した魚の大きさを知るがいい!!」クラスメイトと一緒に異世界へトリップしたら、あっちは聖女、わたしは“オマケ”!? 召喚先の中堅国はわたしを厄介者だと邪険な扱い。そんな時、手を差し伸べたのは大国・ワイエル帝国の皇弟殿下で──「貴様は聖女と共に召喚された娘か?」いきなり貴様呼ばわりする超不機嫌顔の殿下との利害の一致で、彼の婚約者となり帝国に住むことに。そしたら聖女以上の魔力持ち、ついでに“聖竜の愛し子”であることも判明し、ついには帝国の聖女をすることになっちゃった!?
最強女教師、古代魔術を極めたエルフの国に殴り込み!? 《WEB版からの改稿に加え、ほのぼの可愛い書き下ろし短編も収録!》 過去にソラレを虐めていた同級生に謝罪させるべく、再びエルフの国に乗り込んだアオイ達一行。 虐めっ子とその家族にレベルの高い魔術をもって実力を見せつけるが、なんとしても自身の非を認めない。 それどころか、エルフの元老院にて魔術を披露するよう求めるのだった。 訪れた元老院ではエルフの次期国王候補が招致されており、そこにはアオイの師匠・オーウェンがいて──!? 「魔術の実力に種族なんて関係ありません」 最強のエルフ達と対決する、最強女教師アオイの異世界教育改革、第五弾!
テディベアのタオフーは、あるとき目覚めたら人間の身体になっていた! どうしてこんなことが起こったのかわからず混乱していたけれど、でも持ち主である大好きなナットくんがいれば大丈夫!……のはずが、突然現れた見知らぬ男にナットくんは警戒心をあらわにし、タオフーを警察に連れて行こうとしたり、寝室に入れてくれなくなったりと想定外の困難だらけになってしまった。家にいる「物」たちと力を合わせながら少しずつナットくんの警戒を解き、タオフーはぬいぐるみだった頃よりも深くナットくんを知っていく。ずっと一緒にいるために、タオフーは自分の起源を探し始めて……? これは“ふつう”の日々の中に訪れた奇跡と愛の物語ーー。
ナットくんとの甘い日々は、幸せに満ちているようでいて、ちらちらと不穏な棘が見え隠れしていた。ナットくんを深く知れば知るほど、愛せば愛すほどそれは避けて通れないと思い知らされる。だが、どれだけ困難だったとしても、ナットくんと一緒にいたいからこそタオフーはどうして自分が人間になったのか探し求めていくしかない。しかし、家の中の「物」たちが次々と眠っていっていることが発覚! タオフーは自分にも眠りの時が迫っているのではないかと焦り始める。そしてついに、ナットくんが隠してきた初恋の真相と、さらにそれが自分に繋がっていたとわかって!? 奇跡に秘められた愛の真実とはーー。奇跡の向こうに訪れた後日談番外編も収録。