2024年1月発売
髪の毛が根こそぎ抜ける感染症は、いつしか中高生以下を除くほとんど全ての人がはげる“平等”な世界に変えた。それ以前から薄毛を気にしていた真智加は新しい社会の価値観に開放感を抱いていたのだが、ある日、思いがけない新たな悩みに直面し、そのことが長年友情を培ってきたテラとの関係にも影響が及ぼしそうで…。同じく、予想外の悩みは、幼少期に髪を切られる乱暴の被害にあった高校生の琢磨にもある。それは恋人の希春と行った占い師のお告げがきっかけだった。
いざ、妖精の里へ! もふもふだらけの異世界ファンタジー、第十六弾! 大ボリュームの書き下ろしを収録 ルーにおいしいお酒をプレゼントしたいユータ。するとチル爺に、『次の満月の日、1日空けておくのじゃ』と告げられて……。 向かった先は、チル爺たちの、妖精の里! そこでユータは、神様へ捧げる御神酒をつくることに! 神秘的な妖精の里に、『希望の光』の新たな冒険! ユータのもふもふ異世界ファンタジー第十六弾!
私、マリアベル・シュミル伯爵令嬢は、「姉のものは自分のもの」という考えの妹のエルベルに、婚約者を奪われ続けていた。ある日、エルベルと私は同時に皇太子妃候補として招待される。その時「皇太子妃に興味はないのか?」と少年に話しかけられ、そこから会話を弾ませる。帰宅後、とある理由で家から追い出され、婚約者にも捨てられてしまった私は、親切な宿屋の人に助けられ、新しい人生を歩もうと決めるのだった。そんな矢先、皇太子殿下が私を皇太子妃に選んだという連絡が実家に届き…。
ガーザの街でイーサンと双子との再会を喜んだのも束の間、危険が迫るシーラの救出に向かうカエデ。ギンの菌輪(フェアリーサークル)によって死の森に戻ったカエデは、湖の異変に気付き双子たちと不思議水の謎に迫ることに!鋼メンタルのカエデが繰り広げる異世界生活、第五弾!
第22回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作! 紀元前1300年代後半、古代エジプト。 死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けることができない。 欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は3日。 ミイラのセティは、自分が死んだ事件の捜査を進めるなかで、やがてもうひとつの大きな謎に直面する。 棺に収められた先王のミイラが、密室状態であるピラミッドの玄室から消失し、外の大神殿で発見されたというのだ。 この出来事は、唯一神アテン以外の信仰を禁じた先王が葬儀を否定したことを物語るのか? タイムリミットが刻々と迫るなか、セティはエジプトを救うため、ミイラ消失事件の真相に挑む! 浪漫に満ちた、空前絶後の本格ミステリー。 【選考委員 大絶賛!】 死者が甦る世界でなければ書けない魅惑的な謎に正面から挑んでいる。 これだけ野心的な設定を用意して、壮大な物語をきちんと着地させた点を高く評価。 このミステリーはたしかにすごい。--大森 望(翻飲家、書評家) 現世に蘇ったミイラが何の違和感もなく受け入れられるあたり、 落語にも似たとぼけた味わいがあり、思わず吹き出しそうになった。 奇想天外な謎作りといい友情溢れる人間関係劇といい大賞の価値あり。--香山二三郎(コラムニスト) 探偵役がミイラ、タイムリミット有り、不可能犯罪のほか謎がちりばめられ、 読ませるポイントが随所に用意されている。 古代エジプトに興味をもてない方々もぜひ読んでほしい。--瀧井朝世(ライター)
王都の騒動を経て、領地に戻り落ち着いていた私、ユミエラ。だが「ユミエラさんと張り合えるのはユミエラさんしかいませんわね」というエレノーラの発言がきっかけで、脳内私VS私バトルが始まってしまう。そして気がついたらー私の左半分が死後の国に迷い込んでいたってどういうこと!?ともあれ生き返るため、この謎の国の探索を始めることに。一方現世のもう半分の私も、未決着の左右対決に勝利するためーもとい、この状況を解決するため動き始めて…!?
大公に即位するエリーを手助けするため、ルメオン公国に向かったオパールとジュリアン。タイセイ王国でエリーを誘拐しようとした人間をあぶり出し、消えた巨額の鉱山収益の行方を探るため、二人は様々な手法で公国の要人に接近する。エリーの献身的な活動で我が侭公女という評判は変わり始めたものの、誘拐犯も隠し財産も見つからず、オパールは危険な賭けに出ることに…!オパールとジュリアンの最強兄妹は、無事にエリーを大公にさせられるか!?
王宮内に聖樹が爆誕し大騒ぎになる中、当の元凶の莉奈は平常運転で、黒竜が狩ってきたリヴァイアサンを調理開始!美味しいカルパッチョに仕上げ、最初は神をも恐れぬ所業だと震えていた料理人たちをもやっぱり虜にしてしまう。さらに莉奈は、黒スライムを乾燥させるとタピオカ風になることも偶然発見し、異世界にもタピオカブームの足音が!?魔物食が浸透しすぎて、魔物を狩りすぎたら食べられないと心配までされる始末の、グルメ改革コメディ第10弾!
魔帯箱を形にし二年生へと進級したクノンは、憧れのサトリ先生のフィールドワークに同行、早速波乱を巻き起こす。さらに、森林化が進んだ学園地下の迷宮で、神話上の植物と思しきものの目撃情報が!教師陣を中心にした捜索隊が急遽結成される中、クノンもそこに抜擢されー?特級クラスの後輩に新たに加わったジオエリオンの従妹もすぐさま魔術沼に引きずり込んで、さらに賑やかに加速する盲目の天才の魔術探求・二年生編スタート!
突然、異世界へ転移してしまったが冒険者育成クランに保護され、そこで自由気ままなスローライフを満喫中の悠利。ダンジョンマスターとまったりしたり、お高めなランチに舌鼓を打ったり、卵や肉を使った定番化メニューをアレンジしてみたりとやりたい放題楽しんでいた!そんな中、クランメンバーの兄姉が困っていると知り、失せ物探しや怪しい人物の調査をすることに。チート過ぎる鑑定系の上位技能“神の瞳”を使って問題解決しちゃいます!
異国から訪れた金髪碧眼の少女ベネデッタら一行は、猩々を一刀両断するほどの精霊力を備えていた。精霊器に匹敵する武器をも持つ彼女らは、晶の特異体質にも気付いているようで、晶に波国で騎士にならないかと揺さぶりを掛け…?一方、陸斗の故郷を占拠した謎の集団の蜂起を防ぐため、晶は諒太らと村へ。晶が土地神と話したことで、ベネデッタたちが高天原の神々の力を簒奪しようとしていることが発覚!晶は、この土地と自らの誇りを賭けて刃を振るう!
黒の森に現れた強力な魔物を討伐し、“いつも”の暮らしを守ったエイゾウ。夏が終わり、家族みんなで温泉作りを進めていたある日、カミロの紹介でやってきたのは「北方」から来たという少女だった。鍛冶師を志す彼女は、マリウスやカミロへの伝達手段として小竜を提供する代わりに、エイゾウの工房に弟子入りさせて欲しいと言う。北方出身と偽ってきたエイゾウは、自身の身バレを気にしながらも一時的に彼女の師匠となるのだが…?
黒の森に現れた強力な魔物を討伐し、“いつも”の暮らしを守ったエイゾウ。夏が終わり、家族みんなで温泉作りを進めていたある日、カミロの紹介でやってきたのは「北方」から来たという少女だった。鍛冶師を志す彼女は、マリウスやカミロへの伝達手段として小竜を提供する代わりに、エイゾウの工房に弟子入りさせて欲しいと言う。北方出身と偽ってきたエイゾウは、自身の身バレを気にしながらも一時的に彼女の師匠となるのだが…?
ひとは、「独り」から逃れられない。 著者史上最もグロテスクで怖い10の物語から成る、最高精度の小説集。 バイト先のコンビニに現れた女から、青年は「ある頼みごと」をされて──「ぴぴぴーズ」 男を溺れさせる、そんな自分の体にすがって生きるしかない女は──「みみず」 刺繍作家の女は、20年以上ともに暮らした夫の黒い過去を知ってしまい──「刺繍の本棚」 女たちは連れ立って、「ドクターF」と名乗る男との待ち合わせに向かうが──「錠剤F」 ……ほか、あなたの孤独を掘り起こす短編10作を収録! 【著者略歴】 井上荒野 (いのうえ・あれの) 1961年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。89年「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞を受賞。2004年『潤一』で第11回島清恋愛文学賞を、08年『切羽へ』で第139回直木賞を、11年『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞を、16年『赤へ』で第29回柴田錬三郎賞を、18年『その話は今日はやめておきましょう』で第35回織田作之助賞を受賞。その他、『あちらにいる鬼』『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』『小説家の一日』『照子と瑠衣』など著書多数。
問題を起こし家庭裁判所に送られてきた少年を一定期間預かる制度ー補導委託の引受を突然申し出た父・孝雄。南部鉄器の職人としては一目置いているが、仕事一筋で決して良い親とは言えなかった父の思いもよらない行動に戸惑う悟。納得いかぬまま迎え入れることになった少年と工房で共に働き、同じ屋根の下で暮らすうちに、悟の心にも少しずつ変化が訪れて…。
スペイン、カタルーニャ州の田舎町テラ・アルタ。町いちばんの富豪であるアデル美術印刷の社長夫妻が、惨殺された。夫妻は見るも無残な状態で血だまりの中に横たわっており、激しい拷問の末に殺されていた。獄中でユゴーの『レ・ミゼラブル』と出会い、犯罪から足を洗い警察官となったメルチョールが事件の捜査に当たるが、彼は想像だにしない地獄へと引きずり込まれていくことになる…。正義と悪とは何かという根源的な問いを突き付ける、英国推理作家協会賞最優秀翻訳小説賞受賞のスペイン・ミステリの傑作。
2015年11月パリ。同時多発テロ直後の街を、ローマ在住の作家が訪れた。国連の気候変動会議COP21の取材のためだ。もう一つ、理由があった。不妊治療で妻とすれ違い、家を離れたかったのだ。それからも作家は、執筆を口実に、トリエステや世界各地をさまよう。そこで出会ったのは、親権争い中の物理学者、自爆テロ事件を追うフリージャーナリスト、研究の末に心の病に冒された宇宙物理学者。個人的で切実な問題と、つぎつぎと起こる世界的危機に引き裂かれながら、作家は対話と自問を重ねる。そして日本に向かい、広島・長崎で彼がたどり着いた答えとは。『コロナの時代の僕ら』の著者が、困難を生きる姿を赤裸々に描き、国際的に高く評価される傑作長篇小説。35カ国で刊行決定。