2024年1月発売
新たな人生を穏やかに生きるため、長い眠りから覚めて姿を変えた伝説の魔女のリタ。しかし有名騎士のランスロットからパートナー指名されてしまう。さらに堅物騎士の彼はその伝説の魔女に惚れ込んでいることが発覚。ある時、リタの変身魔法が解けてしまい、それを見た彼はーー「ぼくと結婚していただけないでしょうか!!」その上、冥王討伐の時に失恋してしまった勇者の末裔まで現れて!?
コロナ禍に揺れる二〇二〇年の日本から幕末の蘭医で近代化学の祖である川本幸民のなした翻訳文化の知の体系を照射した表題作と、ルネサンスを生きた人文主義者マキァヴェッリの宗教への想いを描いた「残映のマキァヴェッリ」。日本とイタリアを舞台に、「近代」とは何かを鋭く問う、歴史小説集!
帝国歴144年、帝国内で起こった毒殺事件にかかわっていたことで稀代の悪女として生涯を終えたアリアドネ・ベルネットであったが、目を覚ますとそこは二十年後の帝国。気弱で内気なアリアドネ・フィルベルン公爵令嬢に成り代わっていたー。12歳で自ら命を投げ出した彼女の日記にはフィルベルン公爵家の“闇”が綴られていた。貴女の気持ちが痛いほど分かるわ、アリアドネー。彼女の無念を晴らすため、アリアドネ・フィルベルンとして生きていくことを決意する。同じ名を持つ、正反対のふたりが共につかむ幸せとは!書き下ろし短編2本収録!
神殿から断罪され、悪女の汚名を着せられた聖女メアリ。逃走を図った矢先、冷酷で魔法が一切効かない体質の“呪われた王太子”エドガルドに捕まって身請けされることに!?エドガルドの要求は“仮初めの妃となり、悪女として振る舞う”こと。メアリは裏があると察しつつも受け入れるが、逃走のために発動していた魅了魔法がなぜかエドガルドに効いてしまい!?「正真正銘の、この悪女め」(た、大変なことになってしまったわ…)不本意そうなエドガルドからとんでもない溺愛を注がれてー!
耳兜。それが神託の儀を受けたルオンが授かった神器だった。一方、幼馴染の少年は神剣エクスカリバーを。少女は回復スキルを授けられていた。どちらもレアな授かり物で、王都へとスカウトされている。ルオンの耳兜は“音がよく聴こえるようになる”だけでー。「ギャハハハ!なんだそりゃ!(お前はそこでへこむような奴じゃないだろ?)」「落ち込まないでね。私は笑ったりしないわ(あーあ、キープしておいたけど無駄だったかな)」。話かけてきた幼馴染たちの心の声が聞こえる!?あ、これ人間不信になるやつだ。でも逆に面白いかも?と前向きにとらえたルオンは、耳兜の能力を応用して、冒険者として困難なクエストをクリアしていく。やがてルオンは「怖い」冒険者として恐れられるようになりーこれは“耳兜の冒険者”という珍妙な異名がついた少年の物語。
「この子たちに選択肢を与えてあげられるのは世界で一人、私だけだ」 大手化粧品メーカーで働く新田茜は、ある日従姉妹のさやかの影響で、中学受験回避のための小学校受験に興味を持つように。 テレビ局記者の夫を持ち、世間的にはパワーカップルと呼ばれる茜たちだが、お受験の世界はさらに上の富裕層との戦いだった。 仕事と家庭の両立、協力してくれない夫、かさんでいく教育費、思い通りにならない子供たち。 悩み葛藤しながらも、5歳の娘・結衣を名門小学校に合格させるため、茜はどんどん小学校受験にのめり込んでいく。 その先に見えるものとはーー。 東京で過酷なお受験に翻弄される家族の物語! ※紙書籍版カバー裏には、特別短篇「新田茜の子離れ」を収録(電子版には収録されません)。 ※電子書籍版巻末には、特別短篇「新田総介の人生」を収録。
著者七年ぶりの新作長編!直木賞受賞第一作 その年の七月、丸田君はスマホに奇妙なメッセージを受け取った。 現実に起こりうるはずのない言い掛かりのような予言で、彼にはまったく身におぼえがなかった。送信者名は不明、090から始まる電話番号だけが表示されている。 彼が目にしたのはこんな一文だった。 今年の冬、彼女はおまえの子供を産む これは未来の予言。 起こりうるはずのない未来の予言。 だがこれは、まったく身におぼえのない予言とは言い切れないかもしれない。 これまで三十八年の人生の、どの時代かの場面に、「彼女」と呼ぶにふさわしい人物がいるのかもしれない。 そもそも、だれが何の目的でこの予言めいたメッセージを送ってきたのか。 丸田君は、過去の記憶の断片がむこうから迫ってくるのを感じていた──。 三十年前にかわした密かな約束、 二十年前に山道で起きた事故、 不可解な最期を遂げた旧友…… 平凡な人生なんていったいどこにあるんだろう。 『月の満ち欠け』から七年、かつてない感情に心が打ち震える新たな代表作が誕生。読む者の人生までもさらけ出される、究極の直木賞受賞第一作!
ドストエフスキー、プラトーノフらの衣鉢を継ぎ、ソローキン、ペレーヴィン、スタロビネツらに影響を与えた、ソ連地下文学の巨匠マムレーエフの怪作。神秘主義やエゾテリスムを湛えた、生と性、死と不死、世界、神、自我をめぐるリベルタンたちの禍々しき饗宴。
弟・セッチンと元婚約者・シリカルに裏切られたものの和解し、モノ作りの旅に出た鍛冶師、ヴィル・クラフト。呪いのアイテムをばらまき、人を不幸にする謎の存在「七福塵」の暗躍によって水の勇者が治める獣人の国は滅亡の危機を迎えていた…!さらに、七福塵の娘まで現れ、ヴィルの命を狙う!!ヴィルはチートすぎる鍛冶スキルで常識を覆すアイテムを作り、聖剣・夜空とその使い手である獣人ポロや新たな仲間たちとともに呪いの根源に立ち向かう!ヴィルたちの次なる旅の舞台は危険な密林!!?
女神ウィクトリアからの試練で、ある事情により投獄されている妖狐の里の巫女が再び巫女に仕事を続けられるようにするため、ゲンジたちは妖狐の里へ向かうことに。そこへ向かう途中ケンタウロスのギネヴィアと出会い、今妖狐の里は封印されていた妖狐族の始祖が復活して、暴虐の限りをつくしていると知らさせる。急ぎ向かったゲンジたちは、まずは牢に入れられている巫女を救出へ行き、始祖と相対することにーー。弱きを助け、強きを挫き、好みの女性はものする心優しきおじさんのエロコメファンタジー第2弾!
生の女神ミローラ様の眷属であるアンの帝国への輿入れを阻止するべく、帝国への道中でアンの死亡を偽装することにしたリュカたち。その作戦をミローラ様の神域で話しているときに、平和の女神セレミース様から帝国の正常化をお願いされる。そして、アンの輿入れの日になり作戦は成功し、帝国へ向かうことに。そこでひどく荒れている帝国を目にし、どう動き始めればいいか悩んでいた。しかし、セレミース様やミローラ様からの情報で帝国による王国への侵攻があると判断したリュカたちは王国へ知らせることにーー。
「国民的地元のツレ」、ヒコロヒー初の小説! 平気をよそおって言えなかった言葉、感情がほとばしって言い過ぎた言葉。ときに傷つきながらも自分の気持ちに正直に生きる人たちを、あたたかな視線で切り出した共感必至の掌編18編を収録。
江戸川乱歩のいわくつきの未完作「悪霊」 デビュー百年を越え、いま明かされる、犯人・蔵の密室・謎の記号の正体。 そして、なぜ本作が、未完となったのかーー 乱歩の中絶作を、芦辺拓が書き継ぎ完結させる! そのうえ、物語は更なる仕掛けへ……。 1923年(大正12年)に「二銭銅貨」でデビューし、探偵小説という最先端の文学を日本の風土と言語空間に着地させた江戸川乱歩。満を持して1933年(昭和8年)に鳴り物入りで連載スタートした「悪霊」は、これまでの彼の作品と同様、傑作となるはずだった。 謎めいた犯罪記録の手紙を著者らしき人物が手に入れ、そこで語られるのは、美しき未亡人が不可思議な血痕をまとった凄惨な遺体となって蔵の2階で発見された密室殺人、現場で見つかった不可解な記号、怪しげな人物ばかりの降霊会の集い、そして新たに「又一人美しい人が死ぬ」という予告……。 期待満載で幕を開けたこの作品はしかし、連載3回ののち2度の休載を挟み、乱歩の「作者としての無力を告白」したお手上げ宣言で途絶した。 本書は、『大鞠家殺人事件』で日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞を受賞した芦辺拓が、乱歩がぶちあげた謎を全て解き明かすと同時に、なぜ「悪霊」が未完になったかをも構築する超弩級ミステリである。 目次 INTRODUCTION 乱歩殺人事件ーー「悪霊」ふたたび 合作者の片割れによるあとがきーーあるいは好事家のためのノート
「俺の番になってほしい」平民ながら学院で二位の学力を持つセイナのライバルは、その美貌で『人間』を魅了してしまう、人嫌いの獣人公爵子息ルディ・オーソン。最初はセイナにも不愛想だったけど、セイナが「貴方のことは絶対に好きにならない」と宣言したことで二人は良きライバルに。卒業間近、セイナはルディから卒業パーティーのドレスをプレゼントされる。しかし当日彼は現れず、二人はそのまま卒業することに…。そして一年後、ルディが瀕死だという知らせが!?心配したセイナは彼の屋敷を訪れるが、突然ルディに噛みつかれてしまう!それはセイナがルディの番だという証でー!?
男爵令嬢だったシェリア・クラセントは家が没落するやいなや婚約者に婚約破棄され、今は街の仕立て屋で一生懸命働く日々。だがある夜、街の酒場で元婚約者と遭遇!強引に誘ってくる元婚約者を、酔った勢いで思いっきりひっぱたいたシェリアは、異国の獣人騎士ラグノス・ユハートに醜態を晒してしまう。ラグノスはシェリアを丁寧に介抱して、次の日そのことを黙っている代わりにと仕立ての仕事を依頼してくる。やむを得ず引き受けたシェリアは、甘い瞳で送迎をしてくれるようになったラグノスを不思議に思いながらも依頼を進めていく。ある日、小さな生き物を見つけたシェリアは、それに「ルッカ」と名前をつけて可愛がるようになるが、同じころ、ラグノスの国・ヴェルタで聖獣を巡る陰謀がー!?2023eロマンスロイヤル大賞ピーチ賞受賞!
民族の誇り。差別との闘い。ユーカラに賭ける情熱。短い生涯を駆け抜けた一人の女性を描ききった、新たな代表作!絶滅の危機に瀕した口承文芸を詩情あふれる日本語に訳し、今も読み継がれる名著『アイヌ神謡集』。著者は19歳の女性だった。その功績に注目が集まる知里幸恵の鮮烈な人生。著者初の評伝小説。