小説むすび | 2024年1月発売

2024年1月発売

疎遠の妻、もしくは秘密の愛人疎遠の妻、もしくは秘密の愛人

遠ざかった夫を惹きつけるため、 私は名もなき愛人となったーー 想いを寄せる許婚の伯爵エイドリアンと結婚したエミリー。 新婚生活に期待をふくらませたのもつかの間、 夫はロンドンに行ったきり戻ってこなくなった。 3年の月日が流れたある日、強欲な親戚が屋敷に乗りこんできて、 跡継ぎが生まれないなら爵位と所領を奪うと言われ、 彼女は思わず口走った。「私のおなかには、伯爵の子がいます」 かくして一刻も早く跡継ぎをもうける必要に迫られたエミリーは、 歓迎されないことを承知で夫のいるロンドンへ向かった。 だがそこには、ほぼ視力を失い、彼女を妻と気づかない夫がいた! 愛を取り戻すため、エミリーは正体を隠したまま彼の愛人となり……。 華やかなりし19世紀の英国を舞台にしたリージェンシー・ロマンスを得意とするクリスティン・メリルの大ヒット作です! 大スター作家アニー・バロウズに勝るとも劣らぬ実力派で、圧巻の発想力を持つスター作家が贈る、夫に献身的な愛を捧げる妻の感動物語です。

大富豪と乙女の秘密の関係大富豪と乙女の秘密の関係

谷底に落ちるように絶望的な恋に落ちた。 そばにいられれば愛はいらないと思った。 クインは十代のころからずっと親友の兄ーーヨーロッパの名家出身で 国際的に有名な大富豪であるマイカにかなわぬ恋をしていた。 だから彼に情熱的なまなざしを向けられ、ベッドに誘われたときは、 夢でも見ている気分で純潔を捧げた。 二人のことは誰にも秘密だったけれど、クインが事故にあってから 状況は一変した。冷酷非情だったマイカが誰よりも早く駆けつけ、 献身的な恋人のようにつききりで彼女の世話をしはじめたのだ。 なぜ11回も里親が替わった、誰からも欲しがられなかった私を、 急に大切にするの? 恋人とすら思っていなかったはずの私を。 誰にも予測のつかない展開で読み手を楽しませる大スター作家D・コリンズ。今作も冒頭から目が離せません。事故以来、ヒーローの態度の変化にとまどうヒロイン。彼のやさしさに甘えたくても、幼いころのようにいつ捨てられるのかと思うとおじけづいて……。

嘘と秘密と一夜の奇跡嘘と秘密と一夜の奇跡

別れのための一夜に、 希望の天使が舞い降りて……。 別居して1年近くたち、ジョアンナは離婚の話し合いのため、 大富豪の夫マットの屋敷を訪ねた。彼への愛情はもうとっくに 冷めたと思っていたが、再会するなりジョアンナはときめいて、 思わず自分をたしなめた。彼の冷たい仕打ちを忘れたの? 二人の話し合いはしだいに熱い感情のぶつけ合いとなり、 それが燻ぶる情熱に火をつけ、一気に燃えあがった。 翌朝、夫のベッドで目覚めたジョアンナは動揺して逃げだすが、 数週間後、さらなる衝撃に見舞われる。 ああ、なんてこと。今になって赤ちゃんを授かるなんて! 時すでに遅し。マットは新天地へと旅立ち、連絡は途絶え……。 多くのハーレクイン作家が憧れる大御所作家、アン・メイザーが描くほろ苦い夫婦再生ロマンス! 夫婦の絆を試すかのごとく次々と襲いかかる難題。二人を取り巻く家族の秘密。そして、心を揺さぶる感動の最終章へ。ベテランの筆が冴える、情感豊かな物語です。

今夜からは宿敵の愛人今夜からは宿敵の愛人

父を破滅させた、憎むべき億万長者。 なのに、彼のキスは誰よりも優しい。 父の葬儀に現れた大富豪グレゴリオを見て、リアは目を疑った。 よくも参列できたわね。父は彼のせいで亡くなったも同然なのに。 グレゴリオが取引を中止した直後、父は心臓発作で倒れ、 家が差し押さえられ、婚約者もリアの前から去っていったのだ。 彼女は生活のため、ホテルのフロント係として働き始めるが、 偶然にもそこのオーナーは彼だった。いえ、本当に偶然なの? まだリアが婚約中に“きみをひと目見て欲しくなった”と、 強引に唇を奪われた夜のことは、今も忘れられない……。 そんなリアの動揺を見透かしたように、グレゴリオが囁いた。 「誤解を解きたい。きみは父親の死の真相を知りたくないか?」 大スター作家シャロン・ケンドリックに似た作風で人気を誇る、スター作家キャロル・モーティマー。彼女らしいいきいきとした人物描写が光る、珠玉のロマンスをお楽しみください。父の仇敵であるヒーローを憎みながらも強く惹かれるヒロインの選択とは?

クリスティーヌクリスティーヌ

【2021年 フランスメディシス賞受賞、ゴングール賞ノミネート作品】 実父による近親姦に苦しみ続けた少女は、どのように1人の女性として自己確立していったのか、その人生を描いた物語。 本書は、フランスの作家、劇作家で脚本家でもあるクリスティーヌ・アンゴの二十四作目の小説『Le Voyage dans l'Est』2021年刊の全訳である。 物語は十三歳になったクリスティーヌが初めて実の父親に会う日から始まる。憧れの父親にようやく娘として認知され、これからは普通の親子としての生活が始まると有頂天になるが、現実は想像とは全く別のものだった。自分の身に何が起きているのかを伝え、救い出してほしい気持ちとは裏腹に、母親にすら話すことができない。そして誰にも打ち明けられないまま、少女時代は過ぎていった……。 著者が綴るのは、クリスティーヌが苦しみ、トラウマを抱えて人生に絶望しながらも、どのように一人の女性として自己確立をしていったのか、その命がけの人生そのものである。 著者のアンゴも実父による近親姦からのサバイバーであり、デビュー作から一貫して女性に対する性的虐待をテーマに書き続けてきた。ただ、作中の「クリスティーヌ・アンゴ」は作者自身ではなく、本書はアンゴの自伝ではない。しかし、彼女の作風はあまりにも実体験と近接しており、作者と語り手を分離しにくいかもしれない。一つだけ強調しておきたいのは、アンゴにとって「近親姦の被害者」という「立場」と「実体験」は文学作品を生み出すための出発点に過ぎないということだ。 サバイバーのアンゴは「文学作品を書くこと」という手段で戦う。戦う相手は家族関係を破壊し、隷属の関係を強要する性的虐待者だけではない。それを見ないふりをし、セカンドレイプをする「社会」全体である。 本文 解説 謝辞

ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集ドイツ・ヴァンパイア怪縁奇談集

ポリドリ『ヴァンパイア』ブームのさなか、1820〜30年代にかけて発表された、ラウパッハ『死者を起こすなかれ』、シュピンドラー『ヴァンパイアの花嫁』など怪縁が織りなすドイツ・ヴァンパイア文学傑作短編集。本邦初訳。ヴァンパイア学者が詳述する訳者解題「ヴァンパイア文学のネットワーク」を併録。 死人花嫁  ゴットフリート・ペーター・ラウシュニク 死者を起こすなかれ  エルンスト・ラウパッハ ヴァンパイアの花嫁  カール・シュピンドラー ヴァンパイア アルスキルトの伝説  J・E・H 狂想曲ーーヴァンパイア  イジドーア ヴァンパイアとの駆け落ち  ヒルシュとヴィーザー ヴァンパイア ワラキア怪奇譚  F・S・クリスマー    註    ヴァンパイア関係事項年譜    訳者解題 ヴァンパイア文学のネットワーク

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