2024年4月発売
パワハラで心を病み実家に帰った元社畜・森田直樹が拾ったのは、緑髪の女の子だった。魔物から助けたら懐かれたのだ。ドリと名乗る家なき子のようで、お世話することに。生活費を稼ぐため、畑仕事と動画配信を始めるとー「のびのびー」と謎のおまじないをかけて野菜の成長を促す、二人の一生懸命な姿に視聴者がめろめろに!病気がちな祖父も元気を取り戻し、直樹のトラウマも癒える幸福な日々だったが…。ある日、ドリの正体がドリアードと発覚し、植物を操る稀有な力を狙う輩に攫われてしまいー?
「最強の街、ご覧にいれましょう!」飢饉や大洪水を切り抜けたタクヒールの次なる一手は…要塞都市の建設!?迫るグリフォニア帝国による再侵攻で最愛の兄・ダレクが戦死する運命を防ぐため、改変の矢を放ち続けなければいけないのだ。資金調達に現地の食料不足といった難題も、大好きな家族のためにはなんのその!巧みな弁舌で辺境伯から投資を引き出す一方、土壌改良で自給体制も構築。更には大量の魔導士と数々の防御施設を構築し、敵の奇襲ルートであるテイグーン山に鉄壁の守りを作り上げていく!だが、開発を進める中、なぜか味方陣営のはずの隣領が街の乗っ取りを企んできて…?難攻不落の城塞と新戦術で兄の命を護り抜け!“家族第一主義”な麒麟児による前代未聞の一大反逆劇、第二弾!
夜って、いいよね。人の本質が、見える時間。昼と夜で、一つの身体を二人で共有する茜と咲子。姉妹のような、親友のような関係を築いていたが、「昼」の終わりによって予想だにしない「夜」の真実が顔を覗かせはじめる。果たして、彼女たちが「最期」に見たものとはー。
ジャンルの始祖・清張にとって、「社会派推理」とは何だったのか?純文学、ミステリ、ノンフィクションーデビュー以来、次々と新しい領域に挑んだ作家が直面した、小説の可能性と限界。初書籍化となる中篇(表題作)ほか、単著・全集未収録の小説・トーク・エッセイを中心に、その軌跡をふりかえる作品集。
日本軍は多大な犠牲を払いグアム島を攻略し、米軍の攻撃先鋒を潰すことに成功した。これを機に日本政府は英国を通じて講和を打診するのだが、米国政府からは一顧だにされない。米軍は強大な戦力を続々と前線に投入しつつあり、次こそは勝利を得られると確信していたからだ。日本には、圧倒的な勝利をもって米国の戦闘続行を断念させるしか残された道はなくー。トラックに拠る米海軍主力を撃滅せよ、という難題を課せられた連合艦隊は乾坤一擲の大作戦を開始した。
1700年前、世界の涯のとある国に大きな夢と志を持った皇子がいた。その名はヤマトタケル。若き彼は大王に命じられ、西国征伐の旅に出たー。運命を背負い立ち上がった青年は何を思い、この地を駆け抜けたのか。この国の始まりに思いを馳せる、ロマンあふれる壮大な神話物語。
「え、なにその、やきもち焼いてるみたいな」すれ違い、ぶつかり合った二人の行きついた先。『くちびるに蝶の骨〜バタフライ・ルージュ〜』のその後の穏やかな日常を描いた書き下ろしを収録。その他、『不埒シリーズ』『花ふるシリーズ』『勘弁してくれ』、『バタフライシリーズ』の今では手に入らない小冊子や特典を詰め込んだ作品集。
西暦2096年、ニューヨーク。実の家族による組織犯罪集団“アサヒナ・ファミリー”の末弟である朝比奈伊右衛郎は、囮捜査にはまり、巨大複合企業ハニュウ・コーポレーションのCEO、羽生氷蜜の手に堕ちる。氷蜜の手により、有機都市東京・千代田区神田の羽生芸夢学園に強制入学させられることになったイエロー。犯罪者からの更生のため、有機電脳と特甲服をリンクさせた電装化体験型遊戯“ジャケット・プレイ”の訓練を受ける彼の前に、ファミリーを率いる父・朝比奈レインボウが立ち塞がる。2020年代のサイバーパンク×壮絶ゲームアクション。
どうしていままで忘れていたのだろう。あんなに先生が大好きだったのに…。看護師の美咲は冷蔵庫を被写体にした写真を目にし、14歳の時に出逢ったピアノの先生を思い出した。チェルニーの練習曲をうまく弾けない美咲は、ピアノに嫌気がさしていた。そんな時に出逢ったのが由貴奈だった。楽譜通りに弾くことを強いる他の先生と違い、由貴奈はあなたらしく弾けばいいと言葉をかけてくれる。そして「悲しい曲を弾く時は、捨てられた冷蔵庫を思い浮かべればいい」と不思議な優しい言葉をかけてくれるが、そこには由貴奈の悲しい過去が隠されていた。ほどなく由貴奈の老齢の父が奇妙なことを呟く。「あの子はピアノが誰より上手だった。人としては許されないことをしたけれど」やがてピアノレッスンは終わりをつげる。悲しみに満ちた状況で…苦しい過去を見据え、新たな道を歩む人々に光をあてる、温かさとせつなさの物語。
1948年、コロラド州アイオラ。ヴィクトリアは17年間、家と農園の外にほとんど出たことがなかった。母を早くに亡くし、桃農家の父と叔父、弟のために家事をこなすだけで日々は過ぎていく。そんな彼女の人生が突然変わる。謎めいた青年ウィルと出会ったのだ。彼は故郷をもたず、各地を放浪しているという。自由な彼といるとき、ヴィクトリアは自分も変わったように感じた。だが、町の人々はよそ者を疎んだ。それでも、ヴィクトリアはウィルを選ぶ。初めて父に嘘をついて、逢瀬を重ねる。だが、背後には悲劇が迫っていたー。大切なものを失いながらも、自分の道を進み、再生を遂げる女性の姿を描く感動作。アメリカ、イギリス、ドイツなどで続々とベストセラーリスト入りした、米国作家のデビュー長篇小説。
内と外が繋がる「ゾーン」に入ると、時間の感覚が消え、不思議なことがよく起こる。ある日、愛犬を亡くした女性のために犬の肖像を描いていた時、何かが「ボク」に語りかけてきて…。-『不思議と出逢うところーゾーン』 薄暗く、鬱蒼と生い茂る木々の中にたたずむ、伊豆の御社。荘厳な境内に一歩足を踏み入れた瞬間、霊的エネルギーを非現実的と考えていた「ボク」の世界は一変した。-『伊豆の御社』 神秘的な御社の主の声、亡くなった犬たちとの会話、憑依した死者からの訴えー。目に見えない超自然現象や人ならざるものとの交流を描いた五つの短編小説集。
時の流れの中で「還らざるもの」と「なお残るもの」。まだ大学が城の中にあったころの金沢。彼は先輩と共に中島敦『山月記』の“謎”に挑む。やがて、それぞれの前に、「青春の日々」を決定づける女性が現れる…。
すでに正体がバレていることも知らず、フェリクスからの度重なる急接近と甘い言葉に戸惑うレイラ。さらに、恋心を自覚して以来、リーリエに対して嫉妬を隠せず、そんな自分に苦悩するように。一方フェリクスも、何度もレイラに接触する謎の魔術師・クリムゾンに激しく嫉妬し、抑えきれない独占欲を見せ始める…。
主人公クララは35歳。離婚して、幼稚園児と小学生の二人の男の子を抱え、テレビのプロダクション会社に勤め、番組制作の仕事、アルバイト、離婚した前夫、息子たち、セックスライフなど、問題を抱えながらもごくふつうの生活を送っている。…電気技師だった元夫は、会社経営を始めては失敗ばかり、クララに内緒で家を抵当に銀行から借り入れをするが、返済を迫られ大騒ぎになる。…クララに辛く当たる母親、父には昔からの愛人マイテがいて、離婚されるが娘とは連絡し合い、元の妻も愛している。登場人物は、スタイル、長所、欠点など活き活きと描かれ、いつでも市井で知り合えるような人々ばかりである。…あるきっかけで登場人物全員が一堂に会し、歌劇のフィナーレさながらの大団円。