2024年5月27日発売
「どんなにかなしいことがあっても、本当にかなしむ必要はない。この世界に悲劇なんてものは存在しないんだから。」89歳までの健康長寿を保証する夢の装置Timerを開発し、失踪したサカモト博士が残したメッセージにはどんな意味があったのか?装着したTimerの消滅日=死を目前に、カヤコは突然、「博士を捜し出し、Timerの秘密が知りたい」と言い出した。その時限設定を解除した者は不老不死になるという噂もある。彼女の真意は不明だが、僕は同行を決めた。年老いて夫婦二人きりになった今、カヤコの死は、僕の死だった。健康長寿を保証する世紀の発明“Timer”。なぜ開発者は消えたのか?装着したTimerの声に導かれ、余命わずかの老夫婦は、禁断の地へ向かう。“死”の果てを描いた異次元の衝撃。人類究極の問いを突破する白石文学の新たな代表作誕生!
昭和の銀行で最先端の開発を。『日債銀破綻の原罪』の著者が描く。コンピュータ黎明期、システム開発に奮闘する銀行員たちの群像劇。昭和46年4月、不動産銀行本店に異動した武田は新設された事務管理部オンライン班に着任。不銀全店のシステム化を練る議論の熱き日々。業務を分析し、処理の手順を起こし、プログラム設計書をつくるクリエイティブワーク。新方式の外国為替計理で海外店システムを開発した武田は、ニューヨーク支店開設支援のためアメリカへ旅立ったー。
野球×SF=∞(無限大)。未来でも、宇宙でも、あり得た過去の世界でも、私たちは白球の行方を追う。今読むから面白い、傑作野球SF短編9編を収録。新井素子「阪神が、勝ってしまった」、小松左京「星野球」といった野球SFの名作もこの一冊に。小説以外にも、千葉集によるコラム「わたしの海外野球SF短編ベストナイン」、高山羽根子によるエッセイ「永遠の球技」、磯上竜也の作品解説を収録。
テレビやセミナーに引っ張りだこの青少年教育コンサルタント、森田誠(45)。美しい妻と可愛い子供たちにも恵まれ、その人生は正に順風満帆。しかし爽やかな笑顔の裏には、目的のためなら手段を選ばない姑息で卑劣な面が隠されていた。ライバルは捏造スキャンダルで潰し、大のギャル好きで若い女性をとっかえひっかえ抱く。倫理観も良心も皆無な男が買った恨みの数々は、静かに、しかし着実に蓄積し復讐のときを待っていた…。一流経営者に愛読される社会評論誌月刊『ザ・フナイ』で異色の連載開始早々、賛否の嵐が吹き荒れた問題作!