2024年5月31日発売
顔を知らずとも心はつながっている。 愛を綴り合う二人は、いずこへ向かう……。 若きセリーナは亡くなった夫に莫大な借金を背負わされ、困窮していた。 債権者の男から、借金を返済するか、さもなくば体で払えと迫られ、 家財を売ってなんとか返すので月末まで待ってほしいと願い出る。 男がひとまず帰ると、今度はグレンムーア公爵アレックスが弔問に訪れた。 この公爵こそ、亡き夫から賭けで全財産を巻き上げた張本人。 気品にあふれ、誇り高く、見目麗しい魔王ルシファーそのものだけれど、 絶対に心を奪われてはいけない! セリーナは公爵を追い返した。 気丈に振る舞いつつも本当は心細さを感じていた彼女のもとに、ある日、 見知らぬ紳士“ミスター・アボット”から支援の申し出の手紙が届く。 文通を続けるうち、セリーナはいつしか彼を恋い慕うようになっていた。 愛しのミスター・アボットが、あの憎むべき公爵であるとも知らず。 大ヒット作『疎遠の妻、もしくは秘密の愛人』の作者クリスティン・メリルによるシンデレラ・リージェンシーの傑作! 顔も知らない支援者ミスター・アボットに恋しながらも、セリーナはひょんなことから公爵アレックスと偽りの結婚をしなくてはならなくなり……。
憧れの彼との間に生まれた、 あの小さな命はいま……。 生きて故郷へ帰ってきた勇猛な騎士サイモンの姿に、 二十歳のリネットの胸はいっぱいになった。 4年前のあの夜、わたしは暗闇のなかで彼に純潔を捧げ、 そして……わたしのおなかに新たな命が芽生えた。 一方サイモンもまた、あの夜のことを思い返していた。 酔いつぶれた出征前夜に、夢うつつでかき抱いた薔薇の香りの乙女。 かぐわしい乙女はいまもここで暮らしているのだろうか? もちろんサイモンはまだ知る由もなかったーー 彼が父の愛人と思って軽蔑する女性こそが、 夢にまで見た、あの薔薇の香りの乙女だということを! HQヒストリカルのトップ中のトップとして活躍した作家スザーン・バークレーは、短い作家人生で多くの名作を遺しました。本作は、そんな彼女が最後に書いた感動のシークレットベビー物語です!
ベスト作品コンテスト受賞作をふたたび! 何度読んでも泣ける、切ない愛の物語。 疎遠な双子の妹ナターリャの事故の知らせを受けたナターシャ。 病院に駆けつけると、妹は無事で、婚約者のチェイスが重傷を負っていた。 彼は富豪弁護士だが、体に障害が残る可能性を耳にしたナターリャは 指輪を外し、彼を見捨てて病院から出ていった。 一方、ナターシャは彼を放っておけず、そばで見守った。 「ナターシャ……」意識を取り戻したチェイスがつぶやいた。 ああ、妹はまた私の名を騙ったのね。昔から姉の名を気に入っていたから。 だがチェイスに妹と勘違いされても、ナターシャは否定できなかった。 いつしか彼に恋してしまった自分に気づいて。 間違いを正せぬまま、ナターシャは彼と結婚し、小さな命を宿したーー ファン投票により選ばれた“ベスト作品コンテスト”の受賞作が甦る企画。ご好評につき、《不朽のファン・セレクション》と題してお贈りします。本作は1998年上半期、日本デビュー作にして栄えあるベスト作品賞第2位に輝いた、感涙必至の秀作です!
Between 1330 and 1332 the Buddhist priest Kenkō, having, as he put it, "nothing better to do," turned to his inkstone and brushes. He jotted down his thoughts, observations, and opinions; anecdotes that he found interesting, amusing, or instructive; accounts of customs and ceremonies-everything that seemed to him worthy of preservation. Donald Keene's complete translation admirably presents this extraordinarily influential Japanese classic. 吉田兼好『徒然草』 ドナルド・キーンによる英訳版
双子の兄弟である恵介と良平は12歳の冬、児童養護施設で暮らすことになった。周囲と馴染めないままだったある雪の日、新しい入所者がやってくる。まるでアイドルのように見えた少女は泉美といった。自分たちには確かな絆があると信じ、決して恵まれたとはいえない日々を、三人で寄り添いながら過ごしていた。だが、恵介が養子として引き取られたことで、その絆に翳りが見えはじめ…。誰かの涙に胸を衝かれた記憶を呼び覚ます、センチメンタル巡恋官能小説!
出生の秘密を持つ孤児オリヴァー・トゥイストが、教区吏バンブルによる非人間的扱いや,売られた先の葬儀屋での先輩・同僚によるいじめ,またユダヤ人フェイギン率いる少年窃盗団に無理矢理取り込まれるなど,さまざまの困難に遭いつつも,純粋な心を失わず,やがては亡き父の親友にしてスリに被害者だったブラウンロー氏と幸せに暮らすこととなる,波乱万丈の成長譚。ディケンズの出世作にして,今日もなお映画や演劇に翻案されるなど最も親しまれている作品一つ。