2024年5月31日発売
道沢一番という名前は「何事にも一番になれるように」と父が付けた。父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたのだが、恋人の千凪にプロポーズしたとき、「好きだけど、愛したことは一度もない」との返事に一番はショックを受ける。千凪はアロマンティック・アセクシャル(恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、ずっと「普通」になろうともがいてきたのだった。思いを断ち切れない一番と普通になりたい千凪は、そのまま結婚することを選ぶのだがー。
父親の罪を背負い、身を粉にして働く狐獣人のコガネは、ある時、目の見えない猫獣人の子供を助けた。身寄りがなく記憶喪失の黒猫を「クロ」と名付け、コガネはクロを大切に育てる。クロは賢く美しい少年で、コガネはクロを学校に入学させるため目の手術を受けさせようとする。だが手術費用はあまりにも膨大だった。絶望するコガネに、医師スオウはある取引を持ちかける。たとえどのような犠牲を払ってもクロのためなら何でもしたいと願うコガネは取引に応じ、クロを王都の学校へと送り出す。離れ離れになって数年後、クロが貴族の落胤だと判明し…?
働き者の父と美しい母を亡くし天涯孤独となった青年シャルル。両親が遺してくれた家で慎ましく暮らしていたが、ある日家の前で行き倒れていた男を拾うーその正体は偽聖女の罠に嵌められて元婚約者の断罪に失敗し、王都を追放された元王子リュシオンだった!シャルルに命を救われたリュシオンは恩人のため、これまで経験のない家事や料理にも挑戦。ひとつ屋根の下、孤独な者同士で穏やかなスローライフを送るうちにシャルルは両親のいない孤独が、リュシオンは裏切りに傷ついた心が癒されていく。しかし幸せいっぱいの二人のもとに不穏な影が忍び寄っていて…!?
母は安楽死を200万円で買ったのか?難病を抱えた母が安楽死を選択したらしいと少女から通報が入る。続いて国民的女優の死が報じられたことで世論は沸騰ー積極的安楽死は医療行為か嘱託殺人か?かつて警視庁捜査一課の犬養隼人をぎりぎりまで追い詰めたドクター・デスの模倣犯が現れたのだろうか。捜査に行き詰まりを感じた犬養は、誰も思いつかない奇策を放つ!
冒険者のクラウスは“自動機能”-移動から戦闘その他全て自動で行いかつ成功率100%のユニークスキルーを駆使し、辺境の町を襲った『厄災の芽』アークワイバーンを撃破するも、破壊された町の復興で忙しい毎日を過ごしていた。その頃、義妹のリズに待望の「スキル授与」の日が訪れた。リズが得たスキルは“依頼の道標”-その真価を推し量るためクラウスはリズ、居着いたままのメリムと共にクエストをこなし続けるうち、どうやら“依頼の道標”は“自動機能”に劣らずのチート性能を持っていると判明する。一方でクラウスの“自動機能”に追加された新たな機能はメリムに課された過酷な運命を救う驚愕の力を持っていた!そんななか、突如ギルドマスターのサラザールから、クラウスはとある困難な密命を与えられるのだが…!?遂に最強の域に達したクラウスの物語、いよいよ佳境へ突入の第4巻!!
冒険者のクラウスは“自動機能”-移動から戦闘その他全て自動で行いかつ成功率100%のユニークスキルーを駆使する、注目の存在へと成長を見せていた。そんななか、突如ギルドマスターのサラザールから受けた指令ーそれは、「『厄災の芽』アークワイバーンの巣たる『空を覆う影の谷』への潜入」であった!反発するリズをなだめてクラウスとメリムは現地へ急行する。たどりついた洞窟の奥で遭遇したのは、かのアークワイバーンをも遥かに凌駕する最強にして最悪の魔物「カオス・キメラ」そして、クラウスに対して未だに不可解な憎悪をたぎらす『特別な絆』の長・ゲインだった!!リズのスキルの力も得て“最強の中級冒険者”クラウスは最も過酷で危険な戦いに挑むが…!?物語は遂に最高潮へ!さあ、起動せよー“自動機能”!!
『TSしてエルフ姫になったから見に来い』青年が夢に現れたエルフの姫に体を貸すと、なぜかそのエルフ姫の体で目覚めてしまう。その体のまま面白全部で配信を始めると、ゲームを通じて弓にとんでもない適性があることが発覚。一躍、弓使い最強と目された彼女ーエルフさんは、弓ガチ勢Vライバーのキリシたんに弓最強の座をかけた勝負を挑まれる。これはエルフ姫になってしまった青年が妙にハイスペックな体とぶっ飛んだ発想でゲームを攻略する配信の物語である。
自分は“認識改変”を受け、記憶を書き換えられていたー。それを知ったオルンは、自らの本当の過去を知るために、ヒティア公国に向かう。一方で、“シクラメン教団”が本格的に動き始めていた。ソフィアやセルマたちが暮らす、オルンにとっても大切な場所であるツトライルが、教団によって襲撃される。紅に染まる街。満ちてゆく絶望。圧倒的な力の前に、蹂躙されていく仲間たち。慟哭の果てにオルンが見るのは、絶望か、それともー。「小説家になろう」発の人気ファンタジー、待望の第七巻!コミカライズも好評連載中!
愛人と結婚したいからと、一方的に婚姻破棄を言い渡された侯爵夫人・マーシェル。侯爵家当主のクリスは、それまで妻であるマーシェルに支えてもらった恩も忘れて彼女を屋敷から追放してしまった。-しかし、その直後から崩壊し始める侯爵家。クリスは知らなかった。侯爵家の内政は、全てマーシェルのおかげで上手く回っていたことを。彼女を失った今、侯爵家には何の力も残っていないことをー。これは、マーシェルを失った者が後悔と自責の念に苦しむ中、追放された彼女が真の幸せと愛を手に入れるまでの物語。
離婚騒動が収まり、陽菜との仲も良くなったイーリス。リーンハルトとの関係性も改善した、ように見えていた。お互いに想い合っていた、出会った頃を思い出し、今度こそ仲むつまじい夫婦になろうと努力するが不器用な二人はまたしても想いがすれ違ってしまい、離婚届を書くことを希望するイーリスに、リーンハルトは約束してしまう。だが、その状況を後押しし、引き裂こうとする勢力の陰謀もありー!「イーリス以外とは結婚はせん!たとえ、誰がなんと言ってきたとしてもだ!」「離婚はーするわ。約束通り」「そのうえで百日後に再婚するのかどうかを決めるわ!」イーリスの決意がさらなる大騒動を巻き起こしー!離婚の決意から始まったラブストーリー、改めて離婚したい第2弾!
魔族軍の人族国家への侵攻が始まりました。ですが、聖女認定されてしまった私を含む勇者一行を即座に向かわせましょう…ということにはなりません。まあ、10歳の女児が世界のために魔王討伐に旅立つことに難色を示す方々は多いようで。“勇者パーティー”は保護者同伴なのでした!私はと言えば、旅の役に立つものを召喚しようとして、颯爽と現れた大量の『蛸』を処分するため、タコスルメを作る作業に追われていたのでした。そうしている間にも、北方の最前線の戦闘が激化してゆき、いよいよ私と勇者のノエル君、聖戦士のリック王子が旅立つ日がやってきました。従者、侍女、メイド、騎士団、傭兵団、一般兵士等2000名以上を引き連れて!
「長州五傑」のメンバーとして明治政府草創期の中枢を担った「工学の父」山尾庸三と「初代総理大臣」伊藤博文。ふたりには墓場まで持っていくと誓った秘密があったー。高杉晋作の指揮のもと、英国公使館を焼き討ちし、尊攘の機運高まる長州藩。一味に加わった山尾庸三は、書生部屋で同室の伊藤俊輔とともに、孝明天皇の退位を説く幕府の御用学者・塙次郎を暗殺する。だが断末魔の形相が夜ごとよみがえり、気鬱に陥る山尾。最高幹部の桂小五郎の後押しで、のちに「長州五傑」と呼ばれる五人のひとりとしてイギリスへ藩費留学することに。その中には相棒の伊藤もいた。山尾の任務は『工業立国』の基盤を学ぶこと。だが彼の裡には、己が殺めた塙次郎の遺志である障害者政策があったー。
昆虫好きの心優しい青年・魞沢泉。行く先々で事件に遭遇する彼は、謎を解き明かすとともに、事件関係者の心の痛みに寄り添うのだった…。ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、銃撃事件の謎を探る「白が揺れた」。花屋の店主との会話から、一年前に季節外れのポインセチアを欲しがった少女の真意を読み解く「赤の追憶」。ピアニストの遺品から、一枚だけ消えた楽譜の行方を推理する「青い音」など全六編。日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞を受賞した『蟬かえる』に続く、“魞沢泉”シリーズ最新作!
ボスはこのダイヤの婚約指輪を誰に贈るのかしら?指輪を戯れにはめてみた秘書マレカの胸中は複雑だった。ボスである大富豪カエタノに頼まれて指輪の選定に来たものの、彼への密かな憧れは隠せない。そのとき、高級宝石店の店内に突然火災報知器が鳴り響いた。指輪をはめたままのマレカは、店に飛びこんできたカエタノに抱きかかえられて救出された。だが、この写真と共に彼女が婚約者だと誤って報道されてしまう。呆然とするマレカに、彼は百万ドルの契約結婚をもちかけた。結婚初夜の一夜限りの関係ー偽りの夫婦だったはずが…。
素行の悪い令嬢を更生させるロンドンの私立学校の校長を辞める日、ベアトリスはイタリア富豪チェーザレに異父妹の家庭教師を頼まれた。トスカーナの大邸宅へやってきた彼女は、雇い主を見て愕然とした。私がヴェネツィアで純潔を捧げた人が目の前にいる。恋いこがれた名も知らぬ男性が、実はチェーザレだったなんて。だが彼の前まで行ったとき、再会の喜びは吹き飛んだ。この人は私が誰なのか、まったくわかっていない。野暮ったい格好のベアトリスを一瞥し、富豪は近々結婚すると告げた。もちろん、花嫁は彼女ではなかった。彼の子を身ごもっていても。
スペインのリゾート地で、キャロラインは父親の豹変を目の当たりにして凍りついた。まるで取り憑かれたように賭博に夢中になり、土地や屋敷まで注ぎ込もうとしているのだ。するとそこへ、思いがけない男性が姿を現した。7年前、結婚を約束しながら心を踏みにじった大富豪ルイスー彼はキャロラインの父親に莫大な賭け金の大勝負を申し出る。お願い、やめて!懇願するキャロラインをルイスは嘲った。「ベッドを共にするなら勝負から手を引いてもいい」さらに、僕の妻になれば父親の借金を棒引きにすると請け合った。私は受け入れるしかないの?屈辱の花嫁になる運命を。
結婚式当日、花嫁になるはずのリアの姉が失踪したー黒髪に黒い瞳のたくましい花婿アイアスは、リアの幼い頃からの憧れの人。父に目をかけられた彼は、姉と結婚後、父の会社を引き継ぐはずだった。でないと、すぐさま会社が他人の手に渡ってしまう事情があるから…。でも今、私に何ができるというの?美人で華やかな姉の陰でいつも地味に生きてきた、太めで冴えない私に。父の会社を守る方法があるとすれば…。「アイアス、私があなたと結婚するわ」それはリアにとって、人生で初めての大胆な決意だった。
「コナーはどこ?コナーにー夫に会わせて」事故に遭い療養中のアリッサがそう頼むと、家族は驚きを露わにした。妻が最愛の夫に会いたいと願うことの何が問題なの?問題は、彼女はもうコナーの妻ではないことだった。7年前、アリッサが憧れのNYでの仕事に就いたとき、一緒に移住する約束をコナーが破り、一方的に離婚届を送ってきた。手ひどく捨てられた当時、深く傷ついたアリッサだったが、事故で頭を打った拍子に、離婚したことを忘れてしまったのだ!家族からコナーとは別れたと聞かされても、どうしても思い出せない。そこで、アリッサは彼の家へ向かったーまだ相思相愛だと信じて。
大富豪マックスとケイトは、誰もが羨む理想の夫婦だった。しかし、尊大で高圧的な父親との不和に悩むマックスがしだいに人が変わったようになり、ケイトは耐えきれず家を出た。まだ彼に知らせていないお腹の子のために、できるだけ遠くへ。時が過ぎ、ケイトは入院中の家族を見舞いに訪れた病院で偶然、マックスと8年ぶりの再会をはたす。怒られるのではないかとケイトは恐れおののくが、彼は初めて恋した頃の、穏やかな自信あふれる男に戻っていた。でもマックスの魅力に屈してはだめ。だってわたしには秘密が…。そのときエレベーターの扉が開き、7歳になる娘が走り寄ってきた!