2024年7月発売
文字どおり灰かぶりの私が、 この麗しき皇太子の花嫁……? 幼い頃に両親を亡くし、車の整備士の伯父に育てられたイジー。 その伯父も亡き今、天涯孤独の彼女に遺されたたった一つの母の形見は 家族に伝わるという古い木箱だが、鍵がないため中身を知らない。 ある日、イジーの職場に黒塗りのリムジンが横づけされた。 側近を従えて降りてきたのは、ブルーグリーンの瞳の端整な若い男性。 「イザベル・ポーサードだね。僕はベルノニアの皇太子ニコラだ」 親しい人しか知らない彼女の本名を口にした彼は、驚きの告白をした。 「君が持っている箱は、君が赤ん坊のときに僕が贈ったものだ。 王子が結婚するとき、妻に“花嫁の箱”を贈る。僕は君の夫だ」 口をぽかんと開けたイジーをまっすぐに見据え、ニコラは鍵を差し出した。 アメリカの片田舎で育ち、車の整備士として額に汗し、油まみれの手で懸命に働くこの私がプリンセスだったなんて! みずからの出自に驚くイジー。けれども、ニコラ皇太子は別の国のプリンセスと結婚するために、イジーとの婚姻無効を望んでいるのでしたーー
彼の強烈な魅力が怖いーー 純潔はおろか、心まで奪われそうで。 生後まもなく、ごみ溜めに捨てられていたカーリーは 養父母に引き取られたが疎んじられ、他人に心を許すことができない。 彼女は今、社交界のパーティを企画する会社で働いていて、ある日、 有望な顧客候補の大富豪リカルド・サルヴァトーレに引き合わされる。 逢った瞬間、無垢なカーリーは彼の男性的魅力に衝撃を受けた。 一方、リカルドはまったく違った目で彼女を見ていた。 金のためなら簡単に体を許すパーティ好きの貪欲な女に違いない、 ならば迷わず誘惑して、ひとときの情事を楽しもう、と。 そんなこととはつゆ知らず、カーリーは彼との視察旅行へと旅立った。 生まれて初めて覚える、甘く疼くような感覚に怯えながら……。 20代半ばのヒロインは今なお男性経験も、恋をしたことさえもありません。そんな実情を知らずに彼女をもてあそぼうと企むイタリア系大富豪ヒーローは、ヒロインの会社を買収して、その後は“余剰品”として彼女をくびにしてやろうと考えており……。大スター作家ペニー・ジョーダンによる3部作〈華麗なる日々〉の第1話です。
誰からも望まれないのなら、 私は独りで、この子を産む。 フィオナは凶暴な父から逃れるべく、遠くを目指して家出した。 道中、湖で沐浴していると背後から声をかけられ、振り返った瞬間、 相手を見て驚愕するーー1年前まで相思相愛だったブランドン! よりにもよって、ここが彼の領地だったなんて……。 かつて二人は双方の父親に交際を反対され、逢い引きを重ねたが、 不幸にも氏族間で争いが起き、秘密の恋は終わったのだった。 フィオナのせいで氏族に犠牲が出たと考えるブランドンは今、 瞳に怒りの炎を燃やしてこちらを鋭く見据えている。 そのとき、フィオナが地面に置いておいた布包みから赤ん坊の声が響き、 彼女は告げた。「ブランドン、あなたの息子を紹介するわ」 美しい赤ん坊にほほ笑みかけられたブランドンは思わずほほ笑み返しますが、はたと、これは罠ではないかとフィオナの意図を勘繰ります。けれども、赤ん坊の腕にはブランドンや彼の兄と同じピンク色の卵形の痣があり、この子は確かに自分の息子だと悟るのでした。
路地裏で伯爵が見つけたのは、 薄汚れた少年の姿をした真珠だったーー 伯爵アダムはある日、ロンドンの路地裏で時計を盗られ、 スリを働いた相手を捕まえてみると、小柄な少年だった。 エドと名乗った少年は意外にも聡明そうで、誇り高さすら感じられた。 少年に同情し、路地裏生活から救い出してやろうと考えていた矢先、 アダムはその少年が何者かに殴られて路上に倒れているのを発見した。 急いで知人の館へ運びこむと、そこで驚きの事実が判明する。 少年はなんと、エドウィナという名の麗しき18歳の娘だったのだ! だがそのときのアダムはまだ知らなかったーー エドウィナが本当はさる男爵家の令嬢であることも、 アダムの横顔を見ただけで胸の高鳴りを抑えられずにいることも。 父を亡くした男爵令嬢エドウィナは、後見人に決められた不気味な老伯爵との縁談を嫌い、少年に扮して家出を決行。けれども所持金をすべて盗まれたうえ、悪党につけこまれて路地裏でスリを働かされていたとき伯爵に拾われたのでした。不遇な令嬢の恋の行方は?
ベスト作品コンテスト受賞作が甦る! 涙の作家シャロン・サラが描く最高のヒーロー。 ある日、ホリーは恋人がたくらむ悪事の計画を立ち聞きした。 恐ろしくなって逃げ出そうとしたところ、 気づかれて無理やり飛行機に乗せられてしまった! このまま殺されて空の塵になるものと覚悟したが、 運よくパラシュートで脱出し、頭を負傷しながらも着地に成功した。 やっとのことで一軒のキャビンにたどり着くと、 そこにはセクシーで魅力的な男性がいて、ホリーは思わず息をのんだ。 だが相手はこちらに銃口を向け、名を名乗るよう鋭く命令してきた。 いったい……私は誰? なんと、彼女はすべての記憶を失っていた! 男が言った。「記憶喪失なんてへたな言い訳が通用すると思うな」 癒やしの作家シャロン・サラの記憶喪失ロマンスの名作! 本作は2000年上半期にベストヒーロー賞第3位に選ばれました。ヒーローはヒロインの傷の手当てをし、世話をするうちに……。
妹の死から幸せを遠ざけ、後悔しない選択にこだわってきた透。しかし思わずこぼれた自分らしくない一言で、そんな人生が一変する。「一目惚れ、しました」告白の相手・咲葵との日々は、幸せに満ちていた。妹への罪悪感を抱えつつ、咲葵のおかげで変わっていく透だったが…。「--もしも、この世界にタイムリミットがあるって言ったら、どうする?」真実を知るとき、究極の選択を前に透が出す答えとは…? 後悔を抱える2人の、儚くも美しい、ひと夏の恋ーー。
智将ジョニーと怪力男サム、凸凹コンビが挑む最後の難題は楽曲をめぐる“旋律”の事件。2018年に始まった“〈ジョニー&サム〉シリーズ長編全作品邦訳プロジェクト”、足掛け七年を経て、ここに堂々の完結(グランドフィナーレ)! ソングライターの秘密 訳者あとがき
「ようこそ、一番最初の 無限の果てのこちら側へ。 それでは始めることにしよう。」 物語の理を探求しつづける著者 待望の最新SF作品集 曾祖父の遺したノートに記された八つの■をめぐる物語「パリンプセスト あるいは重ね書きされた八つの物語」、「ムーンシャイン予想」を下敷きに繰り広げられる軽快な数学SF「ムーンシャイン」、生まれ変わりを教義の中心におく〈エルゴード教団〉の奇怪な歴史を描く「遍歴(エルゴディック)」、『紙魚の手帖』vol.12に掲載された「ローラのオリジナル」を収録した短編集。著者による作品解題つき。 ■目次 「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」 「ムーンシャイン」 「遍歴」 「ローラのオリジナル」
八人の被害者が解体されたバラバラ屋敷。 そこで目撃される霊は、 なぜか多くても四人までである。 殺人鬼、少女霊、古の神、異界駅ーー ミステリ×怪談四編を収録する 怪談作家・呻木叫子の事件簿 第十七回ミステリーズ!新人賞受賞作シリーズ最新刊 民俗学のフィードワークの手法を用いて、取材を元に怪談を執筆してる呻木叶子が遭遇する四つの事件。八人の女性が犠牲になったバラバラ殺人の現場周辺で目撃される四体の幽霊の謎と、現場の屋敷で新たに発生した密室殺人を呻木が解き明す表題作ほか、博物館で目撃される少女の霊の来歴を探るうちに、思わぬ不可能犯罪に行き当たる「青いワンピースの怪談」など、第17回ミステリーズ!新人賞受賞作『影踏亭の怪談』の新鋭による恐怖と驚愕の連作集。 ■収録作品 「バラバラ屋敷の怪談」 八人の女性が殺害され、解体された猟奇殺人事件。犯人の死後、施錠されたその自宅から生首が発見される。 「青いワンピースの怪談」 博物館に度々現われる謎めいた十代の少女。彼女が目撃される先では、怪死事件が続いていた。 「片野塚古墳の怪談」 人体に似た数十体の石像が並ぶ災厄の古墳。そこで新たな不可能犯罪が発生する。 「にしうり駅の怪談」 異界駅の噂を調べるうちに消えてしまった友人をさがす大学生グループは、想像を絶する光景を目にし……。
砂漠に花開いた水の都、 美しき奇跡の都の秘められた真実の物語 〈ふしぎ駄菓子屋 銭天堂〉〈妖怪の子預かります〉 シリーズの著者のアラビアンナイト風ファンタジイ 大砂漠。砂の大海原とも呼ばれるこの地には、はるかな昔より数々の国や集落が生まれては、年月と共に砂に呑み込まれ忘れられていった。そのなかで、決して忘れられることのない国が一つだけある。ナルマーン。一つの都にして一つの国。砂漠でありながら、青い水が尽きることなくあふれた都。魔族を支配した王が造らせた奇跡の都。だが、どんな歴史書にも書かれていない真実のかけらは無数に存在し、それぞれに物語を秘めているのだ。『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』シリーズ、『妖怪の子預かります』シリーズで人気沸騰中の著者による、アラビアンナイト風の世界を舞台にした極上のファンタジイ短編集。 ■目次 プロローグ 1 絹の都の姫君 2 小さな眷属(けんぞく)の憂(うれ)い 3 白の悪だくみ 4 赤の贈り物 5 青の再会 6 夜風と共に エピローグ
第171回芥川賞受賞作。古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。 「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋) 会社も人生も山あり谷あり、バリの達人と危険な道行き。圧倒的生の実感を求め、山と人生を重ねて瞑走する純文山岳小説。
日本一ソフトウェアが贈る夜道探索アクションゲーム第三弾、待望のノベライズ! 学校にいたはずのユズは、真っ暗な森で目を覚ます。覚えているのは、夕闇迫る学校の屋上で何かがあった、という断片的な記憶だけ……。 途方に暮れるユズは、見知らぬ女性から「あなたは呪いをかけられた。呪いを解くためには、【失くした思い出】を集めなければならない」と告げられる。 ユズは、記憶を取り戻すべく夜の町へ行き、真夜中の学校や、棚田のある田舎町、竹林の人形屋敷などを探索していくーー。 すべての【失くした思い出】を集め、呪いが解けたときに待つ驚きの真実とは?
仮面祭り最中の隣国へ赴くことになったクリスタとジェラルドたち。しかし、滞在先の侯爵家令嬢・ルナリアが「私こそジェラルド様と結ばれる運命だったのです」と高らかに宣言して邪魔をしてくる。そんな中、宝石人の子供であるディアンの出生の秘密に関する手がかりを発見。その直後、何者かから襲撃を受けて!?
第一王子の婚約者フェリシティは結婚式当日「お前は相応しくない」と何者かに命を奪われ、目覚めるとなぜか一年前に戻っていた。これまで妃になる重圧に加えて、婚約者バージルの冷たい態度に耐えていたフェリシティ。殺されるくらいなら婚約解消してやる!そう決意したが…バージルが別れないでくれと懇願&全力で謝罪してきて!?しかも別人級に溺愛してくる彼にフェリシティは困惑MAX。長年冷遇してきたのに、バージルの目的は一体ー!?