2024年9月発売
舞台のリハーサル中、不可解な死を遂げたひとりの女優。 事故なのか、自殺なのか、それともーー。 女はみんな、誰かを演じて生きている。 舞台の上でも、日常でも、 演じることをやめられなかった女優を描く、 今、大注目の著者があぶり出す女のリアル。 他人を演じている間だけは、ここにいていいんだと思える。 ゲネプロの最中に一人の女優が命を落とした。彼女の名は遠野茉莉子。開幕を直前に控えた舞台で主役を演じる予定だった。舞台演劇界で高い評判を得て、名声をほしいままにしていた茉莉子。彼女をその地位に押し上げたのは、劇作家の名倉敏史だった。 茉莉子の死からほどなくして、舞台の関係者が一堂に会するなか、名倉は重い口を開く。「遠野茉莉子を殺したのは、ぼくです」。やがて関係者たちも次々に、彼女について語りだす。茉莉子の「死」の真相を探るほどに、次第に彼女の「生」が露わになっていきーー。
忘れられたら楽なのにーー。 傷ついた言葉。消せない過ち。ふたりだけの約束。 すべてなかったことにしよう。この人生が変わるなら。 ミステリーの新鋭が贈る、奇妙であたたかな“忘れられない”物語。 小江戸川越の街にひっそりと佇む「Memory」は、“記憶を消してくれる”カフェ。不思議な力を持つ家入蘭のもとに、過去の失恋やトラウマに苦しむ人々が、今日も引き寄せられるようにやってくる。最愛の人に先立たれ生きる気力をなくした坂下麻季は、自分のことは忘れてほしいという亡き恋人の遺志にしたがい、Memoryを訪れた。記憶が完全に消去されるまでの間、川越の街をぶらつく麻季。そこに死んだはずの恋人が現れて……。麻季の最後のデートを描いた「あなたに似た人」や、表題作「いいえ私は幻の女」のほか、驚きと感動せまる追憶の物語集。
親との関係、子どもとの絆を深く考える全ての女性に贈る感動のエッセイ。 新しい時代の女性像を書き続け、韓国の女性たちから愛される作家イム・キョンソン。 自身が「もっとも大切な作品(朝鮮日報 2023-05-03)」と位置付けるエッセイ『リスボン日和 十歳の娘と十歳だった私が歩くやさしいまち(原題:やさしい救い)が待望の邦訳出版! 亡き父母への様々な思いを胸に、幼少期に家族と過ごした思い出の地に娘ユンソとともに再訪することを決意したキョンソン。過去の思い出と向き合い、家族の大切さや娘との新たな絆を築いた12日間の旅路を記す。 「母さん、父さん。私、ユンソを連れてリスボンに帰ってきたよ。」 ー『リスボン日和』作中よりー 母さんと父さんが、あの時期、幸福であったということ。 不器用であったとしても、私は愛されていたということ。 そして、私もこれから私の子を思いきり愛さなければならない。ほかに何を望むことがあろう。それで充分なのである。 【目次】 Prologue リスボンへと帰る前に Day1 到着 Day2 それぞれの旅行の仕方 Day3 リスボンの色 Day4 オリーブの木と異邦人たち Day5 私たちが輝いていたころ Day6 繊細で美しいものを思う Day7 深い静けさ Day8 休息 Day9 サウダーデの時間 Day10 都市の素顔
この話は、グラフホテルが閉館する、最後の半年間に起きたことである。 日本では村上春樹研究でも知られる作家イム・キョンソンによる、ホテルを題材にした珠玉の短編集。年末の閉業を控えた名門「グラフホテル」を舞台に、5人の大人たちが、それぞれの人生の転換点・区切りを迎える出来事が描かれる。 かつての売れっ子映画監督ドゥリが、動画配信サービス向けドラマ脚本のチェックを依頼されホテルで缶詰めに。時代の流れに悩みつつも行き着いた決断とは(「一か月間のホテル暮らし」)。 相手の女性の「フランス映画みたいなことをしたい」という願いをうけ、会社を抜け出してグラフホテルで情事にふけった男だが…(「フランス小説のように」)。 グラフホテルに宿泊していた作家のトンジュが、ふとしたきっかけでドアマンの男から聞かされた純愛と逃避行の物語、その結末とは…(「夜勤」)。 ほか「ハウスキーピング」「招待されなかった人々」の5編を収録する。
韓国の著名な英米ミステリー文学翻訳家パク・サノの初長編小説。 魅力的な女性アランに淡い恋心を抱く学生ソヌ。 ある日、アランは娘ヨヌをのこし、忽然と姿を消してしまう。 アランが失踪してから10年以上が経過するもアランの行方を追い続けるソヌのもとに、アランそっくりな女性ジアが現れるが…。 ソヌ、アランの娘ヨヌ、そしてアランの姉アナン。 それぞれの思いと過去の記憶とが複雑に絡み合い、徐々に真相が明らかになっていく…。 互いの思いが交錯する複雑な人間模様、ラストに向かってスピード感を増していく展開、 そしてどんでん返しの連続が小気味良い韓国発マルチアングルミステリー! 「アラン、いったいどこにいるの」 「ママ、ママ、ママ、どこなの? 」 「アラン、どうして君がそこにいるんだ!」 いやあ、すごく面白かったです…!! めまぐるしく時空が変化する展開に惹きこまれ、 章ごとに主人公が代わり謎が明かされていく物語、 無我夢中で読みました! ──装画家 遠田志帆 【目次】 プロローグ 一章 ソヌ 二章 アナン 三章 ヨヌ 四章 別荘の夜 エピローグ
アジアで最初のノーベル文学賞作家タゴールの代表的短篇10篇。 ベンガル語からの完訳。 タゴールのすごさ、文学の本当の面白さ・深さが詰まっています。 郵便局長 坊っちゃまの帰還 骸骨 カーブルの行商人 処罰 完結 夜更けに 飢えた石 非望 宝石(モニ)を失って 解説 訳者あとがき
シリーズ第5巻「猫と庄造と二人のおんな」は、一匹の猫・リリーを中心に、猫を溺愛している男・庄造と二人のおんな・品子と福子の三者三様の思惑が絡み合う軽妙な心理コメディの傑作。谷崎潤一郎といえば官能的な小説で知られているが、犯罪小説、推理小説の面でもパイオニア的存在である。なかでも「金色の死」は、江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に影響を与えたとされる怪奇的幻想小説。ほか短編2篇「私」と「途上」を収載。 猫と庄造と二人のおんな 私 金色の死 途上
南米大陸での任務を果たし、帰国の途につこうとしたテメレアとドラゴン戦隊の仲間たちだったが、ミエンニン皇太子の側近であった料理人ゴン・スーの招きを受け、一路中国を目指すこととなった。しかしその途上、ポテンテート号は激しい嵐に呑まれ、座礁してしまう。 その頃、極東の島国の浜辺に、ひとりの西洋人男性が漂着した。しかも彼は、頭部に深い傷を負い、長きにわたる記憶を失っていた。 〈--「ウィリアム・ローレンス」と、男は口にした。そう、これが自分の名前。〉 各国のドラゴンたちとともに、記憶の深い淵をたどりながら、日本から中国、そしてロシアへと至る果てしない旅のゆくえはーー。
第5回アース・スターノベル大賞大賞受賞作! システムエンジニアとして働く34歳、バツイチ独身の主人公・勇は飼い猫・織姫と共に異世界へ転移してしまった。 異世界人は好待遇で保護されるはずが、魔法検査というパッとしないスキルであった勇は貧乏領地の庇護下へ置かれることに。 それでもシステムエンジニアの知識と、魔法検査のスキルでランプやコンロ、魔剣まで開発し、いつのまにか領地の経済は劇的に好転していくーー さらには織姫も異世界転移したことで獣神化という、とんでもない力を手に入れていおり……!? 織姫との出会いを描いた書籍オリジナルエピソードも収録!
反帝国派が勝利したマデューク王国王都での内戦ーー通称「王都会戦」から一年が経とうとしていた。イグニス大公を新たな王とした王国は新年を迎える一方で、ラムゼイたちバートレット公国は建国を祝うとともに、先の会戦での傷を癒していた。戦でのダニーの大きな負傷はあったものの、ラムゼイとサンドラの息子ーークロードが生まれ、穏やかながらも忙しい日々を送っていたラムゼイのもとに、イグニスから一通の手紙が届き……!?
王様の命令で税務調査官とともに王家の領土「ポートトレビス」に向かうカイン一行。過去に色々あったポートトレビスの街はある理由で港が破壊され、交易に大きな支障をきたしていたのだった。そこでカインが土魔法で解決しようと試みたところ、一行は強大な海の悪魔・クラーケンに襲われてしまう!
「へぁ?」 平凡な女子大生の紗良はいつもと同じように何の疑問もなく、家のドアを開けた。しかしそこは、見慣れた日常ではなく、殺風景な川べりで、みたこともない魔獣が跋扈する「異世界」だった。紗良に残されたのは「異世界マニュアル」と書かれた謎のノートだけ。マニュアルから学んだスキルを身に着け、火をおこし、魔獣を手懐ける紗良の異世界ライフがこうして始まる。
コミカライズ好評連載中! 大胆不敵なローザの奮闘記、第2弾。 漫画の世界の悪役キャラに転生してしまった 侯爵令嬢ローザ・クロイツァー。 破滅回避のために王子との接触を避けつつも、 バスボムのお店を開いたり買い物で散財したりと 自由気ままなお嬢様生活を満喫。 利害の一致でうっかり婚約者となってしまった 推しキャラのイーサンとの仲もおおむね良好でーー? 毒殺予定の悪役令嬢、第二の人生を謳歌中! パワフルで自由奔放、でもちょっぴりお人よし。 そんなローザの奮闘記。
令嬢ブリジットは卒業試験に合格した喜びもつかの間、 フェニックスを狙う中央神殿の革命派に追われ、精霊博士トナリと逃げることに。 一方残された面々は、ブリジットの不在により、彼女の存在の大きさを身に染みて実感する。 「--必ずブリジットを取り戻す」 つい先日想いを確かめ合った公爵令息ユーリはそう誓い、仲間と共に動き出す。 そして逃避行のさなか、不安に押し潰されそうなブリジットを迎えに来たのはーー。 「ユーリ様。ユーリ様……っ!」 「……すまない。遅くなったな」 革命派の思惑を逆手にとり、ブリジットが囮になる作戦を仕掛けるが、 神殿で待ち受けていたのは、久しぶりに再会した元婚約者ジョセフでーー!? 「わたくしたちは、きっと最強です。そう思いませんか?」 二人一緒なら乗り越えていける。そう、心から信じることができるから。 悪役令嬢と悪役令息がやがて恋に落ちていく物語、第5弾。
社畜を辞めて (神様たちと)スローライフ 零細神社を継いだ元社畜の青年と、 神社に住まう八百万なものたちとの、ほのぼのストーリー! 引退する父に代わり神社を継ぐことを決意した、元社畜の青年・山宮翔太。 ところが実家ーー白水神社は、八百万のものたちが住まう神域で!? 翔太の神主就任を喜ぶ、白蛇姿のご祭神や、しだれ桜やトカゲの精霊といった八百万のものたち。 そんな彼らや神社のため、翔太は巫女を雇い神社のプロモーションをしてみたり、精霊を困らせる害虫退治に奮闘したり、昔話の神様を探したりと奔走する。 すると神社の居心地の良さに惹かれ、新たな八百万のものたちも集まってきてーー!? 神社ではじめる、神様たちとのほのぼの田舎暮らし、開幕!
購入した異世界の山で、田舎暮らしを謳歌する望月五月。 モフモフな獣人たちの移住を受け入れて、 山での新しい生活が始まります! 「異世界でも、食欲の秋だよね」 ダンジョン産の食材を古龍にもらったり、 ホワイトウルフに見守られ(呆れられ?)ながら ドワーフと乾杯したり、ファンタジー色強めな秋を堪能中。 待ってたエルフの行商人が山へやってきて、住民総出でお買い物! 新たにドワーフたちが加わって、獣人の村も充実していきます。 そんな中、五月の『聖なる山』の噂が広がって…!? ただいま、モフモフたちと山暮らし。 スローライフな異世界生活、第四弾。 書籍限定書き下ろし 二本収録!!
ある日突然異世界に召喚され、不遇職『テイマー』になってしまった元ブラック企業の社畜・佐野ユージ。不遇職にもかかわらず、突然スライムを100匹以上もテイムし、さまざまな魔法を覚えて圧倒的スキルを身につけたユージは、森の精霊ドライアドや魔物の大発生した街を救い、神話級のドラゴンまで倒すことに成功。異世界最強の賢者に成り上がっていく。魔物が蔓延るヤボイグ島で、解呪した『地母神の霊薬』を手に入れたユージ。国内外への供給方法を模索している最中、リゼア公国が世界の支配に向けて動き始める。新たな争いの火種を取り去るべく、ユージたちはリゼア公国の公都リゼウスへの潜入を開始する!無事に呪われた『地母神の霊薬』を回収し終え、公国を脱出しようとするユージたちだったが、突如発生した黒い結界に阻まれてしまいー!?進行諸島×風花風花が贈る超人気シリーズ、目が離せない第16弾!!
「リディル、見事に辺境の地を治めてみせよ」 魔法が使えず、国王から辺境へと追放された第六王子のリディル。何もない辺境で途方に暮れていたが、そこで不思議な苗木と出会う。それはなんと、千年前に失われたとされる世界樹の苗木で!? 『世界樹の守り人』に選ばれたことでリディルは魔法の才能が開花! さらに、呼応するかのように世界各地から頼りになる仲間が集結する。魔法に長けたエルフに、ものづくりが得意なドワーフ、そして、神獣までもがリディルのもとに集い始め……? ーーやがて、名も無き辺境は大都市へと生まれ変わっていく。世界樹に選ばれた少年による領地運営スローライフ、始まりの第1弾!