2025年10月28日発売
* … ** … ** … ** … ** … ** … ** … ** … * ーー比名子。やはり君は私にとって大切な存在です そして願わくばーー * … ** … ** … ** … ** … ** … ** … ** … * 【描き下ろし漫画も収録。 究極の「わたたべ」ノベライズ!】 ◇第一章 水沫の夢 比名子が家族と過ごす幸せ、 けれどそこは妖の夢の中で……。 ◇第二章 かしましい夜 三人寄れば、かしましい! 秘密のパジャマパーティーが開かれる。 ◇第三章 追憶の陽だまり これは十年ほど前。 比名子がまだ幼い頃の夏の物語。 ◇第四章 雪解けと愛しき獣 何百年も昔に生まれ落ちた妖狐。 いつしか人間との愛を知りーー ◇第五章 夢は遠く、君は隣に 三枚の映画チケット。けれど汐莉は 乗り気ではないようで……? 第一章 水沫【すいまつ】の夢 第二章 かしましい夜 第三章 追憶の陽だまり 第四章 雪解けと愛しき獣 第五章 夢は遠く、君は隣に
生を手離さずにいることは、こんなにも難しいーー。 失業、借金、いじめ、病気……駅で自ら死を選ぶ人々と、その防止に奔走する地下鉄職員・葉育安。 現代台湾文学を牽引する作家・何致和が、都会の声なき声を拾い再生を描く台湾発の話題書。 台湾文学賞、誠品読書職人賞など受賞多数! ・ ・ ・ 葉育安(ヨウ・イクアン)、45歳、思春期の娘と認知症の老母との3人暮らし。 優柔不断、すべてに受け身で生きる彼が 地下鉄の自殺防止プロジェクト長として向き合うことになったのは、 地下鉄のホームで今まさに自死へ向かう人たち。 ・ 会社のお金を横領したサラリーマン、SNSで失恋を晒された中学生、持病に悩む老人、周囲から羨まれながらも生きる気力を失った女性……自殺防止プロジェクトリーダーを任せられた育安は、なんとか成果を出そうと試行錯誤を重ねるも、自らの足でホームから飛び降りる人たちを止めることはできない。 それでも群集のなかに身を置いて、日々を生きていく寄るべき人々の体温が、見知らぬ他人をいつしか温めていくーー出口のない問題を抱え生きる全ての人へ、ささやかでも、明日へ向かう力の一端になる物語。 ・ 現代社会のひずみや抑圧を描いたソン・ウォンピョン『アーモンド』、ハン・ガン『回復する人間』らにも通じるストーリーテラーの初邦訳。 ・ 《解説:松本俊彦(精神科医・作家)》 読了後、語られなかったこと、描かれなかった余白に読者は深く心を揺さぶられ、何かを考え始める。こうした、読後から始まる独特の余韻、静かな残響音は、本作品における最大の魅力といってよいだろう。 ・ 《台湾文学金典賞授賞/選評 凌性傑(詩人・作家)》 何致和は中年男性の心境をきめ細やかに描き出し、公共交通機関と時代の鼓動を結び付け、地下鉄によって交わる人生を通じ、様々な流動を表現する。その流動感に、多声的な語り、語りの視点の交代が加わることで、重層的で、極めて読みごたえのある作品に仕上がっている。 地下鉄という現代の交通機関は、個々の実存の不安を乗せる一方で、出発と帰還を支えている。本書で最も引き付けられるのは、冷静に傍観しているようでいて、「理解しようとする」やさしさを潜めた語りである。
全世界100万部突破 30カ国翻訳 TikTokで話題の超問題作 人肉食が合法化した社会を冷徹に描き切った、究極のディストピア食人ホラーSF! ************ ◆クラリン文学賞(2017)受賞 ◆レディース・オブ・ホラーフィクション賞長編部門最優秀賞(2020)受賞 ◆ワシントン・ポスト紙ベストSF(2020)選出 ◆フィナンシャル・タイムズ ブックオブザイヤーSF部門(2020)選出 ************ 動物感染症のパンデミックにより畜肉が食べられなくなり、かつてない食糧危機が人類を襲った近未来の世界。たんぱく源を求め続けた人々の間で、移民・貧民を狙った人肉の闇取引が横行。食肉需要を満たそうとする企業の圧力に政府が屈し、ヒトの飼育・繁殖・屠畜・加工が合法化された。この出来事は〈移行〉と呼ばれ、家畜化されたヒトは〈頭〉、それを加工して作られた人肉は〈特級肉〉と言い換えられた。「クレイグ食肉処理工場」の重役マルコスは、〈頭〉を解体し、〈特級肉〉として出荷する日々を送っていた。ある時、一頭の家庭飼育用の最高級の〈頭〉のメスをなりゆきで譲り受けるが、非合法とされる「人間扱い」をはじめてしまい……。 世界中で話題沸騰〈スパニッシュ・ホラー文芸〉超問題作!
「俺はファントマだよ、陛下!」 フランス史上最大の怪人。 元祖黒マスクの怪人──バットマンも、怪人二十面相も、源流はファントマにあり! ジューヴ警部とファントマの因縁の対決。 愛人殺し容疑の王の身代わりに幽閉された、新聞記者ファンドールの危機一髪! 久生十蘭が換骨奪胎し『魔都』を生んだ怪作。 ダークヒーロー犯罪小説。 コンコルド広場の噴水のニンフ像が夜な夜な歌をうたう──大晦日、新聞記者ファンドールはお忍びでパリにやってきたヘッセ=ヴァイマル王国の王と意気投合。ところが王の愛妾死亡事件に巻き込まれ、ひょんなことから王の身代わりを演じるはめに。相棒の敏腕警部ジューヴはファンドールを救いだすべく奔走! これもファントマ? あれもファントマ! 怪人の狙いはいかに? パリを縦横無尽に追跡する、めくるめく死闘のスペクタクル。 元祖黒マスクの怪人ファントマ。今なおフランスで絶大なる人気を誇り、映画にもなり絵にも描かれ、おびただしいフォロワーを生んだ悪のアイコンは、コクトーに、マグリットに、ブルトンに、横尾忠則に愛された。犯罪大活劇のファントマ・シリーズ全32巻より、もっともファントマらしいと謳われるうちの一冊を本邦初訳。 ジゴマ、シェリ=ビビ、そしてこのファントマで、ついに完結を迎える〈ベル・エポック怪人叢書〉の第3回配本。 【目次】 第1章 やんごとなき酔っぱらい 第2章 レモンおばさんの間借人 第3章 モンソー通りの惨劇 第4章 誰と勘違いしているのか 第5章 〈歌う噴水〉の前で 第6章 捜査開始 第7章 王の謁見 第8章 マリー・パスカル 第9章 食卓には三人…… 第10章 ヴルフェンミーメングラシュク 第11章 百二十七駅 第12章 めくるめく変装劇 第13章 ヘッセ=ヴァイマル王国 第14章 ヘードヴィゲ王妃の謁見 第15章 謎の牢獄 第16章 ダイヤ泥棒 第17章 手がかりを追って 第18章 眠る男 第19章 自由の身に 第20章 フレデリック=クリスティアン二世 第21章 恐るべき確信 第22章 われら三人のうちに……ファントマあり! 第23章 公式見解 第24章 ジューヴの噓 第25章 生きねば 第26章 ベストの告発 第27章 北南線大爆発 第28章 無罪か、有罪か 第29章 危険な発見 第30章 尾 行 第31章 通 夜 第32章 ファントマの逮捕…… 訳者解説「コンコルド広場の噴水、あるいはファントマの肖像」
いまや誰もが知っている童話「シンデレラ」。日本においては明治期にヨーロッパからもたらされたと思われているが、それだけではない。日本のシンデレラ受容史からさかのぼり、アジア地域、アフリカへと物語の起源に迫る。
地球から十光年離れた未開の星で見つけたのは、銃殺遺体ーー。 量子テレポーテーション通信の開発によって、遠く離れた星同士でも通信が可能になった時代。宇宙開発コンペに参加するため、地球から十光年離れた星に降り立ったエンジニアの零司と相棒のAI・ディセンバーは、別の区域にいるはずの競合相手、ピエールが何者かに銃殺されているのを発見する。 ほかの参加者に事態打開の協力を求めるも拒絶され、さらにコンペ運営本部との通信も途絶えてしまい、零司とディセンバーは孤立無援に陥るがーー
昭和六十三年、防衛庁長官が東京都麹町の自宅にて殺害された。時は冷戦末期、国家の枢要の欠缺に日本中が震撼する中で警察庁は特異な合同捜査を開始。ところがいざ捜査本部が設置されると、長官の愛娘である西四辻透子が出頭した。予期せぬ展開に警察が二の足を踏んでいる間に彼女は一族の専属弁護士に本庁内で殺されかける。 旧友の突然死、身内の隠蔽、透子の抱える忌まわしき秘密…運命と陰謀が織り成す群像劇の主役に据えられた公安捜査官が辿り着いた悲劇とはーー。 「常世の風戯」シリーズ第壱巻 序章 はじまりのつづき 第一章 象牙色の果実 第二章 大海原の白蛇 第三章 果たされるべき光明 終章 デルポイに産す葦
「真の裏切り者」は誰だったのかーー。 本願寺はなぜ巨大な世俗権力との正面衝突に踏み切ったのか? 信長、秀吉、善住坊、そして光秀は何を望んでいたのか? 苛烈をきわめた宗教戦争の背後で交錯する異形の者たちの思惑と、 歴史に汚名を刻まれた智将の決断の裏に光をあてる傑作小説! 【本書より引用】 《「信長を殺めても解決にはならない」善住坊が静かな口調でいった。 「第二、第三の信長があらわれ、天下統一の前に立ちはだかる本願寺を攻めるだろう。そうさせないためには本願寺が決起し、織田氏を滅ぼすことで大名たちに力を見せつけておく必要がある」》 《信長が黙った。口元が怒りでわなないている。説得は無理か、と秀吉が観念しかけたときだった。「好きにせえ」吐き捨てると部屋からでていった。 秀吉は安堵する。自分が注進して光秀を蹴落としたーーそうみられるのは得策ではない。ふたりが重臣として覇を競っていることは周知のこと。失脚させるときは光秀を唾棄される存在に仕立てるのだ。ここはあわてず策を練るべしーーそれが秀吉の考えであった》 《明けて六月二日早暁ーー。 朝靄を切り裂くように鷺森本願寺の半鐘が乱打された。 「ご門主!」侍僧が顕如の居室に駆けこんで叫んだ。「織田軍の来襲でございます!」 顕如が布団を蹴ってとびおきた。雑賀鉄炮衆と激しい銃撃戦がはじまった。本願寺を明けわたしたではないか。なぜ信長が鷺森まで攻めてくるのだ。 本山が抹殺されるーー。ことの重大さにふるえながら、信長に信をおいた自分を呪った。 しばらくして銃声がやんだ。織田軍が引きあげていったという。》 第1章 遺文 第2章 宿願 第3章 岐路 第4章 標的 第5章 処断 第6章 犠牲 第7章 攻防 第8章 叛旗
高2の夏。森川涼風の過ごす平穏なクラスにトンデモ転校生・古都琴子がやってきた。転校初日から、周りの目を気にせず自由気ままに振る舞う琴子は、『ザ・我が道を行く』タイプ。強面教師のパワハラに物申し、クラスのヒーローになったかと思ったら、琴子自身は言いたいことを好き勝手言う自由っぷり。はたまた、勝手に文芸部の部長になったかと思えば、無理やり涼風を巻き込んだり…。「まあ、私は好きに生きるから、君たちも好きに生きたまえ」圧巻の青春小説。
出版社
幻戯書房ジャンル
戦場、野戦病院、兵舎、総司令部などにおける「現実」を直視し、戦時下の軍人や女たちの生を鮮明に描き出すことによって、戦争美化の言説に抗議の声をあげるーーパリ郊外のメダンにあるゾラ宅に集った、モーパッサン、ユイスマンスら6人のフランス自然主義作家が普仏戦争(1870-71)を記録、諷刺した短編小説集。本邦初完訳。 序文 水車小屋の攻防 エミール・ゾラ 脂肪の塊 ギ・ド・モーパッサン 背囊を背負って ジョリス゠カルル・ユイスマンス 瀉血 アンリ・セアール 大七事件 レオン・エニック 戦闘のあと ポール・アレクシ 補遺一 (五十周年記念の再刊に寄せた)レオン・エニックによる序文 補遺二 メダンの夕べーどのようにしてこの書が作られたか 註 『メダンの夕べ』年譜 訳者解題