2025年1月発売
会社が夜逃げし、無職になった社畜サラリーマン山本春重(38)。 途方に暮れた春重は気まぐれで探索者ギルドに向かった。 あらゆる建造物が、突如、モンスター溢れる迷宮へと変化してしまう現象『ダンジョン化』。 その探究を生業とする探索者のギルドで春重は【万物支配】というユニークスキルを手に入れるが、ギルドの職員は弱小スキルである【調教】と勘違いしてしまう。 使えないと言われたスキルだが、ダンジョンではモンスターを支配し、人間をも支配してしまう最強のぶっ壊れスキルだった!? 助けたJKや元最強パーティの女性剣士と仲間になり、春重のスキル無双は続くーー。 東京を舞台とした現代ダンジョンファンタジー開幕!
公爵騎士のレオンと結婚した、軍医フィーネ。 レオンの不器用ながらも深い愛情に、 彼女は幸せな結婚生活を送っていた。 ある日、フィーネは、 レオンの代わりに、彼の弟サイラスに届け物をすることになる。 王都で娘と二人で暮らしているサイラスは、 医学の研究者でもあり、フィーネにとっても学ぶべき存在だ。 だが、フィーネがサイラスのもとを訪れたところ、 彼の娘アネットは、感情を見せなかったり、ときおり苦しんだりと、 なにか事情を抱えているらしい。 妹であるかつての聖女コリンナの面影をアネットに見たフィーネは、 アネットの心を開かせるため、彼女と向き合う。 「私がそうしたいから、するんです。気を遣わないでください」 だがそんな中、アネットが突然、 フィーネの前から姿を消してしまい……!?
遊廓街・吉原で育ち、小さな貸本屋を開業……。やがて歌麿、北斎、写楽、曲亭馬琴、十返舎一九らを発掘し超人気作家に育て上げる。文化の担い手を「武士や豪商」などの富裕層から「庶民」へとひっくり返し、幕府による弾圧にも「笑い」で対抗。江戸庶民は彼を「蔦(つた)重(じゅう)」と呼び、喝采を浴びせた。その鋭敏な感性、書き手を虜にする人間性、したたかな反骨精神を描く蔦重本の決定版! 江戸を文化的に豊かにしただけでなく、今のポップカルチャーの基礎をつくった人だと思っています。 ーーーNHK大河ドラマ『べらぼう 蔦重栄華乃夢噺』主演・横浜流星(日刊ゲンダイ2025年新春特別号インタビューより) 〈寛政の改革の嵐は蔦重の家財半分をさらう、そのときお江戸はーーー〉 日本橋と吉原の耕書堂は雨戸を固く閉ざしている。大戸には「負けるな」「一日も早い再開を」「戯家(たわけ)の灯を消すな」と励ましの落書の数々。雨風が叩きつけても消えそうにない。 本屋の裏口、長身の老人が身を滑らせるように入っていく。叔父の利兵衛だ。 「お前という子は幼い頃から偉そうな御仁が大嫌い」 初志貫徹は立派なこと。ヘンな褒め方をしてから叔父は真顔になった。 「奉公人や彫師、摺師に迷惑をかけられない。銭なら融通するからいっておくれ」 蔦重、ゆっくり首を振る。横のとせが背筋を伸ばした。 「お舅(とう)とうさん心配をおかけします。でも、あたしの蓄えが少々」 夫婦が見交わす眼と眼、舅(しゅうと)は頼もしそうにいった。 「ずいぶんと綜(へ)麻(そ)繰(く)ったもんだ。さすがはおとせ、感心感心」 叔父は店の落書のことをひとくさり。そして重三郎、とせを見据えた。 「こんなことで負けちゃいけない。戯家の本屋が変じて反骨の本屋。江戸の期待は大きいよ」 (第七章「不惑」より) 出版王の反骨精神はいかにして生まれ、散っていったのか。生き別れた両親、花魁への初恋、波乱万丈の人生を支えた妻・とせによる内助の功など、稀代の本屋の知られざる一面を描き出す感動の長編小説。
故郷・デッドエンド村で生じた問題を無事に片づけ王都に戻った薬師・リーフ。 強大な力をもつ彼(無自覚)は、新たにベヒモスのタイちゃんを仲間に加え冒険者生活を満喫していた。 そんなある日、リーフは冒険者ギルド【天与の原石】のギルドマスター・ヘンリエッタからある仕事を任されることに。 それは「魔族に歯が立たなかったギルドメンバーを鍛えてほしい」というもの。 こうして、リーフは恐れ多く思いつつトレーニング(地獄のしごき)を始めるのであった! しかし、その裏で【邪神】を崇拝する魔族たちの暗躍が激化していきーー!? 圧倒的な調剤スキルですべてを蹴散らす 辺境の薬師による無自覚無双、第3弾!!
サイファード家の一人娘であるオリビアは、感情を表に出さない大層奇妙な少女だった。 実の父親にすら気味悪がられ、義母と義妹に虐げられ屋根裏に軟禁され殺されかけるが、 その矢先に彼女を助けたのはサイファード家含む「北の財閥」を支配する当主にして絶対的権力者ーーシリウスだった。 オリビアを無下にした者は許さない。 シリウスによるオリビアへの寵愛が止まらない中、彼女を守らなかった者や国への“断罪”は進んでいきーー この物語は、 一人の少女を傷つけた者たちが徹底的に破滅へと追いやられる中、 とんでもないお金持ちから寵愛を受け続けたその少女が 真の幸せを見つけるまでの物語である。
どんっ! コレットちゃんと、王都での買い物を楽しむ ミツハの日常は、衝撃とともに壊れた。 アルダー帝国が差し向けた暗殺者の凶刃から ミツハを護るため、身を挺して庇ったコレットは、 瞬間的に事態を察知し地球へと転移したミツハの手配により、命をとりとめた。 心から安堵するミツハだがーー刃を向けた相手に容赦はしない。 あらゆる手段を使って叩き潰す!! ヤマノ子爵家の家長として家臣の敵、討ってみせます! アルダー帝国殲滅作戦、作戦開始(ミッション・スタート)!
元魔王城で子犬を拾った日から、平凡な《羊飼い》の人生は大きく変わったーー。 滅びた魔王城の跡地を領地として持つ貴族の三男アルトは、10歳になった時《羊飼い》の職を得た。 レベルも上がり辛く弱い職業だとされる《羊飼い》。だが、あくまでレベルの上がってない状態の話だ。 アルトはある日、自らが開墾する魔王城で小さな犬を拾い、助けた。 伝説の魔獣と知らずに助けたその日から、アルトの《羊飼い》としてのレベルは爆速で上がっていく! 知らない内にアルトは常識とはかけ離れた、規格外の羊飼いになったのだ。 規格外の力と共にアルトは魔王城を開拓し、スライムの大群や、風の精霊、ユニークで強力な魔獣を家族として迎え入れ。自分も家族も絶対に飢えさせないために、様々な作物を育て、豊穣の王へと成り上がる! 隠れ最強な《羊飼い》と伝説の牧羊魔獣が贈る、『開拓グルメファンタジー』第一弾!
昭和10年(1934)8月12日、陸軍省にて、相沢三郎歩兵中佐が軍務局長・永田鉄山少将を惨殺する事件が起きる。そのとき、部屋にはもう一人の人物がいた。憲兵大尉・浪越破六は、事件に語られていない真実があることを確信する。そんな折、浪越は渡辺錠太郎陸軍大将から、ある命を受ける。昭和の重大事件の裏で進行していた「もう一つの事件」を、歴史ミステリ作家が描き出す。
執筆から30年、“幻の長編小説”がついに書籍化! 囲碁の名人として、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康と、天下人三人の側近くに仕えた本因坊算砂(日海、本因坊の初代)を主人公に、新たな視点から信長を描くーー。 天下布武へと邁進する信長だったが、武田との激闘、一向一揆との泥沼の戦い、荒木村重の謀反など、難しい局面が続いていた。 そうしたなか、若くして見いだされた日海は、囲碁を通して、信長にさまざまな献策を行なっていく。 そして不穏な情勢の下、天正10年(1582)、毛利攻めへ向かうため、信長が京都・本能寺へ宿泊する。 6月1日の夜(本能寺の変の前夜)、信長の御前で囲碁の対局をした日海。 その対局で、万に一つもできず、不吉なことが起こる前兆ともいわれる「三コウ」が起こるのだが、それは……。 官僚、政治家、万博のプロデューサーなど、多岐にわたる活躍とともに、数々のベストセラーを世に送り出した著者ならでは分析が冴えわたる一冊。
ユーゴスラヴィアの作家ダニロ・キシュの代表作。 ボルヘスの『汚辱の世界史』への「対本」としてーーオマージュとして、かつアンチテーゼとしてーー構想された7つの連作短編集。 スターリン時代の粛清に取材しながら、全体主義社会での個人の苦闘を描く。 ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 紫檀柄のナイフ 仔をむさぼり食らう雌豚 機械仕掛けのライオン めぐる魔術のカード ボリス・ダヴィドヴィチのための墓 犬と書物 A・A・ダルモラトフ小伝(一八九二ー一九六八) 訳者あとがき
明末清初の中国に、途方もない批評家が現れた! 金聖嘆ーーその無謀で繊細なフォルマリズムに導かれ『水滸伝』を読み解き、導き手に肉薄して、小説批評の起源と変奏を描破する。著者が生死を賭けて文学=批評の根源へ挑む絶後の達成。 《荘子》《離騒》《史記》《杜(甫)詩》、小説《水滸伝》、戯曲《西廂記》を〈六才子書〉と呼び論じた、文芸批評家・金聖嘆。その金聖嘆が、元々120回だった《水滸伝》を70回にまで削った「70回本」は、後世にも大きな影響を与えた。金聖嘆の『水滸伝』読解法をもとに、さらに本作を精緻に読み込んでいく。それに加えて、『水滸伝』から派生した『金瓶梅』を同様に分析。日本の文芸評論の世界に、新たな地平を切り開く一冊。 序文 「解剖学」と「愛」にむけて 第一章 好漢たちの「注定(さだめ)」 第二章 作品は誰のものか? 《水滸》是因文生事︱金聖嘆 第三章 聖嘆批評の「モダニティ」 第四章 亜流論ー『金瓶梅』と張竹坡 付章 『水滸伝』「読法」についてー「文法十五則」 主要引用(参考)文献一覧 あとがきー「私情」の方法化