小説むすび | 2025年9月2日発売

2025年9月2日発売

天馬の子天馬の子

出版社

KADOKAWA

発売日

2025年9月2日 発売

『貸本屋おせん』で日本歴史時代作家協会賞新人賞受賞、 『梅の実るまで』で山本周五郎賞候補となった注目の新鋭が満を持して放つ感涙の長編時代小説! 南部藩の村に生まれたリュウは馬と心を通わせる10歳の少女。厳しい自然のなかで名馬「奥馬」を育てる村では、時に人よりも馬が大切にされていた。リュウの家にも母馬が一頭いるが、毛並みの良い馬ではない。優れた馬乗りだった兄が二年前に亡くなり、家族は失意のなかにあった。祖父は孫娘に厳しく、母は小言ばかり。行き場のない言葉を抱えたリュウが馬の世話の合間に通うのは「柳の穴」と呼ばれる隠れ家だった。姉のようにリュウを見守る隣村の美少女セツ。村の有力者の優しくてドジな次男坊チカラ。「穴」に住む家無しのスミ。そこでは藩境を隔てて隣り合う村の子どもが集まり、自由な時を過ごしていた。 ある日、片腕のない見知らぬ男が「穴」に現れる。「仔は天下の御召馬になる」。馬喰(馬の目利き)の与一を名乗る男はリュウの育てる母馬を見て囁いた。将軍様の乗る御馬、即ち「天馬」。しかし天馬は天馬から生まれるのが世の道理。生まれにとらわれず、違う何かになることなどできるのだろうか? リュウは「育たない」と見捨てられた貧弱な仔馬を育て始める。 村を襲う獣、飢饉、「穴」の仲間や馬たちとの惜別。次第に明らかになる村の大人たちの隠しごと。与一との出会いから大きくうねり始めるリュウと仔馬、仲間たちの運命。なぜ人の命も馬の命も、その重さがこんなにも違うのか。馬も人も、生まれや見た目がすべてなんだろうか。いつか大人になったら、すべてわかる日が来るのだろうか? 生きることの痛みも悔しさも皆、その小さな体に引き受けながら、兄の遺したたくさんの言葉を胸に、少女と仔馬は生きる道を切り拓いていく。 第一章 柳の穴 第二章 駿馬の仔 第三章 渡り狼 第四章 馬方節 第五章 飢饉 第六章 馬鈴 第七章 野馬捕り 第八章 シラカンバ 最終章 八高田

愛と慟哭の果て愛と慟哭の果て

著者

和泉順

出版社

幻冬舎

発売日

2025年9月2日 発売

「愛とは何か? 生きるとは何か?」を問う神秘サスペンス 瀕死の男が奇跡的な生還を遂げた。しかし男は、別人のように豹変していた。 大阪バラバラ変死事件、横浜爆死事件、そして大胆な銀行襲撃ーー 次々と起こる不可解な事件の裏には、男に憑依した邪悪な魂の存在があった。 前世の復讐に囚われた魂は、哀しみの因果を断ち切れるのか。それとも、新たな悲劇を生むのか。 銀行支店長・鳥飼信一は、通勤途中に倒れ生死の境を彷徨う中、 “何か”に憑依された。 意識を取り戻した鳥飼は、人が変わったように次々と不可解な事件を起こしていく。 彼に取り憑いていたのは、アンドロメダ銀河の刑務所から脱獄してきた“フォントス”という名の魂だった。 時を同じくして、瀕死の重傷を負った刑事・長谷川譲にも追跡者“アシュラ”が憑依し、壮絶な追撃戦が始まるーー。 第一章 プロローグ/第二章 愛人/第三章 追跡/第四章 連続変死事件/第五章 銀行襲撃 /第六章 前世/第七章 城ケ島事件/第八章 新たな始まり/第九章 野毛/第十章 表と裏/第十一章 出向/第十二章 銀河の力/第十三章 細い糸/第十四章 アミという女/第十五章 テロ前夜/第十六章 花火工場爆破事件/第十七章 新橋爆破事件/第十八章 アマテラス/第十九章 浮島炎上/第二十章 港スタジアムテロ事件/第二十一章 亜矢逝く/第二十二章 富士決戦/第二十三章 エピローグ

オリオンの3人娘オリオンの3人娘

南の島の、ちょっと不思議な冒険物語 オリオンのきらめきとともに生まれた3姉妹、チーホ・チーグ・ミーニョ。 森に住む妖怪・ケンムンに見守られながらすくすく育った3人に、ある日思いがけない大事件がーー⁉ ある夜、おそろしい台風が島をおそい、おとうさんとおかあさんが、風に吹き飛ばされてしまいます。 残された3姉妹は、大好きな家族を助けるために2人をさがす大冒険へ! 旅の途中で出会うのは、歯のないハブのおじいさん、気絶ばかりの子ガラス、口笛にこたえる笛吹き鳥……。 小さな体と大きな勇気で、3人は海の向こうを目指して進みます。 はたして、家族はふたたびめぐりあうことができるのでしょうか? はじまりの章 三角定規の島 第1章 星の夜の不思議なできごと      三人の娘 第2章 夢見みるチーホとハブ      張り切るチーグとカラスの子      小さなミーニョと笛吹き鳥 第3章 おそろしい台風 第4章 見知らぬ島に 第5章 チーホの決心ーーおとうさんとおかあさんをさがしに行こう! 第6章 歯のないハブのおじいさん 第7章 ミーニョの口笛ーー島が見えた! 第8章 葉っぱの舟       恋人どうしのイカ 第9章 イカ飛び団      草舟が岸についた! 第10章  家族の再会 第11章  時計草のケーキ

転生したBLゲームの世界で姫と呼ばれている事を俺はまだ知らない転生したBLゲームの世界で姫と呼ばれている事を俺はまだ知らない

出版社

MUGENUP

発売日

2025年9月2日 発売

目が合えば顔をそらされ、話しかければ逃げられるーー。 存在そのものが嫌われている俺(木戸ルイ)は、学園に入学したその日、とある人物を目にして気づいてしまった。 ここは、前世で腐女子の姉がハマっていたBLゲームの世界だ! けれどすぐに、モブの俺には関係ないなと思い直す。それより学園デビューで嫌われ者の俺にも友達ができるかも! そんな期待を持っていたが、結局皆から距離を置かれてしまった。 せめて迷惑をかけないようにひっそり静かに過ごそうーーそう決意しぼっち飯をしていたら、ゲームの主要キャラでヤンキーの白伊先輩に「調子にのってる」と絡まれてしまう。 高圧的に接してきた先輩だったが、俺の境遇に同情したのか「んじゃあ、俺とダチになるか」と提案してくれる。 ……え、今友達ができた!? 舞い上がる俺に白伊先輩はこの世界の『友達付き合い』の方法を教えてくれるのだが、白伊先輩だけでなく他の主要キャラも距離が近すぎて……? ☆ 書き下ろしSS「姫、スカウトされる」と、シーンを彩るモノクロイラストも収録!

もうひとつのエデンもうひとつのエデン

ある島の〈ノアの箱船〉の物語 ブッカー賞ほか最終候補作 優生学の名のもと、実在の島マラガに起きたことを題材に、美しい詩的文体で描きだすある島の年代記。 一七九二年、逃亡奴隷のベンジャミン・ハニーはアイルランド出身の妻ペイシェンスと共に様々な林檎の種を持ってメイン州の小さな無人島にやってきた。ふたりは苦労して林檎園を作り上げ、島はアップル島と呼ばれるようになる。 それから約百年、ハニー家の子孫と肌の色も様々な島民は、豊かな自然のなかでつましくもひっそりと穏やかに暮らしていた。そこへ一九一一年、理想に燃える白人の元教師マシュー・ダイアモンドがやってくる。ベンジャミンのひ孫にあたるエスターは、ダイアモンドの善意は理解しながらも心をざわつかせるが、彼の指導で何人かの子どもたちは絵画や語学、数学の才能を花開かせていく。 ある日突然、本土から知事の命で委員たちがアップル島の視察に現れる。いきなり子どもたちの頭に測定器を当ててなにやら書き留め、子どもたちは怯え、大人たちは反発する。やがて島と人々を襲う大きな悲劇とはーー。 刊行直後から話題を呼び、ブッカー賞、全米図書賞、国際ダブリン文学賞などの最終候補作に選出された。美しく痛切な祈りの物語。

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