小説むすび | 2025年9月発売

2025年9月発売

亀たちの時間亀たちの時間

イタリアの新星 フランチェスカ・スコッティ、初の邦訳 舞台はイタリアと日本。 ずっと終わらないことなんて、ない 夫婦、恋人、親友、家族……、 ふとした出来事をきっかけに かけがえのない関係が崩れ、終わっていくシーンを 静かに描きだす15篇のショートストーリーズ。  ウエイトレスがやってくる。コーヒーと温めたタルトの香りがする。一匹の犬が吠える。ウエイトレスは飛びあがり、わたしも飛びあがる。わたしは粉々になったカップを見る。太陽に焼かれた板のあいだを黒い液体が流れていく。わたしがあなたのほうを向き、あなたを呼ぼうと腕をのばしたとき、あなたはもうそこにはいない。空になったあなたの椅子がわたしを怯えさせる。わたしは立ちあがり、あたりを見まわす。あなたはいない。(「ルナ」より) [収録作品] ルナ 次の駅 亀たちの時間 喉が渇いていて、いま水を飲もうとしている者の平安 びっくりパーティ ナカノさん 鯨のひげ 朝ごはんで 貝殻の島 誕生日 《ピッコラ・ジェラテリーア》 パンダ動物園 面接 ショーの終わり 月の暦

ロンドンのサム 生意気な子供たち、中世の若者たち、そして巨大なズボンロンドンのサム 生意気な子供たち、中世の若者たち、そして巨大なズボン

ロサンゼルスからロンドンに移り住んだサムはアメリカの生活との違いに戸惑いを覚え、しかし、次第にロンドンで数々の発見をしてその魅力に惹かれていきます。そして新しい友人たちができて幸せを感じるようになります。 ロサンゼルスで映像制作会社を経営する著者は、世界61カ国を旅し、息子とともに経験した異文化体験から、この物語を作り出しました。アメリカで出版された評判の児童書の日本語版です。 第1章  何も合わない。 第2章  サム・アイ・アム 第3章  ランチのパイ 第4章  サムのアクセント 第5章  上からの眺め 第6章  中世の若者たち 第7章  戦争からのアヒル 第8章  晴れた日曜日 第9章  ホームシック 第10章 近くと遠くの友達 第11章 ゴー・エイプ 第12章 お茶とマンガ 第13章 勝利のダンス 第14章 特別な贈り物 第15章 ショー・アンド・テル(見せて、話して) 第16章 新しい冒険

空、はてしない青 上空、はてしない青 上

致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか? ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。 (川上弘美 / 作家) 旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。 (西加奈子 / 作家) この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。 自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。 人生に終わりはないのだ。 (小島秀夫 / ゲームクリエイター) あらすじ 「若年性アルツハイマーと宣告された男性、26歳。人生最後の旅の道連れ募集」。エミルは病院と周りの同情から逃れるため、旅に出ることにした。長くても余命2年。同行者を掲示板で募集したところ、返信が届いた。「高速道路の三番出口で待ち合わせしよう。こちらは、つばの広い黒い帽子にゴールドのサンダルに赤いリュック。どう?」。現れたのはジョアンヌと名乗る小柄な若い女性。自分のことは何も語らない。2人はとりあえず、ピレネー山脈に向けキャンピングカーで出発することにした。それは、驚くほど美しい旅の始まりだったーー。 爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編。

普天を我が手に 第二部普天を我が手に 第二部

出版社

講談社

発売日

2025年9月18日 発売

加藤陽子、保阪正康、養老孟司激賞! 各紙誌上でも大絶賛! 敗戦、占領、抑留、青春、友情、再起ーー 希望よ、新たな時代の寵児たれ。 昭和100年・戦後80年記念刊行 昭和史三部作、物語はついに太平洋戦争の真っただなかへ。 たった七日間しかなかった昭和元年に生まれた四人が、 互いの運命を交差させながら、 新たな時代を切り拓く! 太平洋戦争が勃発した。 竹田志郎は、父に伴って渡米したが、そこで自分だけ捕虜となってしまう。ようやく帰国した後は日本の捕虜収容所の通訳となるも、目にしたのは看守の虐待が横行するずさんな実態だった。 矢野四郎は、父の死後、親譲りの素行の悪さで少年院に入れられる。だが、出院後次第に悪化する戦況をうけ予科練に入ることを決意。戦友と共に人間魚雷「回天」で出撃を期する。 森村ノラは、ひょんなことから亀戸の喫茶店を任されることに。友人と闇米を買いに農村部へいったり、教会で預かった孤児たちを軽井沢へ疎開させるなど、母親譲りの活力で奔走する。 五十嵐満は、戦中は映画俳優として活躍。さらに、新国家建設を標榜する張学士らの組織〈リバティ〉に加入。だが、敗戦後に組織はあっけなく瓦解。タップダンスを武器に、旅芸者・藤田と捕まっては脱走を繰り返す。

空、はてしない青 下空、はてしない青 下

最後の日に。最愛の人と。 致命的な心の傷を、人はいかにのりこえうるか? ささやくような美しい声で、答えてくれる物語。 (川上弘美 / 作家) 旅をするとき、人は同時に、命を見つめているのではないか。 (西加奈子 / 作家) この“旅”の体験と記憶は、いつまでも失われない。 自分もいつかは“最高の旅”を誰かとしてみたい。 人生に終わりはないのだ。 (小島秀夫 / ゲームクリエイター) どこまでも続く青い空と海。エミルとジョアンヌは、南フランスの陽光きらめく中を旅していた。猫のポックとの出会い、海辺での穏やかな日々、ジョアンヌのマインドフルネスの教え。時にぎこちなく、時に深く心を通わせながら、2人と1匹は静かに時を紡ぐ。しかし、旅は穏やかなだけではない。進行する病と薄れゆく記憶はエミルをゆっくりと蝕んでゆく。残されたわずかな時間の中、互いの存在を支えに進むキャンピングカーは最期の目的地へ。失うことの痛みと、それでも生きることの輝きを描く、愛と再生の旅路。 爽やかな筆致で描く、命と愛、生きる喜びについての感動大長編後編。

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