2023年6月1日発売
仇敵たる毘比白を神戸から退け、右腕を取り戻した璃々栖。そして、皆無は魔王化を経て、大印章の力に目醒めた。 次なる覇道への一歩、阿栖魔台移動城塞の起動の鍵を求め、十二聖人がひとり神威中将と共に、魔界へと臨むーー。 「皆無、征くぞ。予の祖国まで凱旋じゃァ」 物理界と霊界を跨ぎ、旧・阿栖魔台王国へと向かう璃々栖らに、やにわに毘比白の魔の手の影が差す。暗雲立ちこめる出立と時を同じくして、日本國を取り巻く情勢もうねりをあげーー悪魔祓師と大悪魔、二人の旅路は新たなる局面へ。 明治悪魔祓師異譚『腕を失くした璃々栖』、第弐幕。
『クラスで二番目に可愛い』朝凪海と俺・前原真樹は、この春二年生になった。 海とは別のクラスになってしまったけど……登校前の30分は、変わらず大事な恋人同士の時間。 廊下越しにスマホで交わすメッセージもなんだか新鮮だ。 海の新しい友達に“彼氏くん”として迎えられたり、拡がる人間関係に戸惑いつつ、期待に胸が高鳴りもしてーー。 そんな俺のクラスには、天海さんの他にもう一人目立つ人物がいた。 遅刻常習犯でいつも冷淡な荒江渚。 天海さんが話しかけても無視するばかりで、クラス一丸とは言い難い中、クラス対抗球技大会が迫り!? 手を取り合って、ぶつかって。青春と恋が芽吹く第4巻!
「お願い……。私のこと、抱いてほしい」 若手社員の実沢春彦は、会社で『女帝』と恐れられる厳格な 上司・桃生結子から、飲み会帰りホテルへと誘われた。 戸惑う実沢に、彼女は恥じらいながらお願いするーー 「私と……子作りだけしてくれないかしら?」 誰にも言えない、恋愛なしの男女の関係が始まる。 「こ、こらっ……。会社では普通にしてなさい!」 女上司が俺にだけ見せる顔。好きになってはならないルール。 それなのに俺達は徐々に惹かれ合いーー 美人上司と部下、禁断と背徳の大人ラブコメ開幕!
「--実は私、運命的な出会いをしたんです」「私もバイト先の常連さんに気になる人がいるんだ〜」 類いまれなる美貌から男女問わず尊敬と羨望を込めて、《S級美女》と呼ばれる女子高生の姫川沙羅、小日向凛、高森結奈。 誰もが羨む彼女たちの恋バナにクラス内がざわつく中、クラス一地味な赤崎晴也は心の中で焦っていた。実は彼女たちが話題にしている男性こそ赤崎晴也なのだ!! 絶対に学校で目立ちたくない晴也はどうにかして彼女たちからの興味をなくさせようと動くのだが、全てが裏目に出てしまい……。 地味系男子と《S級美女》の学園ハーレムラブコメ、開幕。
ハロウィンでコスプレしたり、修学旅行でキスしたり、と今まで以上に関係性を進展させた由弦と愛理沙。 クリスマスでは一泊二日の遊園地デートでアトラクションを楽しんだり、イルミネーションを観たり、大晦日には一緒に年越し蕎麦を作ったり、新年の初詣には一緒にお参りするなど、甘く楽しいひと時を過ごしていく。 そして翌月のバレンタインデー。由弦が愛理沙の手作りチョコを期待して待っていると、学校の下駄箱に可愛いリボンで飾りつけされた箱が入っていて……。 ニヤニヤ必至の焦れ焦れ甘々ラブストーリー、第七幕です。
春華と共に語り合いながら一緒に眠るという夢のような一夜を過ごした新浜。しかし二度目の高二の夏をこのまま終わらせてしまっていいのか? 行動力を振り絞った新浜は、青春の夏休みを謳歌するため、舞や美月、銀次と共に春華を夏の海に連れ出した。 「私の水着姿を……一番初めに見てくれますか……?」 群がるナンパ達を社畜力で蹴散らした新浜に、春華は恥じらいながらゆっくりとパーカーのファスナーを下ろして……。 「いつだって心一郎君は『嬉しい』をいっぱいくれるんです」 真夏の太陽の下、無防備に晒された柔肌と、大好きな子の眩しい笑顔。 タイムリープ青春ラブコメ真夏の海水浴編!
夏休み、ウィレミナは義弟・ナイジェルから告げられた想いに返事ができないまま、公爵領に行くことに。 そこで発生した問題の解決策に悩み落ち込むが、傍でいつも支えてくれるのは弟だと思っていた彼で…… 「姉様自身が姉様を甘やかさない分、私が甘やかすのです」 新たな婚約者候補も登場で波乱と思いきや、義弟の溺愛牽制で入る隙間ナシ!? ウィレミナは領地のために力を尽くし、ナイジェルへの答えを出すことができるのか!? 第一章 わたくしと義弟の夏のはじまり 第二章 わたくしと義弟の領地への旅 第三章 わたくしと義弟の領地の視察 第四章 わたくしと義弟による事態の解決 第五章 わたくしと義弟の未来のこと 番外編 エルネスタとリュークの夏休み
伯爵令嬢・ジゼルは突然の王命で、 冷酷と噂の公爵・クアンツに嫁がされる。 ところが彼女を出迎えたのは、言葉を話す子犬ーーえ、クアンツ様!? 呪いで夜だけ犬になってしまうらしく、噂も人避けのための演技。 「(かわいいから)人前では笑わないで」って、 その本性はただのツンデレです!? かわいすぎる公爵様との新婚生活、 呪いを解くため協力し、最高のものにしてみせる! ツンデレ公爵と大胆令嬢の最強ラブコメ! プロローグ 第一章 私の夫は犬なのですか 第二章 呪いの解き方 第三章 塩公爵は砂糖になったともっぱらの噂です 第四章 いつの間にか当たり前になっていたもの 第五章 触れるほどに、深まるほどに 第六章 真実の愛の定義 エピローグ
乙女ゲームの世界にモブの伯爵家長男として転生したアルフレッド。恋人となった年下の美形宰相子息ギルバートとの関係はひたすら激甘一直線。ギルバートの誕生パーティーでは二人の激甘な尊さに令嬢方は集団で腐沼に落下し、やんごとなき貴腐人が爆誕! その一方で、ギルバートが母親のランネイル夫人になぜか笑顔を忌み嫌われていること知ったアルフレッドは、愛しい彼が“氷の貴公子”となった原因を探ろうと動き始め…? 溺愛エフェクトで次々とゲーム世界を変えていく無自覚スパダリ「七合目モブ」の激甘主人公攻めBLの第二巻!
「SF短編」シリーズ、究極の愛蔵版登場! 藤子・F・不二雄の「SF短編」シリーズ全111作品+αを完全収録した『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス』の豪華愛蔵版です。 「SF・異色短編」シリーズ6冊(第1〜6巻)と「少年SF短編」シリーズ4冊(第7〜10巻)に分け、それぞれ概ね発表順に収録します。 <第1巻収録作品> ・「ミノタウロスの皿」 ・「カイケツ小池さん」 ・「ドジ田ドジ郎の幸運」 ・「ボノム=底ぬけさん=」 ・「じじぬき」 ・「ヒョンヒョロ」 ・「自分会議」 ・「わが子・スーパーマン」 ・「気楽に殺ろうよ」 ・「換身」 ・「アチタが見える」 ・藤子・F・不二雄「あとがきにかえて」 ・【映像インタビューより】 「ミノタウロスの皿」について ・【雑誌記事より】「隠れた本格SF短編がOVA化 藤子・F・不二雄」 ・藤子・F・不二雄「SFマガジン300号に寄せて」 *過去に刊行された、既存の『藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版』全8巻とは作品の収録順と巻立てが異なります。 【編集担当からのおすすめ情報】 「SF短編」を雑誌掲載時と同じ、B5判の大きなサイズで堪能できる愛蔵版がついに登場です。今回、表紙には各巻表題作の絵をあしらった金属プレートを装填、製本は本が喉元まで開くコデックス装を採用。豪華でありながらも読みやすく、作品世界に没頭できる、正に究極の愛蔵版=Ultimate Editionです! カラーページも新たに原画から色調整を行い、非常に美しい色合いが再現されているほか、巻末には「SF短編」に関する藤子・F・不二雄先生のエッセイ・記事も多数収録(単行本初収録を含む)。 「SF短編」ワールドを存分にご堪能ください! 【Ultimate Editionの8大特長】 1.「SF短編」シリーズ初となる、雑誌掲載時と同じB5サイズ。 2. 本がフラットに開き、ページと正対して作品を鑑賞できるコデックス装。 3. 全巻の表紙に、各巻表題作のイラストを刻印した特製金属プレートを装填。 4. 全巻美麗なケース入り。表面は箔押しで収録作のキャラクターをあしらい、表面の抜き穴からは、表紙の金属プレートが見える特別仕様。 5. 4色と2色のカラーページは、原画の色合いを再現。 6. 各巻、初版限定でB5サイズの別冊小冊子付き。各巻収録作で、大幅な加筆修正が行われた作品の「雑誌掲載初出版」を中心としたラインナップを予定。第1巻の小冊子は「『ミノタウロスの皿』「ビッグコミック」掲載版」。 7. 巻末には、藤子・F・不二雄の「SF短編」にまつわるエッセイを収録。単行本初収録となる「ぼくとカメラ」(1979年「小学生カメラ日記」掲載)など、ファン垂涎の内容も。 8. 装幀は「100年ドラえもん」「100年大長編ド
富山の市街地が焼夷弾により焼け野原となったのはたった80年ほど前のこと。この悲惨な出来事を風化させてはならぬと、語り部として人々へ訴え続けた一之瀬文子。病に冒された文子が孫の華音やその教え子たちに最後に伝えたかった本当の思いとは。
青年・三郎は、学生生活を謳歌する中で出会った弥生という女性に心惹かれながらも、明確な思いを伝えられぬまま卒業を迎え、県庁職員として充実した日々を過ごしていた。そんなささやかな日常とは裏腹に、隣国との国境紛争は激化の一途をたどっていた。一年越しの再会を果たした三郎と弥生。二人の元にも、戦争の影が徐々に忍び寄る。なぜ人々は争うのか。戦争の先には、どんな結末が待っているのか。彼らはそれぞれの決意を胸に、平和を取り戻すべく動き始めるのだったー。
生まれつき左眼だけ翠色、オッドアイの女子高生・小鳥遊唯は、右目に緑色のカラコン、黒いマントの二八歳独身男性、暗黒院真実(本名・田中友治)が営む探偵事務所で助手を務めている。ある日、探索中に日が落ちて山奥から帰れなくなった二人は、蛇怨館と呼ばれる洋館に泊めてもらうが、翌朝一室で死体が見つかる。ところが探偵として推理しようとした田中が暴いたのは犯人ではなく、決して解いてはいけない謎で…。異能の著者が贈る新感覚本格ミステリ開幕!
異世界スローライフファンタジー! ブラック国家はもうこりごり! 転生して、憧れのぐーたらライフをはじめたい! …なのに、なぜか目立ってしまい、王子に好意を持たれて……ピンチです! ブラック国家で酷使され、無残な最期を迎えた大聖女エミーリア。……という前世を思い出した十二歳のエミリアは、今世では平穏に生きたいと聖なる力を隠すことにした。 そんな努力も虚しく、いろいろなハプニングに巻き込まれ、ついにはガイア王国の王子フィリップにも目を付けられる。 「私が望むのは、ただ平凡に生きて平凡に死ぬこと」 はたして今世は無事平穏に生きることができるのか!? 無自覚才女のドタバタ胸キュン♡スローライフ!
異世界恋愛ファンタジー! 初恋の相手は村人でした… だったら私、貴族なんかやめちゃいます!! 勇気を出して告白した彼の正体は!? 伯爵令嬢のアンナはある日婚約者のイーノックから婚約破棄を、父から実家追放を告げられた。 失意の底に沈むかに見えたアンナだったが、実際は大喜び! 平民となり、過去に助けてもらったセイハ村の村人ウィルと付き合う夢があった。 村へ着き、早速告白したアンナ。 だが、ウィルには村人っぽくない部分があって……!? 婚約破棄&実家追放から始まる一途で元気なラブコメディ!
主人公は平成生まれの中学生ヤマト。舞台はスカイツリーが夕陽に映える町。ヤマトは学校で人間関係につまずき、学校に行く理由に疑問を感じて登校拒否になってしまいます。作者の思いや「この国はどうあるべきか、これからどうするべきか」という、発想とそれを具現化させる方法を緻密に込めた、作者の自伝的なノンフィクションとフィクションが入り混じったヒューマンドラマとなっています。 表紙のイラストが戦艦大和である理由、それは小説を読み進めるうちに解明されていくことになるでしょう。 ●会社経営について ●特許申請・取得 ●知覧特攻平和会館 ●錦江湾遠泳 ●武士道、ディズニー、7つの大罪 ●日本の製造業の最先端技術 ●戦艦大和
『土台穴』『チェヴェングール』と並ぶ代表作 プラトーノフが一九三三年から三六年にかけて執筆した長篇『幸福なモスクワ』。この「モスクワ」とは、当時、スターリン体制下で社会主義国家の首都として変貌を遂げつつあった都市モスクワと、そこから名前をとった主人公モスクワ・チェスノワをあらわす。彼女は、革命とともに育った孤児であり、美しいパラシュート士へと成長していく。来たるべき共産主義=都市モスクワを具現化するような、大胆で華やかな女性として活躍するモスクワ・チェスノワだが、思わぬアクシデントによってその嘱望された前途は絶たれる。だが、彼女の新たな人生と物語とが始まるのはむしろそこからだ。 モスクワの街を彷徨するモスクワ・チェスノワ、その彼女を取り巻く男たちーーソヴィエトの行政官ボシュコ、小市民コミャーギン、機械技師サルトリウス、医師サンビキンーーは、彼女の言葉や振る舞いに触発され、思索し、対話し、自らの進むべき道を模索する。モスクワを中心に世界は回転するーー自らの思い描く共産主義の理念と、ソ連社会の現実との狭間で苦闘したプラトーノフの軌跡がここにある。特異な世界観と言語観で生成するソ連社会を描いた作家の「未完」の代表作。
物語に登場する「女」は、バルセロナの音楽サロンを運営する委員会のメンバーであるベアトリス。「男」は、ショパン弾きで名を馳せ、サロンに招聘されたポーランド人の老ピアニスト、ヴィトルトだ。ショパンの「前奏曲」を弾く彼は、ダンテの信奉者でもある。ヴィトルトはベアトリスに一目惚れして、ポーランドに帰国した後も、彼女にCDや恋文を送り続ける。よき夫がいて息子は成人し、孫もいる49歳のベアトリスは、ショパン弾きのヴィトルトの求愛をばかげていると思いつつ、その言葉や、音楽、自分への好意の示し方に興味津々に反応するうち、マヨルカ島の別荘にヴィトルトを招くことになるが……。 80代になったクッツェーが、ベアトリスの視点から求愛される心理を細やかに分析的に描き出そうとする。 「これはヨーロッパの古典としてのダンテとベアトリーチェの神話的恋物語を、パスティーシュとして再創造する頌歌(オード)なのか。それとも、長きにわたりロマン主義の底を流れてきた“恋愛をめぐる男と女の感情と心理” を、現代的な視点から徹底分析した挽歌(エレジー)なのか。」--訳者あとがきより すれ違う男と女。ダンテにとってのベアトリーチェがヴィトルトの思い描く究極の「恋人」らしく、これまでの〈世界文学〉に登場した「恋愛」が、いかに男性側からの一方的な妄想に基づいたものであったかに光が当てられ、クッツェーらしい皮肉を効かせながらコミカルに描かれる。 言語が大きなテーマになっているのも見逃せない。二人が意思疎通で使うのは英語だが、ポーランド語が母語のヴィトルトは英語を流暢に話せない。彼は死を前にしてダンテのベアトリーチェへの憧憬を模倣し、ポーランド語で詩を書き残す。その詩をベアトリスは翻訳者に頼んでスペイン語に翻訳しないと読めない。全篇にスペイン語、ポーランド語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、ラテン語などが散りばめられるが、英語は距離をもって扱われる。ヨーロッパ大陸の歴史と言語をめぐる微妙な関係をも考えさせられる。 本作はクッツェーの第一言語である英語で書かれた作品だが、英語文化の覇権性に抗うクッツェーは、まず昨年7月にカスティーリャ語版を刊行し、今年3月にオランダ語版を刊行、5月にドイツ語版、カタルーニャ語版、日本語版(本書)が刊行される。そのあと、7月に英語版が刊行される予定。