2025年3月5日発売
ダンジョン二一層の高くそびえる崖の壁を這いつくばるように進むナオたち一行に、危機が訪れる。周囲が暗くなったとき、突然崖が崩落し、ナツキが空中へ放り出されてしまったのだ。ナオは崖下に落下するナツキを助けるため、岩棚から跳び霧の中へーーしかし、しばらく待っても、ナオたちが転移して戻ってくる事はなかった……。スリリングな冒険の行く末は!? “翡翠の羽“三人娘の書き下ろしエピソードも収録の第12弾! プロローグ/第一話 ロッククライミング/サイドストーリー「トミー毎度の無茶振り」/第二話 遠方より来たる/第三話 渓谷に挑む/第四話 暗転/サイドストーリー「新たなる旅立ち 〜サイの冒険 第五章〜」
アルトにラギとの別れの時が迫っていた。命が残り僅かと悟ったラギは、セツナに「最後に私と闘ってくれ」と願い出る。ラギは獣人である自らの闘いをアルトに見せることで、いまだ獣人の力を知らないアルトの心に、その闘う術を刻もうとしたのだった。それは独り立ちするための糧をアルトに遺そうとする、ラギの命がけの賭けでもあった。移りゆく季節の中、悲しみを知ったアルトは少しずつ大人になってゆくーー。第一部完結。 プロローグ/秋水仙《最良の日々は過ぎ去った》/第二章ミヤコワスレ 《別れ》/第三章ネリネ《幸せな思い出》/エピローグ
「毒使い」の天星を持つ王女ルビーは家族に疎まれ、聖女の身代わりとして辺境に嫁がされてしまう。 そこでも正体を見抜かれ、魔の森近くに軟禁されーーと思いきや、毒使いの本領発揮! 毒を持つ魔物を従え、痩せた土地の毒を祓って畑を耕すとスローライフを大満喫。 そんなある日、ふらりとやって来た夫のセオドア帝は、聖女に勝るとも劣らないその力を目撃してーー? 無自覚最強王女は、忌み嫌われた毒使いの力で幸せを掴む!
「異星人に勝つ? 地球へ生還する? 全部、やってやろうじゃない!」 異星人との戦争に敗北した宇宙艦隊提督のリリアンは、十八歳の少女に戻っていた。 前回は己の失態により負けた。次は勝って凄惨な未来を変えるーー!! そんな彼女の目前に迫るのは、士官学校の演習中に起こる宇宙戦艦の漂流と、異星人からの襲撃(ファーストコンタクト)。 リリアンは培った戦術眼と未来の知識で実戦経験のない生徒をまとめ上げ、たった一隻の戦艦で異星人艦隊に立ち向かう。 後に奇跡と呼ばれる活躍は、人類存続の未来へと繋がっていくーー。 第9回カクヨムWeb小説コンテスト カクヨムプロ作家部門 特別賞受賞作!
君に、このバトンを託す。蝶の羽ばたきを受け、彼らは立ち上がる。 太平洋戦争末期。前線も本土も戦場だった。数え切れない命が散った。 南方戦線でただ一人生き残った尾崎、東京大空襲で家族を失ったさくら。前線でさくらの兄に命を救われ、厚生省職員となった尾崎は、大物政治家の助力を得て民間戦争被害者への国家補償の実現を目指す。 そんな尾崎の身辺に次々と不審な出来事が起き、署名運動を始めたさくらも思わぬ妨害に遭う。 何者かの思惑。官僚組織の論理。見え隠れする特務機関の影。立ちはだかる時間の壁。 時を経て、世代を超えて、それでも彼らは命がけで思いをつないでいく。 信じ続けること。伝え続けること 終戦から80年。深い祈りを込めた、著者の新たな代表作! 第一部 一章 戦場のバタフライー一九四五ー 二章 下町の紅夜ー一九四五ー 三章 モノトーンの街ー一九四五〜一九五三ー 第二部 一章 決起ー一九七二ー 二章 顔のない群れー一九七三ー 第三部 一章 最後の夜ー一九八二ー 二章 どうか虹を見てくれー一九九五ー 補記
登場人物全員、偽善者。 読んだら”人間不信”になる、エゴイスティック・ミステリー! 幸せ絶頂の結婚披露宴のさなか、新婦・沙也香が吐血して倒れてしまう。カメラマンの桜庭によると、シャンパンに毒が混入していたようだ。 犯人捜しに乗り出す新郎・和臣と桜庭だったが、容疑者である彼女の親友や母の偽善ぶりが次々と明らかになり、さらに沙也香のどす黒い過去も見え隠れしてーー。
伯爵の父が起こした婚約破棄。その末に生まれたアビゲイルは、様々な騒動を経て不義理を働いたはずの公爵家で幸せに暮らしていた。 公爵家の当主・クラウスとの出会いから一年になるころ、ついに彼との結婚式の日取りが決まった。 夢にも似た幸福を噛みしめるアビゲイルだったが、とある変化が訪れる。それは、夫が病に倒れたため一時的に公爵家へ預けられることとなった同年代の少女・バーバラ侯爵夫人と、その侍女・フィオメラ、そして屋敷の庭で保護した不思議な猫のソフィアとの出会いだった…。 運命に振り回されながらも、クラウスとの愛を深めていくアビゲイルは無事に結婚式を終えることができるのかーー!?
私たち、ピョコルンに、全部捨てられるようになりましたよね。 性欲を。出産を。育児を。介護を。人生の時間を食いつぶす、あらゆる雑務を。 14年前、「リセット」を経験した人類は混乱の最中にあった。 しかしラロロリン人の考えた「人間リサイクルシステム」がうまく機能し、やがて社会は再生を迎える。 そして49歳になった空子は「クリーンな人」として、美しく優しい世界を生きている。生まれ育った街「クリーン・タウン」の実家に戻り、同級生の白藤遥とその娘・波とともに。 ようやく訪れた穏やかな社会の中心には、さらなる変貌を遂げたピョコルンがいた。 村田沙耶香渾身の大長編、ここに完結。 都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに、人類が到った極地とはーー。 【著者略歴】 村田沙耶香(むらた・さやか) 1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。
この世はすべて、世界に媚びるための祭り。 性格のない人間・如月空子。 彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。 空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。 ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。 当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。 3年以上にわたる著者初の長期連載がついに書籍化。 村田沙耶香の現時点の全てが詰め込まれた、全世界待望のディストピア大長編! 【著者略歴】 村田沙耶香(むらた・さやか) 1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年「授乳」で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年「コンビニ人間」で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。
結婚、子育て、仕事。生きるって何なん?管理栄養士となった結が食で人々をつなぐ物語 連続テレビ小説「おむすび」を完全小説化。激動の時代をパワフルに突き進む“青春グラフィティ”、ついに完結。 劇的な「逆プロポーズ」の末、結婚、出産した結は、さらに食の大切さを知って、管理栄養士となる。病院の栄養科に勤務することになった結は、そこでNST(栄養サポートチーム)のメンバーに。さまざまな患者さんへの対応が求められる中、バイタリティとコミュニケーション力で奮闘する。「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく」。多くの人たちのために、結は活動の範囲を広げていく。
引退した殺し屋のマークは、「暗殺依存症」患者の自助団体に参加し、「二度と人を殺さない」と誓うが、何者かに命を狙われ、襲撃されてしまう。敵の正体を探るため世界中を飛び回るマークのなかで、敵を殺してしまいたいという欲求がどんどん高まっていき……
第一次大戦後、イタリア北西部にある村。貧しい家に生まれた、石工の弟子、ミモ。村の城館に住む侯爵家の娘でありながら自立を望むヴィオラ。出会うはずのなかった二人は惹かれ合い、時に反発し、両大戦間の激動の時代を生き抜いていく。ゴンクール賞受賞作!
狸穴屋は本日も大繁盛ーー。 祭りぎらい……浅草三社祭りが離婚の種に!? 三見の三義人……200年前、質屋に入れられたのは「海」だった 身代わり……訴えられたのはなんと、評定所のお偉方 夏椿……離婚を承知しない夫に嗅がせた妙薬とは? 初瀬屋の客……公事師の娘の頼みは、「客の後をつける」こと 証しの騙し絵……30年前に別れた夫が戻ってきたらしい。狙いは?
Netflixにて大人気配信中の映画「よめぼく」の森田碧が放つ、渾身の最新作! 高校二年生の秋、染野翼は夜の函館山でのデートを最後に、恋人だった一ノ瀬千夏を病気で亡くした。千夏を失ってから、不登校気味になった翼は空虚な日々を過ごし、趣味のギターや作曲した動画の投稿もできないでいた。心の支えはひとつーー彼女が残した"公式アカウント"。千夏は残される翼を想って、自分にメッセージを送ると自動返信されるよう、いろいろな言葉を設定していた。さらに、あるキーワードを送ると動画が届くらしい。翼はそれを探そうと毎日彼女にメッセージを送っていた。 そんな中、幼馴染の永戸真一が面白い動画を見つけたと家を訪ねてくる。それは、千夏の声にそっくりな、レモンティという顔を伏せた高校生の歌い手の動画で……? やがて、たどり着いた千夏の隠しメッセージとはーー。 心が震えて涙が溢れる、「よめぼく」シリーズの森田碧が放つ、渾身の最新作! 函館が舞台。 装画:飴村 ■著者プロフィール 森田碧(もりた・あお) 北海道出身。2020年、LINEノベル「第2回ショートストーリーコンテスト」にて「死神の制度」が大賞を受賞。2021年に『余命一年と宣告された僕が、余命半年の君と出会った話』(ポプラ社)でデビューし、2022年には「第17回 うさぎや大賞」入賞。「よめぼく」シリーズは累計55万部を突破し、2024年にNetflixにて映画化され、大人気配信中。
宵闇に妖魔が蠢く華の帝都。 退魔士の名家・紅蓮野家の一人娘である朱里は、 母の仇の妖魔、幻影男爵を追っていた。 捜索の最中、戦闘で窮地に陥った朱里を助けたのは、 清司郎と名乗る精悍な軍人だった。 それをきっかけに協力関係を結んだふたりは、 徐々に心を通わせていく。 しかしある事件によって、清司郎が 紅蓮野家とっての因縁の相手、 激しく敵対している青梅家の嫡子であることが判明しーー。 許されざる想いに胸を焦がす、大正版ロミオとジュリエット開幕。 ■著者プロフィール 住本優(すみもと・ゆう) 1985 年生まれ。作家・シナリオライター。ライトノベル、キャラクター文芸ジャンルなどで執筆している。著作に『あやかし屋敷のまやかし夫婦』(ことのは文庫)、他『最後の夏に見上げた空は』(電撃文庫)など。