著者 : loundraw
『シンギュラリティ計画』を完了し、人類とAIとの戦争を阻止したはずだったヴィヴィ。しかし、目覚めた彼女の前に広がっていたのは、避けなくてはならなかった最終戦争の絶望的な光景だった。シンギュラリティ計画の失敗と人類滅亡の危機を知ったヴィヴィは、事態を打開する手段を求め、全ての始まりを知る『シンギュラリティ計画』の発案者、松本博士のもとへと向かうー。AIを愛する人々が、AIを憎む人々が、人間に寄り添うAIが、AIを支えたAIが、そして百年の時を共にした『歌姫』とそのパートナーが、今、旅のフィナーレを迎える。その旅路の祝福に、どうぞ“心”のこもった拍手を。
ヴィヴィとマツモト、100年の旅路の新たな舞台。新旧の歌姫型AIが一堂に会する歌の祭典『ゾディアック・サインズ・フェス』。その次なるシンギュラリティポイントでもあるイベントに参加するヴィヴィは、正史で“自殺”したとされるAI、オフィーリアと出会う。『オフィーリアの自殺』を呼び水に引き起こされる“魂の有無”を問う論争を防ぐため、ヴィヴィとマツモトはオフィーリアの自殺を阻止すべく、彼女を取り巻く舞台へ介入する。しかし、真実を探るうち、ヴィヴィにあってはならない“人間”との再会が訪れー。-自ら命を投げ出す所業、それはAIの“魂”の存在を証明するのか、それとも否か?
<私(AI)>が人を愛するなら、<私(ヴィヴィ)>は何を愛するのーー。 100年後に勃発する人類とAIの最終戦争を阻止するべく、『シンギュラリティ計画』を開始したヴィヴィとマツモト。しかし、次なる歴史の修正点でヴィヴィが目の当たりにしたのは、本来の歴史ーー正史よりはるかに発達したAI技術と、それにより発展した世界だった。 AIが過剰に発展している謎を探るため、ヴィヴィはこの時代のAI研究者、冴木タツヤの元へ向かう。 マツモト曰く、彼は人類で初めてAIと結婚した人物であるとされていてーー。 AIに心がないのなら、AIを愛する心は虚構なのか。--これは、人とAIと、愛の物語。
これは<私(ヴィヴィ)>が<私(AI)>を滅ぼす物語ーー 科学の発展と共に、人類の生活に欠かせぬ存在となったAI. 『歌姫』と呼ばれるヴィヴィもまた、国内最大級のテーマパーク『ニーアランド』で歌い続けるAIであり、その歌声で人々を魅了し、連日の熱狂を生み出していた。 そんな彼女のもとに突如として現れたのは、マツモトと名乗る未知のAIだった。 マツモトは自分が100年後の未来からやってきたと語り、人類とAIとが繰り広げる最終戦争を阻止するため、『シンギュラリティ計画』への協力をヴィヴィに要請する。 歌うために作られた最古の歌姫AIと、人類の滅亡を阻止するために作られた未来のAI。 ーーここに、100年の時をかけるAIたちの物語が幕を開ける。
バーを営む伊吹は、八年前のクリスマスに妻を亡くした。もう一度妻に会いたいと願う伊吹の前に現れたのは、「吾輩」と名乗る一匹の黒猫。黒猫は、客を感動させる酒をつくったら死んだ者を呼び寄せてやると言いーー。
ある日、突如として愛犬に噛みつかれ、親しかった同僚からは腫れ物扱いをされ、結婚を誓った恋人までもが自分のことを忘れてしまう。ありふれた、しかし満ち足りた生活を送っていたはずの塾講師・赤羽翼の生活は、ノーウェアマン症候群ー罹患者と接触した人物は、彼との記憶をいつしかすべて失ってしまうーによって一変する!果てなき孤独と一筋の光をめぐる堂々たる物語を紡ぎ上げ、星海社FICTIONS新人賞を3年ぶりに制した驚異のストーリーテラー&ページターナー、朝倉ユキト、ここに鮮烈デビュー。
刑事の桜は人間の兄弟に生まれ変わった猫又と妖狐に出会った。あやかしも動物も人間も思わずかしずくほどの美貌と食欲を持つ彼ら。桜が料理作りに通い詰める一方、焼き肉を見返りにあやかし兄弟が殺人事件に挑む!
人型兵器で巨大生物から地球を守る。 そんな日々の中で、私、永森友香は一人の『少女』と出会った。 ロボット。少女は自身をそう自己紹介した。傍にいる、うさんくさい博士風の男によると、彼女は『チョコ』という名前らしい。 チョコは、私を『おともだち』に選んだという。 「トモカ、一つ尋ねます。友達とはなんですか?」 知らないのかよ。 ……いや、待て。じゃあ私はその意味を知ってるのか? ある意味、巨大ロボットよりも非現実的な存在で。人類の誰よりも綺麗な目をした機械。 これが私と、チョコの出会いだった。
この星にはふわふわさんという存在がある。生き物かどうかは今のところ分からない。でも、人の形をしてこの地に立つ。すべてのふわふわさんは、失われた者の姿を真似して、存在する。僕としては、いわゆる『よみがえり』なんてものは信じていないけれど…。目の前で、綿毛が渦を巻き、幼い少女が現れた。『ふわふわさん773』。僕は思考のノイズに延々、苛まれ続ける。あれは見間違えるはずもなく。十年前に僕の世界から失われた、ねえさんだった。『電波女』の入間人間が描く、白く儚いセンチメタル・ストーリー。