制作・出演 : アンリ・デュティユー
アンリ・デュティユー:管弦楽曲集成アンリ・デュティユー:管弦楽曲集成
デュティユー(1916〜)は今やフランス音楽界の最長老だが、メシアンのエキゾティシズムやブーレーズのセリエル的前衛主義と比較すれば、最もフランス的な伝統にのっとった中道を歩んできたといえる。それを再認識する上でも、またフランス現代音楽の“名作”を探る意味でも、彼の管弦楽の主要作品が収録された本アルバムはまことに有益。最初期の「檻」(世界初録音)を収め、ケラスやシャルリエなどの豪華なソリスト陣、それにシャープな解析力で切り込む指揮のグラーフなど演奏のクオリティがすこぶる高いのも魅力。
デュティユー:交響曲第2番 他デュティユー:交響曲第2番 他
技法はモダンながら、むしろフランス近代のなめらかでゆらり色香漂うソノリティを受け継ぎ、とりどりの響きを色鮮やかに変幻させて感覚的快感を創るデュティユーの音楽。サラステは、コクやアクを避け、さらり透明に音を動かしてその快のツボを捕まえている。
デュティユー.時の影デュティユー.時の影
ボストン響の音に惚れ込んでいるフランスのデュティユーが、小澤の依頼に応えてこのオケがひたすら魅力的に響く音楽を書いた。これはその初演の記録。アンネ・フランクにまつわる童声による歌が含まれているがこれはお題目。主役は響き。滑らかさの快。
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