制作・出演 : シュトゥットガルト放送交響楽団
制作・出演
カール・シューリヒト / シュトゥットガルト放送交響楽団 / シュトゥットガルト放送声楽アンサンブル / フランクフルト放送合唱団 / ブラームス / ヘルマン・プライ / マリア・シュターダー発売元
キングレコード株式会社発売元
キングレコード株式会社楽器間の掛け合いの切れ味や、生命体のようにヴィヴィッドなリズム(偶数楽章が特に先鋭的)、また終楽章に典型的な激烈なるドラマの高揚はカルロスの独擅場。一方エーリヒは似たスタイルを採りつつも、息子に比べると風格ある演奏で、やや落ち着いた趣。
音が割れようがオケが乱れようが、細かいことは気にしない。こうした力技が目立つゆえ、録音で聴くといろいろ不満も出てくるだろうが、ナマで聴いたら興奮間違いなしである。佐渡ならではの熱演・爆演・力演だ。やりたいことに無邪気に没頭する姿勢が潔い。
どこまでがきちんとした考証に基づくものか、どこまでがノリントン個人のアイディアなのか、聴いているとしきりに“表現のための表現”という言葉が浮かんでしまう。歴史は巡る。19世紀ロマン主義的演奏と決別したはずなのに、また微妙に回帰の気配が。
何とも精悍な「英雄」だ。響きは現代楽器によるものだが、強烈なアクセントのつけ方やダイナミズム(とくに硬い音質のティンパニが効果的)など毛羽立つように終始刺激的だ。古楽演奏で培われたノリントン独自の表現スタイルが“現代”に殴り込みをかける。衝撃の走る一点。
きわめて今日的な耳の関心で洗い直された仕掛け満載のベートーヴェン。古楽奏法を模した音のキメの身振り、すっきり見通せる響きのクリアネス、単刀直入なダイナミズム、そして快感を呼ぶ速さ。運命は四の五の言わずカッ飛び、田園は悠久に時を失わない。斬新。★
ラトルのような細部のピック・アップはそれほど目立たないが、スタカートやデュナーミクの処理など、語法に明確な意志が聴かれるのはこの指揮者らしい。トランペットをはじめライヴゆえの傷は、パワフルな推進力やフレッシュな愉悦感が十分にカヴァーしている。
ヴィブラートを抑えた響き(それもソロのように編成が薄くなった時に特に効果が大きい)や、マルカートとレガートを巧みにすり替え(?)たり、リズムを際立たせたりする等、随所にアイディアを満載したノリントンの面目躍如たる演奏。「木星」には過剰なる壮大さを期待せぬよう。
テンポを遅めにとり楽器配置に仕掛けを施すことにより、個々のフレーズが孕む妄想的物語をあざといまでに増幅させたユニークな「幻想」。第5楽章の鐘の妖しいような倍音が内声楽器の響きの幻影のように後を引く、そんな微細な音響風景がたまらなく耳をひきつける。
ヘンスラーとSWRのコラボによるノリントンとシュトゥットガルト放響のライヴ・シリーズ。「グレート」ではこれまで以上に、ピリオド楽器奏法と現代楽器オケの融合による新たな演奏表現の追及という課題に対して、ほぼ完成形の様式が提示されたようだ。快演。
制作・出演
クリスティアーネ・エルツェ / クリストファー・マルトマン / シュトゥットガルト放送交響楽団 / シュトゥットガルト放送声楽アンサンブル / ベルリオーズ / マーク・パドモア / ラルフ・ルーカス / ロジャー・ノリントン発売元
キングレコード株式会社壮大な劇的表現を得意としたベルリオーズとしては珍しく古典的均整を保った素朴な味わいの佳曲。エジプトへ逃れる幼子イエスを祝福する合唱の清澄な響きなど、ひなびた美しさが醸し出される。隠れた名曲の真髄を解き明かすノリントン白熱のライヴである。
制作・出演
イリス・ヴェルミヨン / カミッラ・ニルンド / ゲヒンゲン聖歌隊 / シュトゥットガルト放送交響楽団 / フランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ / ベートーヴェン / ヨナス・カウフマン / ロジャー・ノリントン発売元
キングレコード株式会社一世を風靡した古楽器によるベートーヴェンやモーツァルト演奏も、どうやら落ち着いた感じだが、その影響はやはり大きい。明快なリズムの処理によって、音楽に推進力を与え、余分な響きを抑えることで曲の構成をクッキリと浮かび上がらせる。そのような音楽性はノリントンのベースとなっている要素。古楽奏法と現代オーケストラとの融合をはかることで新しい演奏スタイルを作り上げている。初期の交響曲における躍動的な音楽の進行はすばらしいし、7番や8番の生彩あるリズムの乱舞も聴きもの。注目すべき全集だ。
制作・出演
シュトゥットガルト放送交響楽団 / シュトゥットガルト放送合唱団 / ダグマル・コラー / ハインツ・ツェドニク / ビルギット・ピッチ=サラタ / ルネ・コロ / レハール / ヴォルフガング・エーベルト最高の音で楽しむために!