制作・出演 : スウェーデン放送交響楽団
協奏曲はファン待望かも。実に柔らかい音色であり、いつも微妙にテンポが揺れている。それはまるで小舟に乗ってゆらゆらと湖面を進んでいくような心地よさと言ったらよいか。ハーディングの伴奏もたいへんに新鮮で美しい。他の作品も演奏はピカイチ。
シェーンベルクは、さらなる深みに踏み込める可能性を残しつつも過去最高の完成度と言うべき切れ味。シベリウスでは、人口に膾炙しつつも実はしたたかに込み入ったこの作品のテクスチュアを徹底して描き出している。サロネンのサポートは、まさに目利きの仕事ぶり。★
ペッテション:ヴァイオリン協奏曲第2番 1970年代後半に作曲された長大な作品。約50分もの間途絶えることなく、気分のテンションが張り続けているその音楽は、交響曲などと同様にこの作曲家の作風を代表するものです。1999年の改訂版を使った録音であり、クレーメルやアルゲリッチなどとの共演も多い奏者の壮絶な演奏も聴きものです。(アイヴィ) ・ペッテション(1911-1980):ヴァイオリン協奏曲第2番(改訂版) イザベル・ファン・クーレン(ヴァイオリン) スウェーデン放送交響楽団 トーマス・ダウスゴー(指揮) 録音:1999年(デジタル) Disc1 1 : tempo 1 2 : quasi doppio movimento 3 : a tempo (30) 4 : a tempo (41) 5 : tempo 2 6 : a tempo 7 : a tempo 8 : cantando, tempo 4 9 : cantando, tempo 4 10 : a tempo Powered by HMV
ハーンの名技に勝るとも劣らない大植のサポートぶりに注目。日本を離れた空気のなせる技か、ハーンのオーラにインスパイアされた結果か、柵から解き放たれたような自由闊達な競演を繰り広げている。久々に理屈抜きの音楽を楽しむことができた満足感。★
ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章のテーマを基にしたコリリアーノやバッハの引用があるペルトなど、DG移籍第1弾にあたるグリモーのアルバムは、かなりユニークな選曲になっている。「テンペスト」は、自由な息づかいと力強さを兼ね備えた演奏だ。★