制作・出演 : ダニエル・バレンボイム
フランスにおいて、器楽曲の地位を大いに高めたサン=サーンスの作品集。ここではオルガン付の壮麗な交響曲第3番や、ユーモアあふれる室内楽の「動物の謝肉祭」など、サン=サーンスの多彩な音楽が満喫できる。
制作・出演
ソイレ・イソコスキ / ダニエル・バレンボイム / ベルリン・シュターツカペレ / ベルリン国立歌劇場合唱団 / ベートーヴェン / ルネ・パーペ / ロバート・ギャンビル / ローズマリー・ラング待ちに待ったバレンボイムによる初のベートーヴェンの交響曲全集。近年ますます円熟味を増すバレンボイムがベルリン・シュターツカペレを得て、巨匠の芸を如何なく発揮した風格ある6枚組。
明るい音色や軽目の音質でスカッと決めていきたいオケ。往年のドイツの巨匠よろしく重厚かつドラマティックに、感動のゴール目指してヤマを張りまくるバレンボイム。両者のせめぎ合いは、追いつ追われつ、抜きつ抜かれつ。だからスタイルを統一すべきと考えるのならダメだけれど、この両者引き分けみたいな混沌バトル状態がいいと考えるなら、それはそれで面白い。ただしこうした演奏のためか、このオケにしては珍しく、ピッチやアンサンブルの乱れが散見される。全曲の中では第3番が最も成功しているようだ。
デュ・プレがソニーに残した珠玉の逸品。ちょうど病が発症しはじめたころの71年の録音で、真の病名をまだ知らずにいた彼女の豪快でスケールの大きな演奏が堪能できる。指揮は夫君のバレンボイム。
4枚組100曲入り企画、1年ぶりの第2弾。1枚ごとのテーマはまったく同じで、曲だけ全取っ替え(ダブリなし)という企画は斬新かも。なので、対象ユーザーは前作を買った人、および気になっていて買い損ねた人。“流しっぱなし用CD”として内容面でお買い得。
以前はかなり力任せだったり過度に意識的な音楽作りが目についたバレンボイムだが、やはりこういうスーパー・オケを振るようになると、むしろオケとの共同作業という面が強くなってくる。だから演奏にはとくに気負ったところがないが、いささか安全運転かも。
今やワーグナー指揮者としてもトップクラスになってしまったバレンボイムによる熱演。シカゴ響の迫力あるブラスの醍醐味を十全に出したフォルテやクレッシェンドは圧巻。とりわけ「マイスタージンガー」や「トリスタン」はそのドラマ性やロマン性を彷彿とさせる秀演。