制作・出演 : パウル・ヒンデミット
稀代のホルン奏者、ブレインのR.シュトラウスのホルン協奏曲にヒンデミットを加えた一枚。1958年に自動車事故のため36歳で死去したブレインは、表現力を飛躍的に拡大した天才的な奏者だった。録音は古くとも、いまだに高評価が与えられている名盤だ。
プレヴィンがクラシックの世界へ本格的進出を果たした時期を飾る、記念すべき一枚。旧CBSと契約、同レーベルの名ピアニストたちとの競合を避けつつ演奏家としての真価を発揮できる企画は、20世紀生まれの活きの良い作品群だった。抜群の演奏が当時の米CBS臭がいっぱいの音質で聴ける。
制作・出演
A.N.オーサー / シモン・ゴールドベルク / ジェラルド・ムーア / パウル・ヒンデミット / フィルハーモニア管弦楽団 / フレデリック・リドル / リリー・クラウス / ワルター・ジュスキント晩年は日本に住んでいたゴールドベルクの遺産。ベルリン・フィル時代の弦楽四重奏が初発売だが、残りは既存の音源である。彼ほど端整なヴァイオリンを弾いた人は希有で、その清らかさは聴きこめば味わいがいっそう増す。最晩年の録音も今となっては貴重。
「画家マティス」は、同名のオペラを再構成したヒンデミットの代表作のひとつ。新古典主義時代の作品で、暗い色調の音楽だが力強く親しみやすさもある。ケーゲルの直截(ちょくせつ)的な表現も効果的だ。
作曲者が試みた和声と対位法の構造を、徹底したバランス・コントロールとクリアなタッチによって明瞭に知覚させる。ペダル処理もほぼ完璧で一音一音が磨き抜かれている。第7間奏曲でのスケールの大きさも素晴らしい。作品26では作曲者の若き闊達さが魅力だ。★
制作・出演
ウルリヒ・コッホ / バーデン=バーデン合奏団 / パウル・ヒンデミット / マリア・ベルグマン / マルタ・シュスター / マルティン・オステルターク / マンフレート・ライヒェルト / ヴォルフガング・ホックドイツ・シャルプラッテンの音源。新古典主義の作風だが、シニカルな感じは全然せずに、熱っぽくて親しみやすさも持っている。そのあたり、ケーゲルの指揮も大きい。特異な作曲家だけあって、独得のエネルギーが発散されている。オーケストラも張りつめたものがある。
セルが親交を結んでいたウォルトンの2作品を収録。アメリカでの初演もセルがつとめたゆかりの深い作品だ。敬愛する同世代の作曲家の作品を、セルが楽しんで演奏する姿が伝わってくる。
制作・出演
ウェイン・マーシャル / クラウディオ・アバド / ゲオルク・ファウスト / パウル・ヒンデミット / ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 / ラルス・フォークト / ヴォルフラム・クリストこの演奏、ウィーンやベルリンのオケとでは成し得なかったものと思う。ヒンデミット+バーンスタイン+イスラエル・フィル、誰しもがコテコテと感じるであろう組み合わせが、“三全音”よろしく透明にして機能美あふれる音響を生みだしている。指揮者の祈り?