制作・出演 : ベートーヴェン
一戸敦は読売日本響の首席フルート、一戸哲は元札幌響の首席ファゴット。それにピアノを加えた三重奏作品は実は少なくはないのだが、演奏会などで取り上げられることは滅多にない。歌ものの編曲も素敵だが、ベートーヴェンの作品はカタログとしても貴重だし、とにかく楽しい。
チョン・ミョンフンが、キョンファ、ミュンファの二人の姉と組んだベートーヴェンの三重協奏曲は、初リリース時には大いに話題となった。ミョンフンはピアニストとしても優れた腕前を持っていて、見事な弾きぶりを披露している。
カラスがドイツものを歌った珍しいアルバム。カラスの強烈な個性は、ベートーヴェン、モーツァルト、ウェーバーといった大音楽家たちをも自分の世界に引き込んでしまう。とりわけモーツァルトのオペラ・アリアは、表現の何たるかを認識させられる。
映画およびアニメによる『のだめカンタービレ』最終楽章の公開&放映を機に、テーマ曲“ベト7”をあらためて全曲録音したもの。オケの実態は若手による臨時編成。時に個性的なダイナミクスの変化を挟みつつ、軽快な響きと速めのテンポで一気呵成に音楽を運ぶ。若々しい演奏だ。
生意気そうな小僧ッ子然のビジュアルに惑わされてはいけない。出てくる音楽は深みも躍動感も見事なベートーヴェン。“巨匠となる定めにあった”若人が自らの運命と葛藤する中から生み出した作品を、自己の姿に投影するように弾きあげたディスク。ヴァイグレ指揮のオケも絶妙なり。★
最高の音で楽しむために!
最高の音で楽しむために!
デュ・プレ二十歳の時の録音で、同じく若きコヴァセヴィチと録音した貴重なアルバム。デュ・プレならではの迸る情熱を内に秘め、堅固な造形力を保ちつつ大きなスケールでソナタを構築してゆくさまはさすが。
レーゼルが2008年から年2回、日本でのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会と並行して録音してきた全集の第4巻。派手さはないものの、オーソドックスにベートーヴェンの核心へと一直線に進んでいく演奏だ。
制作・出演
のだめオーケストラ / のだめカンタービレ / ズデニェク・マーツァル / セルゲイ・エデルマン / チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 / ベートーヴェン / ラン・ラン / ロンドン・フィルハーモニック・オーケストラ / 東響コーラス / 飯森範親2010年に前・後編公開の映画『のだめカンタービレ 最終楽章』のオフィシャル・アルバム。結成以来精度を高めてきた飯森範親指揮によるのだめオーケストラらが、映画の登場楽曲を新録。“のだめ”ファンには見逃せないアイテムだ。
あれこれゴテゴテしたものや借り物っぽい表現を付け加えることなく、真っ向ストレートに音楽と対峙する。そんな爽やかなベートーヴェン。しかしそれは単細胞的・本能的に成されたのではなく、じっくりとした考察の裏付けを伴ったもの。続編に期待。
発売元
日本コロムビア株式会社スメタナSQが1976年から85年の10年間を費やして完成させた、気品と美しさに満ちたベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集。最盛期から円熟期にかけての演奏で、スメタナSQの真価がよく表われた録音として評価も高い。
ソロ、オケともにきわめてメリハリくっきりと情が動く瞬間を際立たせた演奏である。節回しや身振りの謂ではない。フレーズや書法に潜む発火点を鋭敏にすくい取り、大胆に響きに映す。その即発のスリルは、ベートーヴェンの2楽章で不意討ちのように結実する。