制作・出演 : ホルスト
久々の共演となった佐渡裕&N響の“東京の夏”音楽祭2005でのライヴ録音。鮮やかで生き生きとした「惑星」だ。ブラスでの経験が豊かな佐渡らしい豪快な表現も聴ける。そして、佐渡が、勢いばかりではなく、内容のある演奏を引き出している。
「木星」の旋律がポップスに使われヒットして一層有名になった「惑星」の全曲版。占星術に凝っていたホルストの代表作。小澤の明晰にして情熱的な演奏が、宇宙を描くに相応しいスケール感をもたらしている。
知る人ぞ知る合唱のメッカ、エストニアが世に問うたグループ。彼女たちは、“少年少女合唱”独特な幼さを脱して、充実した響きと音楽を持つ時期の“ガールズ・クワイア”。もちろんそのクリアな響きは一級品。前半の聖歌と、後半のハジケっぷりの対比が楽しい。
ヴィブラートを抑えた響き(それもソロのように編成が薄くなった時に特に効果が大きい)や、マルカートとレガートを巧みにすり替え(?)たり、リズムを際立たせたりする等、随所にアイディアを満載したノリントンの面目躍如たる演奏。「木星」には過剰なる壮大さを期待せぬよう。
イギリス民謡風のあのメロディになんとも言われぬ情感を感じる人なら、もう、たっぷりイケます。これでもかって具合に聴かされちゃうのに、後味がすっきりなのはナゼでしょう。メロディの深さに加えて、どの演奏も甘さを抑えて上品に仕上がっているからです。
4枚組100曲入り企画、1年ぶりの第2弾。1枚ごとのテーマはまったく同じで、曲だけ全取っ替え(ダブリなし)という企画は斬新かも。なので、対象ユーザーは前作を買った人、および気になっていて買い損ねた人。“流しっぱなし用CD”として内容面でお買い得。
フル・オーケストラのどっしりとした響きこそ望めないが、多彩な打楽器がきびきびとリズムを刻みだし、マリンバ、ヴィブラフォンがメロディを奏で、きらきらと輝くように響きわたる「惑星」が耳に心地よい。打楽器ファン以外にもお薦めしたい一枚だ。★