制作・出演 : マーラー
オリジナルのアナログ3chマスターからDSDリマスタリングされ、SA-CDハイブリッド盤として登場したバーンスタインのマーラー全集。マルチトラック・パートでは、リアchは使わずにフロント3chを再現しているようで、オーケストラの鮮明度向上に大きく貢献している。そのぶん、合唱付き作品では、コーラスが少しくすんで聴こえる傾向を感じるかもしれない。それにしても、高揚した息づかいを常に感じさせる演奏の生命感はいまだに圧倒的で、「千人の交響曲」のような作品での引きこまれ感は無類だ。
マーラーの初の全集で、バーンスタインにとっても初のマーラー交響曲全集だった。中でもこの第2番は全集中の白眉ともいうべき一枚で、巧みで鮮やかな演奏が繰り広げられている。
若きバーンスタインのマーラー全集は、この第4番から始まった。バーンスタイン42歳のみずみずしい抒情性とロマンティシズムにあふれている。ソロを受け持つレリ・グリストの可憐な歌唱も好ましい。
アダージェット楽章が有名だが、こういう楽章でのバーンスタインの万感のこもった歌わせ方やフィナーレでの盛り上げ方は、比肩するもののない魅力を持っている。聴くに値する一枚だ。
制作・出演
ジョン・ウェアー / ジョン・コリリアーノ / スコラ・カントルム女声合唱団 / トランスフィギュレーション教会少年合唱団 / ニューヨーク・フィルハーモニック / ヒュー・ロス / マーサ・リプトン / マーラー / レナード・バーンスタイン気宇壮大という形容がふさわしい演奏が堪能できる。壮年期のバーンスタインの意気込みと、それに応えているオーケストラとの一体感、そして声楽陣の充実ぶりも素晴らしい仕上がりだ。
バーンスタインの泣かせ方のうまさを味わえる一枚とでも言えようか。第9番は後年ベルリン・フィルとの名演が残されているが、壮年期に録音された本作もストレートに思いが伝わってくる捨てがたい演奏だ。
制作・出演
アンナ・レイノルズ / エルナ・スポーレンベルク / ギネス・ジョーンズ / ゲニス・アンニアー / ジョン・ミッチンソン / ノーマ・プロクター / マーラー / レナード・バーンスタイン / ロンドン交響楽団バーンスタイン壮年期の熱気と勢いがほとばしった演奏が楽しめる一枚。長大にして巨大な作品を、いささか強引ともいえる推進力で押しまくっており、その魅力を独自の視点から伝えている。
未完に終わった第10番からの「アダージョ」での、たっぷりとしたうたわせ方が、バーンスタインの魅力。「亡き子をしのぶ歌」でも感情移入が感動的で、イスラエル・フィル、歌手のベイカーともども名演を繰り広げている。
この「大地の歌」は2度目の録音。最初のウィーン・フィル盤にも負けない、オーケストラの魅力が醸し出されており、2人の歌手の質の高さ、バランスの良さも秀逸。何より、バーンスタインの情熱が感動的だ。
バーンスタイン自身が持つ通俗性と聖性とが、マーラーのそれと見事に合致し、同時にマーラーの持っていたユダヤ人としての屈折した精神をも体現している。若きバーンスタインの魅力にあふれた一枚だ。
制作・出演
ハインツ・レーグナー / ハラルド・ヴィンクラー / ベルリン放送交響楽団 / ベルリン放送女声合唱団 / ベルリン放送少年少女合唱団 / マーラー / ラトヴィガ・ラッペ / ルートヴィヒ・ギュトラー発売元
キングレコード株式会社レーグナーの個性が光る演奏として、ブルックナー以上にファンの間では話題となった一枚。ロマンティックに過ぎず、誠実な取り組みをしているが、端々にレーグナー独特の音楽作りが光っている。
発売元
キングレコード株式会社発売当初から評価の非常に高かったアルバム。楽譜の改編、主情的演奏にもかかわらずマーラーの本質をはずさないケーゲルの慧眼は素晴らしい。ライプツィヒ放響の合奏も含め、一聴に値する演奏だ。
「大地の歌」に続く、2枚目となるマーラーの交響曲。ほとんどマーラーを録音していなかっただけに、当時非常に注目された。遅めのテンポでじっくりと取り組み、壮大な世界を構築している。