制作・出演 : マーラー
ベルリン・フィルとのマーラー・シリーズからの1枚。交響曲第4番はアバド2度目の録音となる。円熟期のアバドの新鮮な感覚にあふれた名演。ベルク初期の歌曲集でのフレミングの歌唱も絶品だ。
英雄の死と復活をテーマに、聖と俗が渾然一体となった大曲を、ブーレーズが精緻なスコア・リーディングと、絶妙なオーケストラ・コントロールで余すところなく描き切っている。マーラー演奏史に残る一枚だ。
カラダで聴くマーラー。移り行く響きの表情を彫琢して濃厚な物語世界に引き込むのではなく、旋律やリズムのかたちが働きかけてくるモノにストレートに反応したエモーショナルな熱演である。彩りはモノクロに近いが、情にまとわらないフィジカルな快感がある。
20世紀を代表する指揮者、ショルティが亡くなって2007年で10年。これは97年に行なわれた巨匠のラスト・コンサートのライヴ。音楽の骨格はいつものショルティなのだが、とにかく音色が生々しい。オケの感情移入が尋常ではない。とても平常心では聴いていられない。
制作・出演
アルフォンス・フォン・アールブルク / ジンマン / スイス児童合唱団 / スイス室内合唱団 / チューリヒ・トーンハレ管 / デイヴィッド・ジンマン / ビルギット・レンメルト / フリッツ・ネーフ / マーラーツィクルスも第3弾であること、そして内容が自然賛歌であることもあってか、今作はジンマンらしい良さが十分に発揮されていると思う。特に後半部分の清潔で見通しの良い響きはたいへんに心地よい。特にマルチで再生するとその効果が倍加されるかも。
大幅な音質の改善を図った好評のシリーズの1枚で、ケーゲルの極めて個性的なマーラーが評判を呼んだ録音。ドライで厳しい面とロマンティックな面とが混在する、マーラー・ファン必聴の一枚だ。
ザンデルリンクの3種あるマーラーの第9番のうち、最も早い録音。マーラーの作り上げた世界観が、忠実にしかし確固とした信念に基づいて再構築されている。マーラーのもうひとつの姿が浮かび上がってくる演奏だ。
意外にも希少なバレンボイムのマーラー録音。ダイナミクスと色彩表現の緻密さに加えて、音楽としての本質を見誤るほどの言語情報の氾濫を指摘していたバレンボイムの、作品への共感の密度がどのように表現されるかが聴きどころ。混沌と静謐の調和が美しい。
分析的な演奏でありながら音楽全体が自然に流れる中で、80分余りの充実の時間を過ごす。薄いと感じてしまうほどに引き締まって贅肉の削ぎ落とされた響きの中で、演奏者個々とその集合の存在がヴィヴィッドに浮上するさまが、DSD録音で鮮烈に捉えられている。★
発売元
キングレコード株式会社スウィトナーの非ユダヤ的マーラー。表情の付け方やテンポ設定などはオーソドックスだが、オーケストラの特長を活かしながら、マーラーがスコアに記した響きをきわめて美しく引き出している。
シカゴ響との交響曲全集の一枚で、ショルティによる2度目の録音。マーラーが第2番に託したさまざまな思いや哲学はスパッと切り捨て、音符を唯一の足がかりとして純粋音響美を追究した、ショルティならではの名演だ。
純器楽交響曲シリーズの第1弾。第1楽章が葬送行進曲というユニークな作りだが、ショルティはそうした文学的な誘惑を避けている。冒頭のホルンから最後の1音まで、シカゴ響の演奏能力の高さに圧倒される作品。
制作・出演
アーリーン・オジェー / ウィーン国立歌劇場合唱団 / ウィーン少年合唱団 / ウィーン楽友協会合唱団 / サー・ゲオルグ・ショルティ / シカゴ交響楽団 / ヘザー・ハーパー / マーラー / ルチア・ポップ制作・出演
アムステルダム聖ウィリブロード教会少年合唱団 / オランダ放送合唱団 / オランダ放送女声合唱団 / ノーマ・プロクター / ヘザー・ハーパー / ベルナルト・ハイティンク / マーラー / モーリン・フォレスター / ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団ジンマンの新プロジェクトがスタートした。レーベルもメインのRCAに移り、旧デッカ・チームの音質も生きるSA-CDハイブリッド盤でのリリース。オケの楽器配置から微細なフレージングまでが克明に聴き取れていて、憂愁の音楽の流れを阻害することがない。