制作・出演 : 及川浩治
日本を代表する世界的アーティストの名盤がごっそり集結! まさに究極! 邦人演奏家・オーケストラを主体とした“ベスト100”シリーズ。本作は、及川浩治(ピアノ)の演奏による、 リスト「愛の夢 第3番」他を収録したアルバム(2005年録音)。 <収録内容> 01. エレジー(悲歌) 02. 前奏曲≪鐘≫ 03. ハンガリー狂詩曲第2番 04. 愛の夢第3番 05. ラ・カンパネラ 06. セレナード 07. アヴェ・マリア 08. 魔王 09. トロイメライ 10. 献呈(君に捧ぐ) 11. ヘ調のメロディ 12. イゾルデの愛の死~≪トリスタンとイゾルデ≫より
及川浩治も中堅世代に入ったが、ソロに室内楽に協奏曲にと相変わらず旺盛な活動を続けている。彼のエイベックス第5弾は、2006年のアルバムに続くショパン集。音色は淡彩系だがルバートの幅は大きく、ここぞというところでたっぷりと間をとったダイナミックな演奏。
渾身の力演とはこのことを言うのだろう。とにかくピアニストがたくさんの音を弾くのが嬉しくてしょうがない、といった様子がよく伝わってくる。以前のように単に汗だくという域も脱している。オーケストラも好演。いっそう自由ですさまじいのはソナタの方か。
何か風格すら漂う。余裕としっかりした信念を感じさせる演奏である。ポピュラーな3曲だが、及川の成熟した表現とこなれた解釈が隅々まで行き渡った印象。「ワルトシュタイン」がよくまとまっている。「熱情」などひとつひとつの楽想が吟味され説得力がある。
及川浩治の新録音はショパン・ベスト・アルバム。ショパンならまずこれ、という作品がビッシリと並んでいる。エチュードにおけるワザの冴えもさることながら、美しく研ぎ澄まされた音によるノクターンが聴きもの。リリカルなのにベタベタしないのもいい。
どちらかと言えば技巧的なショウ・ピースをちりばめたこのアルバムだが、そこから浮かび上がるのは、単なる技巧派ピアニストの姿ではなかった。豊かで柔らかなロマン性が、大仰さや俗悪な耽溺臭なく示されており、随所に新鮮な美しさを味わうことができる。
制作・出演
アーサー・グリーン / イリーナ・メジューエワ / ウラジーミル・トロップ / シューベルト / ジョン・オコーナー / ミシェル・ダルベルト / ミシェル・ベロフ / 及川浩治 / 田部京子発売元
日本コロムビア株式会社高度なテクニックが要求されるリストの作品において、その奥に潜むロマンティシズムまでをも体現しようという高い志で取り組んだ及川浩治の新盤。その心意気が伝わってくるような出来映えだが、個人的にはもっと大胆で濃厚でもよかった気がする。
最近ますます人気の高まっているピアニスト、及川浩治がエンニオ・モリコーネやニーノ・ロータなどイタリア映画音楽界の巨匠たちの美しい音楽を録音。及川のDENON移籍第1弾にあたる。
若手男性ピアニストのなかでは特に期待されている及川浩治がベートーヴェンの「月光」「テンペスト」「熱情」の3つのソナタで情熱的な演奏を披露。「エリーゼのために」も収録されている。
及川浩治の第2弾はラフマニノフ。愛奏しているというソナタ第2番(オリジナル版と改訂版を折衷)に始まり、前奏曲や練習曲などが続き「ヴォカリーズ」で終わるというコンサート風の構成。深い思い入れが伝わる演奏だが、強音の割れなどは多少気になる。