制作・出演 : 友部正人
夕日は昇る夕日は昇る
日常性へ埋没しきり“忙しさ”によって充足されている人々には、相当にうっとうしい歌だろう。ヴォーカリストとしては稚拙だが、だからこそ説得力を持つフォーク・ソングの伝統を再現している。
遠い国の日時計遠い国の日時計
通算14枚目。ほとんどの曲でグルーヴァーズの3人とロケット・マツのキーボードが好サポートしていて、友部の歌に息を吹き込んでいる。また(7)ではBOOMがサポート。(12)はシングルからのボーナス・トラックで、もちろんプレスリーのカヴァーだ。
ライオンのいる場所ライオンのいる場所
通算12枚目になるが、相変わらず、彼が見つけてくる言葉は自由自在に“世界”をつくり、壊し、聴き手の心を混乱させ安心させる。内側へ内側へと切り込んでいくことで、ついに、無限の広さの世界を得ることができたのだ、そこで、彼は永遠のホーボーとしてうたう。
ポカラポカラ
ジャパン移籍第1弾の1983年の名作。ハードな言葉が危うい空気につつまれて風格さえ漂わせている。プロデュースは伊藤銀次。彼の仕事の中でも屈指の作品ということになるだろう。情緒に流されずいたずらにシニカルではない。冷徹な覚悟があるから強い。