制作・出演 : 笹久保伸
ペルーにてアンデス音楽を研究し、秩父にて「秩父前衛派」を名乗る笹久保伸と、イギリスを拠点とする作曲家、藤倉大によるアルバム。 笹久保がギターのサンプルをデータでロンドンの藤倉に送り、それにエレクトロニクス処理を藤倉が加えてまた笹久保に戻すという作業を繰り返して完成。 ペルー語で「未知のもの」という意味のアルバム・タイトルを持つ作品。 <収録内容> 1. Manayachana (未知のもの) 2. Tuta Wayra (夜の空気) 3. Rumi (石) 4. Puyu (雲) 5. Tinkay (捧げもの) 6. Anqas (青) 7. Paseo Alpaca (アルパカ散歩) 8. Wawa (娘) 9. Wayta(花)
クラシック・ギター、ペルー・ギターをマスターした異才! 笹久保伸の驚異の音世界、日本初デビュー盤の登場! 2004年ー2007年単身ペルーへ渡り音楽研究および演奏活動を経て、唯一無二の世界観を確立した日本人ギタリスト、笹久保伸の2009年リリースの比較的コンテンポラリー、現代音楽寄りな2010年最新アルバム。 幼少の頃より南米音楽、クラシックギターを学び、国内のコンクール受賞歴も多数受賞した笹久保氏ならではのアプローチと言えそうです。 クラシックの繊細で、強弱を引き出したテクニカルなギター奏法と、ラウル・ガルシアなどペルー・ギターの巨匠から伝授されたと思しきアンデス伝統の哀愁メロディー、さらに日本人でしか表現し得ないであろう童謡風のメロディーもチラチラと顔を覗かせます。 本作も「ギター、クラシック、コンテンポラリー」と副題がつくようにインプロ的、芸術的な展開がそこかしこに用意されています。 自作曲の他、日本人ピアニスト/作曲家である高橋悠治がリュートの歴史的巨匠ジョン・ダウランドにオマージュした曲(M7)、芥川竜之介やジョン・ケージに捧げた曲(M6、M9)、また弦楽4重奏のための曲、インディヘナのウアチョコルパのメロディーをベースに作られた組曲(M10、M11、M12)など、非常に格調高い作品に仕上がっています。
並外れた知性と耳とウデで作曲演奏両面に亘って独自の活動を続ける高橋悠治の音楽を60年代から今日まで俯瞰して辿る。美を均整に置かず豊かさを量に委ねず、アジアに学び、古代に遡り、手や感性を既成の価値から解放する多様な企て。耳柔らかくして聴くべし。★