制作・出演 : J.S.バッハ
ハープがフィーチャーされた曲を聴いていると、心休まるものだ。そんな感想を率直に言えるアルバム。オンヤ・ミノーグ、マリア・グラーフらの奏でるハープはそれぞれに個性があり、ハープの美しい音色を届けてくれる。小沼純一氏のエッセイも興味深い。
生涯ドイツを出ることがなかったバッハが絢爛なイタリア音楽文化(&ヴィヴァルディ作品)との交流のなかで紡ぎだした作品の数々。ヴァイオリン協奏曲をチェンバロ独奏曲に置き換えたこれらの作品に続けて「イタリア協奏曲」を聴くとまさに目からウロコ。
グールドの演奏を用いた3つの映画(『スローターハウス5』『戦争』『グレン・グールドをめぐる32章』)で使った曲を集めたコンピレーション・アルバム。晩年のグールドがサントラ制作に関わった『戦争』という映画を見てみたくなった。
ひとつの規範、スタイルが確立されたものに、別の規範を提示することほどむずかしい作業はないが、ビルスマはそれをバロック・チェロを使ってなしとげた。バロック時代の組曲の意味を改めてわれわれに意識させる、一つの歴史的名盤だ。
「組曲ホ長調」「組曲ハ短調」はレオンハルト自身がチェンバロ用に編曲したもので、もともとは前者は無伴奏チェロ組曲、後者はリュート組曲(その前身はやはり無伴奏チェロ組曲)。豊かな対位法でとても面白い。他も名曲揃いの名演奏。
わざとらしい飾り気の少ない、温厚かつ円やかな味が特徴的なフランス組曲であり、各組曲の流れも良い演奏。パスカル・タスカン製作の楽器をモデルにしたチェンバロが使用されているが、レオンハルトはその音色の美しさを演奏によく反映させている。
レオンハルトによる名盤のCD化だが、曲の生まれた時代の様式にたちかえって演奏するという彼の主張…でも、この演奏の魅力は、彼のエネルギッシュなまでの奔放さではないか。いま聴き直して驚くのは録音の生々しさ。アナログ録音の究極といえよう。
75年に録音された、ブリュッヘンとレオンハルト等によるバッハのフラウト・トラヴェルソのための作品集の復刻盤。オリジナル楽器による演奏としては、すでに定番の部類に入る録音だが、今聴いても十分に刺激的なその「響き」に圧倒される。
バロックから近代までの幻想曲ばかりを集めたユニークな構成。冒頭のバッハから強い個性があふれ出ていて印象づけられた。緩急強弱の対比の個性的な取り方、テンポやアクセント、間の取り具合なども見事で、文字どおりファンタスティックな演奏になっている。★