ジャンル : クラシック > 声楽曲
20世紀初頭、ドイツで才能を開花させながら地歩を築く前に30にも届かぬ若さで夭逝した貴志の音楽は、新旧東西さまざまな要素が未だ渾然と混淆する。その貌の多彩さ得体の知れなさに大きな可能性を孕んで遺す。「仏陀」はまさに茫洋魁偉。“無国籍”の大作である。
世界中から愛された20世紀後半を代表するテノール、パヴァロッティのベスト盤。極めつけのオペラ・アリアとイタリア民謡を9曲ずつ収録。これぞ“ベル・カント”という輝かしい声が堪能できる。
制作・出演
アントン・ガダーニョ / アンドレア・グリミネッリ / カプーロ / ジャンカルロ・キアラメッロ / ディ・カプア / ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団 / ボローニャ歌劇場合唱団 / ボローニャ歌劇場管弦楽団他 / ルチアーノ・パヴァロッティ / レオーネ・マジエラ常に刺激的な取り組みで充実した作品を提供してきた、バルトリのイタリア古典歌曲集。作品の様式感をしっかりと踏まえた表現力豊かな美声によって、ベル・カントの極致といえる歌唱を聴かせている。
最高の音で楽しむために!
名ソプラノ、フレミングの初のリート・アルバム。メトの看板プリマとなり、まさに上り調子の時の録音だ。シューベルトの世界を持ち前の美声で清冽に歌い上げており、エッシェンバッハの的確な伴奏も素晴らしい。
制作・出演
アンドレア・ボチェッリ / イルデブランド・ダルカンジェロ / オリガ・ボロディナ / キーロフ歌劇場合唱団 / キーロフ歌劇場管弦楽団 / ルネ・フレミング / ワレリー・ゲルギエフ / ヴェルディ最高の音で楽しむために!
シューベルト「野ばら」などの歌曲の有名曲と「庭の千草」などのヨーロッパ民謡とを中心に集めたアルバム。演奏はソロと合唱からなり、伴奏はピアノ、オーケストラ、無伴奏とさまざま。なじみ深い楽曲集だ。
歌謡曲からイタリア歌曲までのレパートリーを、格調の高さと通俗的な歌心のバランスが支えて見事。還暦を越えたバス・バリトンの歌声は、ジャンルは異なれど、上條恒彦の滋味深い歌と一脈通ずるところがある。自作の「元気音頭」は、このアルバムの心そのものの曲だ。
我が国の誇るプリマドンナ・佐藤しのぶが満を持して録音した愛唱歌集。家族みんなで楽しめる素敵なCDに仕上がった。注目したいのがイタリア版『みんなのうた』とも言うべきゼッキーノドーロの2曲。「小さなコーヒー豆ちゃん」で歌姫の新たな魅力に触れてほしい。
制作・出演
アドリアン・ザンペトレアン / イルデブランド・ダルカンジェロ / エカテリーナ・シウリーナ / エリーナ・ガランチャ / ドニゼッティ / フェリーチェ・ロマーニ / ボローニャ市立歌劇場合唱団 / ボローニャ市立歌劇場管弦楽団 / マシュー・ポレンザーニ / ロベルト・アバド“ヴェルヴェット・ヴォイス”と形容されるガランチャの美声は、すべての音域・表現域において安定した美質を保ちながら強靭な表現力で聴き手に迫る。全曲も発売された「カプレーティ」では指揮表現の違いも歌い分け、優美と情念の危うい平衡感覚に酔わされる。★
このシューベルトの最後の作品をもって、彼のシューベルト録音も一段落だろうか。低音でも艶を失わない美声によって歌われてきたシューベルト歌曲の数々は、どれもが後世に伝えたいもの。今回もドラマティックに歌い上げることで陰影の深い世界を作り上げていて見事だ。