発売元 : ビクターエンタテインメント株式会社
これまでポップ・ジャズ・ヴォーカル的な作品をつくってきたが、今回完全にポップ・オリエンテッド。YUTAKAとマイケル・シャピロ共同プロデュース。作詞作曲は大半ケヴィン。ポップの文脈に自分らしさをうまくだしている。日常をみつめる目が温かい。
昨年の録音を中心に未発表曲とリミックス曲で構成。(1)にはBUCK-TICKの櫻井敦司(vo)と今井寿(g)が参加している。大仰な曲と物騒な歌詞で演者となる姿は健全だが、ビートはけっこうデジ・ロックっぽい。プロディジーのファンには曇りすぎなのかな。
クラシックのサックスの音って、なんか“おぼっちゃま”って感じ。でもどこかアブナイところがあってステキ。それでフランスの曲なんてやられると、音がヌルって身体に溶け込んできて、あ、うそ、なーんて。4人のおじさまたち、かっこいいけどマジすぎ。
素晴らしいオリジナルな声を持つがゆえに、ピタッとハマるサウンド探しにイメージ・チェンジを繰り返してきた彼女。ここではゆったりしたソウル風味のクラブ・サウンドに身を任せ、声を素材として使う気持ち良さを追求してる。久々の秀作でしょう。
早くも彼らのマキシ・シングル。同期ものをうまく活かしたサウンドは健在なうえ、フレットレス・ベースを強調した(2)など、またしても不思議な世界を生み出している。前作ほど奇抜さは感じられないものの、おしゃれデス。
ショパンは即興的味わいに富むはつらつとした演奏で、すごい迫力。ラフマニノフも空間に放たれる音にリヒテル特有の存在感を感じる。スクリャービンは92年に録音。神秘的な和音と濃厚なテクスチュアをもつ。予想していたよりこってり感はない。
伊福部と芥川が師弟関係にあったことを考慮して聴くと、芥川が伊福部からどのような影響を受け、その上で自らの語法をどう構築していったかが分かるように思える。日本の現代歌曲も面白いものだと、この1枚を聴いて認識を新たにした。
石桁真礼生の歌曲をスペシャリストの瀬山詠子が歌う。少しややこしくて作曲の手がちらほら見えてしまいがちな石桁の曲を、この人は知的な処理でこなし、とても深みのある表現を見せる。歌曲はほかのものに増して演奏者の存在抜きには語れないものだ。
あの畑中良輔や立川清澄の名唱が聴ける。正確な発音はもとより、詩(言葉)の踏み込んだ解釈と表現には目をみはらせるものがある。特に立川の歌唱には、真に迫る情動が感じとれる。彼ら以上の逸材を今日発見できないのは何ともさびしい。必聴の1枚。
高田三郎の50〜60年代の歌曲集。順に聴いて行くとこの人の音楽にはわざとらしい作意や効果を狙うあざとさがないのに気づく。“日本歌曲”というとチョット……という必要がない。作曲者の音楽が自然に流れたから歌い手もごく自然に歌ってそれで十分。