発売元 : 株式会社アブソードミュージックジャパン
ズート・シムズとアル・コーンのダブル・テナーでおくる1965年のレコーディング。「ハーフノート・ライヴ」としては、フィル・ウッズやポール・モチアンの参加した1959年作が有名だが、それとは別物。
ウエスト・コースト系のバピッシュなピアニストが、70年代から再度レコーディングに積極的になり吹き込んだ音源のひとつ。ブルースありモード系ありと飽きのこない作風に仕上がったピアノ・トリオ盤。
トリスターノ派の二人が79年にサル・モスカのスタジオで録音したピアノとサックスのデュエット。後半2曲は77年のカルテットでのライヴ演奏となっている。ピアニストであるモスカの作品は非常に少なく、これは貴重なものと言えるだろう。トリスターノ門下の高弟、マーシュの演奏は「バックグラウンド・ミュージック」のオリジナルが快調でノリが良い。
名手三人による79年の作品。冒頭のチック・コリアの名曲でこのトリオの名人芸とも言うべき見事なプレイがスタート。ウィリアムソンのピアノは耽美的で誠に美しい。彼はもともとクラシックの素養があるわけで“白いパウエル”と呼ばれたころとはかなり味が違うようだ。乗りのよい演奏が気持ちよく楽しめる。
ウエストコースト派を代表するサックス奏者の86年のインティメットなライヴ録音。アラン・ブロードベントのピアノ・トリオをバックに、モンクやコルトレーンの名曲を優雅に演奏。コンテンポラリーなテイストを交えたサウンドに、味わい深いテナーがよく映える。
アニタ・オデイとの共演でも知られた、ウエストコーストのピアノの名手率いるトリオの1954年録音。ヴァーノン・デュークやエリントンらのスタンダードを中心にした選曲で、軽快なリズムに乗ったトリオ演奏は楽しく、きらびやかなピアノの表情がチャーミング。バラード曲でも、その演奏の持ち味は不変だ。
このアルバムは欧州のストーリーヴィルと日本のインタープレイから出たが、収録曲が異なっていた。それを1枚にまとめた。中国系ピアニスト、東欧のベーシスト、日系ドラマーという国際色豊かなカルテットで、晩年のウォーン・マーシュが力を振り絞った熱演を繰り広げる。
女性ピアニストのセシリア・コールマンと新進女性歌手ゲイル・アレンの双頭リーダー作。曲によってヒューストン・パーソンらのホーンが加わるコンボ感覚のヴォーカル作品。すっきりしたアレンジとソウルフルな歌声が印象的。セシリア&ゲイルのオリジナルも魅力的。
ビショップといえば幻の名盤『スピーク・ロウ』で知られるピアニスト。日本では根強い人気を誇っている。その彼が87年の来日時に残したライヴ・アルバム。ビ・バップの香りを湛えたタッチは力強く淀みがない。モダンな響きも聴かせる良盤だ。
幻のピアノの名手が残した94年録音のLPに3曲の未発表を追加してCD化。バート・エッコフは1940年アメリカ生まれ。アル・ヘイグ本人が代役を依頼するほどの名手だがほとんど無名だった。トリオとソロ録音が半々。ヘイグと哀愁のジャズ・ピアノが好きな人におすすめ。
米国西海岸で活躍するダグのアルバム。フルアコのノーマル・トーンで醸すサウンドは正統派のジャズ・ギター・スタイルで、「イッツ・ア・ブルー・ワールド」冒頭や「マイ・アイデアル」などで聴かせるソロ・ギターの端正な味わいはファンには堪えられないだろう。コード・ワークもアドリブも完成度の高い、本格ギター・トリオ作品。
西海岸のベテラン、フランク・ストラゼリが日本のジャズ・レーベルへ録音したバド・パウエル集。パウエルはストラゼリが敬愛してやまないピアニストだ。大半の曲はパウエルが全盛期に作曲したもの。どこか晩年のパウエルを思わせる枯れた演奏が興味深い。
モンクの「ラウンド・ミッドナイト」やシルヴァーの「ソング・フォー・マイ・ファーザー」など、あえてピアニストの曲を積極的に取り上げているのが面白い。端正でスウィンギーにアレンジして演奏。随所に差し込まれたオクターブ奏法が耳を引き、演奏を印象深くしている。
隠れた名ピアニスト、ライトが94年、32年ぶりに残したリーダー作。かつてのゴスペル・ライクなブルース・フィーリングが健在なのは嬉しい。時空を超えて彼がぼくたちの前に戻ってきた。相変わらずの軽やかなブルース・フィーリングが見事だ。
83年録音だが、発売はこれが初めて。4曲中2曲はピアノ・トリオにヴァイオリンとチェロを加えたクインテットによるスピリチュアルな演奏。フリーまではいかないが、やや前衛的なアプローチ。タプスコットは西海岸で独自の活動を続ける鬼才。個性の強い演奏だ。
LAで活躍するギタリスト、ダグ・マクドナルドが彼の地元ハワイのプレイヤーと共演した81年の作品。オリジナル6曲含めて、いずれも親しみやすいメロディでノリも良い。特筆すべきは「ポルカ・ドッツ・アンド・ムーンビームス」か。ビル・エヴァンスのレパートリーとしても有名だが、ここでの彼の美しいプレイも強く心に残るものがある。
人気アルバムなのに長年廃盤だったという。オリジナルに4曲を加え、ヴァン・ゲルダーがリマスタリングした好盤。彼女のピアノは気負わずやさしく丁寧、とても気持ちのよい寛いだ演奏だ。特にクインテットによるプレイは自然でケレン味がない。リラクゼーションが横溢した良い作品であった。★