発売元 : 株式会社ミディ
ザ・ハッピーズの中村ジョーがスタートしたパーソナル・ユニット、ジョーイのファースト・マキシ。ここ数年の渋谷〜クラブ系サウンド感覚をにじませながらも、直球でストレートなロックの表題曲と、杉浦英治とのコラボレート作「ウィークエンド」ほかを収録。
ポップス大好き! って感じの若者バンド、ロッキーチャックのデビュー・アルバム。まず、中心人物、山下太郎のヴォーカルがピリッとしてないんだよな。バンド名ともども、全体に漂うドリーミーでほのぼのしたノリにおしりがむずむず……。
ただ黙々と自らの世界を貫いているように見えて、実はその時代時代に合わせて大きく変わり続けようとする歌い手、友部正人の新作。山川ノリオらとともに描かれるその世界はこれまで以上に幅を広げ、自らの音楽をさらに奥深いものへとしていく。まさに貫禄の一枚。
9月にファーストをリリース、おいしい水が湧くように歌があふれ出ているのでしょうか、着々と新曲を発表してらっしゃる。今回はマレー語詞はなく全編美しきゆかしき日本語。しばし耳を傾けては心を飛ばし遊ばすひととき。歌らしい歌を久しぶりに聴いた気がした。
本格的日本人ラテン・シンガー、黄金井治のアルバム。オリジナル曲とラテン・ナンバーのカヴァー曲を収録しているが、スペイン語の歌詞も見事に歌い上げている。スパニッシュ〜フラメンコ・ギターの情熱的な演奏もすばらしい。
三部作的マキシ・シングルの2枚目。メンバー5人以外に“森のオーケストラ”と称するストリングスとホーンが参加。が、音の印象は厚くてハデというものではなく、わりと素朴でシンプル。詞・曲・ヴォーカルも、普段着的で気取りがないポップス。
いきなりカントリー・ロック&リトルフィート調のスライドでおじさん大喜びって感じのバブルバスのセカンド。70年代っぽい骨太感が彼らの最大の武器だと思うが、弱点は地味すぎるところだろう。いたずらにハデになっても困るが、多少は弾けてほしい気も。
インドネシア語(?)を操るミディの新人女性シンガー・ソングライター。東南アジアの大自然にたとえられた詞が多いが、突然エステの歌があったりするなど、世界観が大貫妙子風。ギターに窪田晴男、ベースにバカボン鈴木ほか、アレンジに矢野誠などが参加。
5枚目の待望のフル・アルバム。10分以上もある大作(15)のような曲をはじめとして、随所に新しい試みがなされた意欲作だ。ビーチ・ボーイスやビートルズの内面にある病んだ部分と共通するものまで感じさせてしまう。これまでのファンがどう受けとめるか興味深い。
今年はウエス・モンゴメリー没後30年。そのことと徳永のこの第2作と深い関係はないが、ただし、彼の“親指弾き”はウエスの技巧に倣ったもの。これが暖かく良い音を出す。オルガンをバックに歌い上げる立体感あふれるメロディに、急成長振りが聴ける。★
この方は新人さんなのでしょうか、風のような透明感をたたえた高い歌声が美しいシンガー・ソングライター。アコースティックのバッキングと一体に、素朴ながら高潔な雰囲気を紡ぎ出す。(4)では、歌詞はマレー語で旋律はハワイアン、なんて面白いことも。
こんな風に、頼りなく素朴で毒のない、しかし耳に残る男性ヴォーカルはいそうでいない。彼が歌わなかったら、のっぺりと流れてしまいそうな素直なメロディも、とりあえずソフト・ロック風にアレンジしてあるが、まだ色々できるはず。原石の輝き。
タイトル曲を含む3曲入りのマキシ・シングルで、(1)以外の2曲も(1)同様に春っぽいふんわりとした作品。男女のツイン・ヴォーカルで、(1)は女性が(2)は男性がリードを取り、(3)は主に男性がリードだがデュエット的なニュアンスもあり。ソフトなポップス。
3ピースR&Rバンドという編成ならではの単純明快に乗れる骨太さと、バンド名からも彷彿できるような揺らめく浮遊感、その両方を併せ持ったスタイルがいい。メーターの振り切り方も大胆。余計なもんを何ひとつ入れないとこも技と熟練を感じさせる。