発売元 : 株式会社ミディ
日記とも雑文とも小説とも言えぬ、覚え書きに似た一遍の小さくて重要な物語を歌にする、彼らにはそんなイメージがある。ほのぼのと爽やかで、ちょっとストレンジで、強烈じゃないけど突き上げてくるものが確かにある、一種独特の感覚。気持ちいいです。
ノン・ジャンルの95年“ミュージック・コンテストIN浜松”で浜松市民賞を受賞したコンポーザー、ピアニストの村松崇継のデビュー作。心象風景を、18歳ならではの指の動きの柔らかさでピアノを弾きまくる。若さゆえの清々しさ、無邪気さが横溢している。
彼らはギター・ポップ・バンドと括られるかもしれないし、確かに洒落てる。だけどどこか壊れてたりぎこちなかったりしてて、そのはみ出し方がとても好き。今作は「恋する爆発が未来を産み落とす」という泣かせるフレーズのある(9)がとびきり素敵ですね。
昨年、『ダウン・ビート』誌の学生部門最優秀ソリスト賞を受賞した在米ギタリストのデビュー作。確かなテクニックに裏打ちされたオーソドックスなプレイが彼の身上。そのプレイは豊かな音楽性を感じさせ、すでに米国のシーンで活躍中であることも納得。
これは音の教典だ。空に輝くのは薄明かりを照らしだす満月。僕は縁側で夜空を眺めながら、悠久の世界へと想いを馳せる。時折聞こえる鈴の音は、幽玄な世界と現世を繋ぐ一本の道筋。魂を浄化し清めを与えるのが教典なら、これぞまさしく音の教典なり。★
一部作詞やヴォーカルの節回しに、はっぴいえんど時代の大滝詠一の淡ーい残像が。とはいえ90年代を生きるこの人たちのほうが、はるかにあてどなくて、可憐。いいメロディを書けそうな可能性は感じるので、あまりオタク的な演奏は避けたほうが得では。
鴨川つばめのイラストがインパクト強し、松江潤のセカンド。バッファロー・ドーターの姉御リズム隊を従え、ゴリゴリ重いローファイ・サウンドを展開。少年の面影色濃いヴォーカル、ポップなメロディとのミスマッチ感覚がいまふうだ。