発売元 : 株式会社ミディ
日本のフォーク黎明期から歌を始めていたSSWの4作目。彼の歌には、どこかに向かう“途上”に自分がいるというテーマが一貫して込められているように感じてきた。安易な結論が導き出されることはない。やや寡黙な歌詞とメロディだが、ふくらみは大きく深い。
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株式会社ミディ86年に発表されたテクノ・ポップ・ユニットのアルバムが初CD化。透明感のある女性ヴォーカルをフィーチャーし、過激な歌詞と上質なエレ・ポップを聴かせる。坂本龍一ほか大物が多数参加。
ハッピーズのヴォーカルだった人ですよね。初ソロは、サイケデリック丸出しの重いブルース・ロック。こういうバンド絶対に70年代にいたよな、と斜に構えてたら、打ち込みやサンプリングも駆使するセンスにクラッ。かなりのシタタカ者とみた。
実に6年ぶりのリリースになる新作。この6年間は主にライヴ活動を続けていた彼女、久々のメジャーとの契約で出来上がったアルバムだが、6年間のブランクも感じさせず、歌詞もメロディも歌唱も変わることないさねよしワールドを醸し出している。★
まるで60年代末の空気に憑かれたかのごとくシンプルで情熱的なブルース発祥ハード・ロックの原点に拘り、パワー・トリオを標榜する三人組が放つ3作目。自然に歪んだストラトの音色が硬軟自在の表現力を発揮して曲をぐいぐい引っ張っていく。
ザ・ハッピーズの中村ジョーがスタートしたパーソナル・ユニット、ジョーイのファースト・マキシ。ここ数年の渋谷〜クラブ系サウンド感覚をにじませながらも、直球でストレートなロックの表題曲と、杉浦英治とのコラボレート作「ウィークエンド」ほかを収録。
ポップス大好き! って感じの若者バンド、ロッキーチャックのデビュー・アルバム。まず、中心人物、山下太郎のヴォーカルがピリッとしてないんだよな。バンド名ともども、全体に漂うドリーミーでほのぼのしたノリにおしりがむずむず……。
ただ黙々と自らの世界を貫いているように見えて、実はその時代時代に合わせて大きく変わり続けようとする歌い手、友部正人の新作。山川ノリオらとともに描かれるその世界はこれまで以上に幅を広げ、自らの音楽をさらに奥深いものへとしていく。まさに貫禄の一枚。
9月にファーストをリリース、おいしい水が湧くように歌があふれ出ているのでしょうか、着々と新曲を発表してらっしゃる。今回はマレー語詞はなく全編美しきゆかしき日本語。しばし耳を傾けては心を飛ばし遊ばすひととき。歌らしい歌を久しぶりに聴いた気がした。
本格的日本人ラテン・シンガー、黄金井治のアルバム。オリジナル曲とラテン・ナンバーのカヴァー曲を収録しているが、スペイン語の歌詞も見事に歌い上げている。スパニッシュ〜フラメンコ・ギターの情熱的な演奏もすばらしい。
三部作的マキシ・シングルの2枚目。メンバー5人以外に“森のオーケストラ”と称するストリングスとホーンが参加。が、音の印象は厚くてハデというものではなく、わりと素朴でシンプル。詞・曲・ヴォーカルも、普段着的で気取りがないポップス。
いきなりカントリー・ロック&リトルフィート調のスライドでおじさん大喜びって感じのバブルバスのセカンド。70年代っぽい骨太感が彼らの最大の武器だと思うが、弱点は地味すぎるところだろう。いたずらにハデになっても困るが、多少は弾けてほしい気も。
インドネシア語(?)を操るミディの新人女性シンガー・ソングライター。東南アジアの大自然にたとえられた詞が多いが、突然エステの歌があったりするなど、世界観が大貫妙子風。ギターに窪田晴男、ベースにバカボン鈴木ほか、アレンジに矢野誠などが参加。
5枚目の待望のフル・アルバム。10分以上もある大作(15)のような曲をはじめとして、随所に新しい試みがなされた意欲作だ。ビーチ・ボーイスやビートルズの内面にある病んだ部分と共通するものまで感じさせてしまう。これまでのファンがどう受けとめるか興味深い。