発売元 : 株式会社ミディ
ファンキーなボトムにいまでいうラウンジな曲調。時代に先んじたそうした演奏で“通”には定評が高かったのが、アルバム3枚を残して解散した彼女たちだった。小西康陽プロデュースによる最終作収録の(1)(2)(12)で、突然お色気を発揮しているのが興味深い。
このアルバムを好きにならない人がいるのだろうか。ダークでクラウディだった『24時』から1年3ヵ月ぶりの6作目は、長いトンネルを抜けた時の目の眩むような光にあふれている。老若男女それぞれに甘酸っぱくホロ苦い気持ちを噛みしめずにはいられない一枚。★
西岡恭蔵と岡島善文が86年に発表した作品で、軽快なR&Rの(1)で軽く意表を突いて、和製トロピカル・ソングの名曲(2)へとなだれ込む。こうなると完全に二人のペース。あれもこれもいろんな世界が登場しているのに、筋がビシッと通っているからすごい。
フォーク世代には「あしたはきっと」の牧歌的なノリが懐かしいいとうたかおの82年度作品。しかしインディーズでリリースされたこのアルバムのいとうたかおはズッシリ重い。タイトなバンド・サウンドも含め、70年代フォークからの確かな変容を感じる。
いわゆる下北系(死語)ギター・ポップ・バンドで影響を受けていない輩は皆無(推定)のギター・ポップ番長、エレグラの初のベスト・アルバム。心踊らせるまっさらなメロディと、小宇宙の域まで達している魅惑の音空間を心ゆくまでしゃぶり尽くそう。★
デビュー30周年記念盤は超強力アコギ・ロックの大傑作。アコギだろうとエレキだろうと、ロック人が演ればロックになるし、フォーク村の人が演ればフォークなわけで、エンケンはこの作品でロッカー(!)であることをきっちりと証明してくれたのである。
前回のメジャー第1弾で絶賛を浴びたゆらゆら帝国の2作目。ヴェルヴェッツを彷彿とさせる枯れたロック・サウンドは、独特のドライヴ感を携えている。「ミーのカー」のなんと25分以上もあるロング・ヴァージョンなど、彼らの目いっぱいの演奏がいい。
日本のフォーク黎明期から歌を始めていたSSWの4作目。彼の歌には、どこかに向かう“途上”に自分がいるというテーマが一貫して込められているように感じてきた。安易な結論が導き出されることはない。やや寡黙な歌詞とメロディだが、ふくらみは大きく深い。
発売元
株式会社ミディ86年に発表されたテクノ・ポップ・ユニットのアルバムが初CD化。透明感のある女性ヴォーカルをフィーチャーし、過激な歌詞と上質なエレ・ポップを聴かせる。坂本龍一ほか大物が多数参加。
ハッピーズのヴォーカルだった人ですよね。初ソロは、サイケデリック丸出しの重いブルース・ロック。こういうバンド絶対に70年代にいたよな、と斜に構えてたら、打ち込みやサンプリングも駆使するセンスにクラッ。かなりのシタタカ者とみた。
実に6年ぶりのリリースになる新作。この6年間は主にライヴ活動を続けていた彼女、久々のメジャーとの契約で出来上がったアルバムだが、6年間のブランクも感じさせず、歌詞もメロディも歌唱も変わることないさねよしワールドを醸し出している。★