発売元 : 株式会社ミディ
画家として個展を開催するなど、さまざまな芸術活動を行なうスペイン在住のアーティスト、堀越千秋の2011年3月発表のアルバム。フラメンコの歌い手(カンタオール)として、華麗な歌声を聴かせてくれる。演奏もユーモアたっぷりだ。
ロック、ポップス、ジャズ、テクノ、民族音楽など、あらゆるジャンルを呑み込みながらマイペースな活動を続ける三人組の、デビュー20周年を記念した全20曲収録のベスト・アルバム。多彩な音楽性とその変遷、卓越した技量をあらためて確認できる、入門用としても最適な2枚組。
男性三人組ロック・バンドによる、結成14年にして初のメジャー・アルバム。ギター、ベース、ドラムの編成で、シンプルなメロディと等身大の素直な気持ちを綴った日記のようにリアルな甘酸っぱい歌詞をソフトな歌声で切なく歌い上げ、思わず胸がキュンとなる。
生音主体のオーガニックな音楽スタイルを軸に据えた男女デュオのハンバート ハンバート。彼らの6年間の歴史の歩みを2枚組に集約。楽曲にだけ耳を傾けているぶんには、肌を優しくさすったり切ない想いに心を浸す音楽が流れてくるが、歌詞には、世の中を俯瞰したシビアな想いも描かれている。
アレンジャー、キーボーディストとして、さまざまなアーティストから絶大な支持を受けているシュガービーンズこと佐藤友亮のメジャー・ファースト・アルバム。60年代ポップやジャズ、ソウルなどのエッセンスをふんだんに取り入れた、ポップでお洒落な楽曲が並ぶ。末永華子とのデュエットも必聴だ。
その歌声や詩的なテイストから、21世紀の和製ローラ・ニーロとでも評したくなる寺尾紗穂。5作目となる本作でも、ピアノ弾き語りを基本とした、その70年代系の温かく繊細な風合いは変わらず。彼女の歌声も生成り色ながら、耳に入ってくるとだんだんと淡い色彩を帯びていくような妙味がある。
小さな幸福感あふれる上質なピアノ・ポップに、繊細なエレクトロニカを組み合わせた癒し系サウンド。素朴であたたかい声質のおかげで、楽しく聴き通してしまうが、リアルな恋愛や生き方についての曲など、言葉選びは鋭く内省的。これが2枚目のフル・アルバム。
細野晴臣、鈴木茂、林立夫をバックに迎えたフォーク・ロック調ナンバーから、自身の歌とギターだけで聴かせる曲までを揃えた通算20作目のアルバム。全体的にリラックスした雰囲気ながら、しっかりアウトラインを感じさせる重層的な仕上がりになっている。
ヴォーカルのめいりんを中心とする三人組ユニットの1作目。空気公団の山崎ゆかりを思わせるような透き通ったピュアな歌声を、プロデューサーの権藤知彦によるルーツ・ミュージック系アコースティック・サウンドで聴かせている。ユニークな言葉づかいも個性的でおもしろい。
乱魔堂ほか、70年前後から活動しているベテラン日本人ギタリストのインストゥルメンタル作。先に出たヴォーカル・アルバム『IN MY LIFE』派生のアルバムで、いろんな曲調のもと、+αを持つ、年輪を感じさせるギター演奏が伸び伸びと披露されている。
「異邦人」の大ヒットを出した久保田早紀は、85年の結婚を機にくめさゆり名義で教会音楽家として活動している。その彼女のアルバムは、よく知られている賛美歌にオリジナル曲を加え、いやしと優しさにあふれた賛美歌集。落ち着きと深みを増した歌声が、心に染みてくる。
まだ20代ながら、不思議と70年代の空気感も持っている彼女の、ソロとしては『風はびゅうびゅう』(2008年)に続く4作目。自由で、伸び伸びとした表現力があって、彼女が歌い、ピアノを弾き始めると、歌の主人公や景色が勝手に動き出すような感覚になる。
乱魔堂、あるいは洪栄龍グループで知られるギタリスト、洪栄龍の7年ぶりのソロ、ヴォーカル入りは何と30年ぶりというのも話題だ。アコースティックなフォーク系の楽曲とエレクトリックを使ったハードなナンバーとの対比が絶妙。ヴォーカルはあくまで味勝負。
矢野顕子的ベクトルがアングラでサイケデリックなフィルターを通って、時代を超越して突き抜けてきた……おおげさだがそんな唯一無二の音楽を飄々と奏でる彼女の4作目。語るようなピアノの音色にまとわりついたり、寄り添ったりする生な言葉がひりひり痛い逸品だ。
清楚な男女フォーク系デュオというイメージを一新するかのような6枚目のアルバム。元ミュート・ビートの松永孝義がベースで参加、リトル・テンポの内田直之がエンジニアを務めるなど重層的な音の響きを加えた仕上がりは、ハーモニックな持ち味に振れ幅をもたらしている。
ソプラノで語るように歌うきれいな日本語の中に、さまざまな音響が反射して聴こえる不思議で魅力的な歌声。大貫妙子や坂本龍一から賛辞が寄せられたというのがよくわかる、70'sシティ・ポップスの系譜を現在につなぐ稀有な歌姫だ。これがソロ3枚目、今後も楽しみ。
大貫妙子似のほっこりした歌声が印象的な寺尾紗穂。その彼女を中心に組まれたバンドの2作目がこれ。ピアノを中心にし、メロウなジャズやラテンの旨味を取り入れたアレンジがとても心地いい。70年代ニューミュージックの良いところを受け継いだ好盤だ。