音楽むすび | 1991年発売

(16)を歌う北原ミレイを聴いて、ギラついたものを持ったヴォーカリストだと思いこんでいた勘違いに気づく。きっと、クラブなどのフロア・ショーでこそ本領を発揮するタイプのシンガーらしいシンガーと納得させる。カヴァー曲まで自分の歌にしていく。

中堅バンドが次々解散していく中、彼らはなかなか頑張っとります。みんなとっくに30過ぎてたりするんだろうに若い。音にパワーがある。歳とともにこういう音楽がダメになってゆく自分を感じつつ、影で密かに応援したいような。初回特典は20頁写真集。

最近のアルバムの中では、この人の等身大に最も近い作品で、すっきり入り込める。自らの混乱の季節をくぐり抜けたシンプルな力感があり、歌声にも凛としたすがすがしさがある。ブルースを基調に、経験と年齢で洗練された音楽の、最良の形を見る思いだ。

クインシー・ジョーンズの集大成ともいうべき自伝映画“リスン・アップ”のサントラ盤…といってもただのサントラとは格が違う。参加アーティストにレイ・チャールズ、サラ・ヴォーン、ジョージ・ベンソンなどをむかえた超豪華なオムニバス・アルバム。

アメリカにおける国民的シンガーのひとりであろうロジャースのベスト盤。1975年から本作リリース時(91年)にいたるまでのヒット曲を集めたもので、カントリーをベースにしつつ、曲によってはかなり大胆なポップス化をはかり、よりビッグになったその姿を浮き彫りにする。