音楽むすび | 1992年発売

グールドは、ソロのときだけでなく協奏曲の場合にも、彼独自の演奏美学を貫いている。デフォルメの限りを尽くしているというほどではないが、とくに、いくつかの緩徐楽章における強烈な旋律線とその立体感の実現などは、彼の特色を端的に示している。

グールドがコンサート拒否宣言をする前、20代後半の録音。グールド独特の音色やアーティキュレーションなどがこの時すでに現れている。曲のテンポや演奏のタッチもこの時点でかなり独特だが、1つの生き生きとした音楽が完成されている所はやはり天才だ。

最高の音で楽しむために！

自選ベストでお茶を濁していたバービーの隠し玉的なリアル・ベスト。男と女のラヴ・ゲーム的なクドイ歌詞を、彼ら特有のセンスで自由に闊歩していた姿が雪崩式に連発されている。この独創性のトラップは否定すればするほど深みにはまる呪縛だった。

60年代初期にジャズやラテンやR&Bを丸飲みしてジャマイカで生まれたのがスカ。英国では60年代終期に全盛を迎え、10年後の70年代終期に発売されたアルバムがさらに10年後の今年発売された。時代は移れど心意気は否、音質は悪くとも心は楽し満される。