音楽むすび | 1993年10月25日発売

デビュー10周年記念ツアーをノーカットで収録した2枚組。オメ・トラ(すげえ略称だ)時代からソロまで、内容的にはベスト・ライヴだ。ヒット曲満載、しかもCMタイアップ曲が多いのに驚く。完成された世界だが2枚続けて聴くのはファン以外にはツライ。

68年にRCAから「星空の孤独」でデビューして25年になる和田アキ子のCD10枚組ボックスだ。70年代の彼女の歌声はアク抜き前のゴボウのようであり、粗いが骨太だった。それが魅力であったが、必然として70年代後半から徐々に洗練されていき、歌を転がす歌唱へと変化していく。あのひばり嬢にもそんな時期があったように。ちらっと見せる女の業の悲しさを堂々と歌えるひとです。

ヘヴィ・ボーンズのギタリストであるゲイリー・ホーイ、2枚目のソロ・アルバム。今回も全曲インストゥルメンタルで、その才能を遺憾なく発揮している。一定のレベルを保ちつつも、力を抜いて聴けるところが嬉しい。(3)はフォーカスのカヴァー。

本作でもロニー・モントローズ後押しのもと、ジャズやクラシックのみならずフラメンコに至る辣腕ギター・プレイを披露している。また今回はインストゥルメンタルにとどまらず、プロコム・ハルムの名曲(4)でグレン・ヒューズがヴォーカルに迎えられた。