1994年10月発売
東芝EMIに移籍した彼らのキューン時代卒業ベスト的アルバム。94年のビッグ・ヒット・ナンバー(11)に代表される庶民派ヒップホップ道の鬼才(!!)スチャダラの集大成がコレだ。ヒストリーやバイオグラフィ、グッズなどが満載の豪華ブックレットは初回限定。
シンガー、作家、プロデューサーとして日本のロック・シーンの礎を築いた彼が24年ぶりに発表した素晴らしい一枚。自分に向かって淡々と歌いかけるラヴ・ソングが、聴く者の内面に深く突き刺さる。そして時代への告発とも受け取れるパワーに変化していく。
中村紘子は、ロマンティックなノクターン集を、過度の感傷におぼれることなく的確に、自然に、ファンタスティックに、流麗な音楽の流れを歌いあげている。“かけがえのない名手”と思う気持ちは同じだが、こんなに彼女を敬った解説に出会ったのは初めて…。
いわゆるアンコールピースから、ドビュッシーの「6つの古代のエピグラフ」まで幅広い選曲による工藤重典の最新盤。グライスのぬくもりにみちたピアノとともに楽しませてくれるが、こんなにやわらかい雰囲気の工藤のフルートを聴いたのは久しぶり。
ゴージャスなアルバムである。あのシーナさんや、江戸研究で有名な杉浦日向子さんが文を寄せていたり、篠山紀信氏の撮影があったり。延原指揮のテレマン室内管も優しく豪華な響き。これだけ揃えば、やはり気持ち良く吹けるというもの。
マと共演するときのアックスは、どちらかといえばバランスを取る役回りになるのだが、ここではそうした持ち味が曲とぴったりと合って、すこぶる楽しい演奏になっている。ショパンの室内楽があまり魅力的でないと思っている人には驚きの1枚だ。
グールドはバッハではチェンバロを強く意識して弾く。ノンレガートや装飾奏法などまさにcemの世界を思わせ、それがバッハの音の運動性をより鮮明にきわだたせていて、印象的なのだ。平均律などより親しみ易い曲だし、演奏だ。
グールドの一連のバッハ録音の1つ。幾度聴いても感銘新たな演奏で、これはグールドのバッハのレコードに共通していることだが、楽譜を自由に扱いながら、生き生きとして感興溢れる音楽を紡ぎ出している。装飾音の扱いだけとっても、聴き手をこれだけ楽しませてくれる演奏は稀だろう。