1994年8月25日発売
サイレント・タンサイレント・タン
60年代フリーの渾沌を経たテイラーは、ソロ・ピアノを基本フォーマットに精力的な活動を再開したが、74年モントルー・ジャズ祭のステージに於ける、とてつもない“覇気”の発散を記録した作品がこれ。確かにフリーだが、紛れもない彼の顔がここにある。
デュアル・ユニティーデュアル・ユニティー
ポールがシンセに狂っていた71年、ロッテルダムとパリで行なったライヴより。アネットがぞわぞわキメるとポールは暴れながら、あの手この手を繰り出していく。ゆるやかさと性急さが平然と脳ミソの中に同居している天才だけが成せる前衛の道。
タイム・ゾーンタイム・ゾーン
録音当時の1976年は、事前に電源を入れておかないと安定した音の出ないシンセしかなかった。それだけにサックスと対等にフリージャズのセッションを行っているタイテルバウムの活動は貴重だ。音空間の前後も考えた彼の演奏が不思議な世界を聴かせる。
スパイラルスパイラル
独自の音空間で自己を表現するアンドリュー・ヒルの意欲作。ここではコニッツとの共演(4曲)におけるインタープレイが聴きもの。秀れた音楽性を持ちながら、不当に扱われてきたヒルだが、70年代中期の成果を収めた貴重な記録としても重要な一枚。
NEW HORIZONNEW HORIZON
オーソドックスなロック・バンドの6曲入りデビュー・アルバム。ハッタリのないストレートなギター・バンドスタイルで、彼らの持つ基本的なポテンシャルを紹介する内容に仕上がっている。「新たなる地平線」が見えてくるのは次作以降みたいッすね。
ロマンティック・ジャズロマンティック・ジャズ
ベテランの富樫、市川、中堅の桜井という意外な顔合わせのトリオによるデビュー作。それも、富樫がリーダーとなってバラードを演じたアルバムだ。オリジナルとスタンダードの配分と構成も申し分なくプレイはとにかく丁寧。洒落たトリオ・アルバムだ。