1995年10月発売
発想と技術とが完璧に近いバランスで音楽に体現した、鬼才ジャコ・パストリアスの一大傑作。バッハからビートルズを経てビ・バップまで。これらの音楽成分はジャコの一部分に過ぎないのだが、噴出する勢いが桁はずれだった。(2)の優しさと(7)の狂気に心服。
ロシア出身の2人の俊英による初共演。充実した響きを持つ2人が多少の荒れをもろともせず、グイグイと激しく弾き込む大熱演を見せる。その強烈なぶつかり合いこそ、この演奏にみなぎる緊迫感の根源。特に速いパッセージのたたみ掛けるような表現が見事。
没後300年を迎えたイギリス最大の作曲家パーセルの作品が次々と録音されている。「妖精の女王」もコープマン盤に続いて今年すでに2枚目。アーノンクールの演奏は弾むような独特のリズム感と早めのテンポ設定、充実し歌手陣でひときわ光彩を放っている。
全民放103局で放映された『ゆく年くる年』のテーマ・ソングにもなった「ONE HEART」やクリスマス・ソング「Holy Night」「赤鼻のトナカイ」を含む6曲入リミニ・ディスク。パワフルなビート感は相変わらずだが、ハスキーな声に艶が増した。
ひと世代にだけ向けた刃のように聴こえる。それが良くも悪くも彼女の持ち味だろう。マニュアルに従うことにクソくらえすることがパワーの元になっているような彼女なのに、自身がいちばん変わることをしないように思えて止まない。歌詞の改善を頼む。
ポップなアプローチを連想させるタイトルだが、内容はいつもと変わらぬあゆみ節をストレートな8ビートで聴かせる。(2)(4)など運動部の選手を主人公にした“応援団長”そのものの曲、彼女の健康イメージから背伸びした“大人の”ラヴ・ソングが同居。
なんかひとつ振っ切れた感じがするのは私だけでしょうか。中村あゆみ本人はもちろん、気合い入ってますけど、バックのミッドナイトキッズのオールドウェイビーぶりは筋金入りだ。だから、ダンスミックスになった(12)が違和感あるある。
似た芸風の人も出て来て大変だ、と思ったのも取り越し苦労。タイトル通り、1994年で丸10年のキャリアを総決算した初のライヴ・アルバム。バックのミッドナイトキッズの演奏も含め、安定感あり。特に前半部。本家は強靱だな。
初のベスト盤。ハード・ポップの高揚感を実にうまく取り込んで、バンドのカラーを打ち出した良質の楽曲が全部で14曲。常に一貫したスタイルで、コマーシャル性を失わないところがこのバンドの強みだろう。女性ロッカー生き残りの数少ないバンドである。
スパイダース〜PYG〜井上尭之バンドへと、GSからロック黎明期の日本の音楽シーンの中心人物の1人。「傷だらけの天使」シリーズなどTV/映画の音楽家、また沢田研二の音楽監督としての活躍も忘れられない。これは70年代後期のソロ・アルバム第2作。
74年8月発表のアグネス6作目のアルバムの初CD化。バック・ミュージシャンをみると、キャラメル・ママ(細野晴臣、松任谷正隆、鈴木茂、林立夫)らが参加している。いま聴くと、さほど斬新なサウンドと思えないが、20年前の音だとすると凄いでしょう。
ヒット曲の(4)が収録された5thアルバムの初CD化。81年の作品だが、ちょっと時代の先を行きすぎたか。もう5年後のバブル初期あたりに発表されていたら大化けしたのではないだろうか。室内楽の雰囲気が大衆的になるにはもう少し時間が必要だったのだ。
KARYOBINには金子飛鳥がいたのね。今、初めて気がついた。ストリングス・クァルテットを率いて、独自のポップスを標榜した上田知華&KARYOBINが82年にリリースしたラスト・アルバム。さすがに曲がいい(特に(9))。この人、メロディメーカーですわ。
『魔法陣グルグル』の主題歌を歌ってたシンガー・ソングライター。いわゆるガンバレものガール・ポップとは一線を画す、不思議ちゃんプログレ系。これは彼女にとっての聖歌なのだね。だからって暗いわけじゃない。どこか谷山浩子を彷佛とさせます。