1996年5月22日発売
園田高弘の、ベートーヴェン・ピアノ・ソナタの7枚目。悲愴の冒頭は考え込むような演奏で、深みがある。多少線の細さを感じさせることもあるが、効果をねらう下心が見えたり、力技にまかせたり、妙に重くしたりするようなことは決してなく、渋く、いい演奏。
テクノといえばそうだろうが、そのひと言では語り切れないものがある。その独特のクール感はテクノの無機質さとマッチしつつも決して機械的ではなく、しっかりしたメロディと言葉と歌声が、柔らかさや清らかさを醸し出す。全11曲中3曲はリミックス。
UKのポップ・ソウル・シンガーの70〜80年代ソウル名曲カヴァー集。オザケンがネタ使いして一躍有名になったベティ・ライトの(7)やモーメンツの(8)など、エグイ選曲もあるが、総じてオリジナルに匹敵するほどのものではない。カーステで流せばそれなりのムードも?
(2)は台湾のドラマ主題歌、95年度ベスト・デュエット賞(香港出身の孫輝威と)も受賞の(1)は、そのED。(4)は中国の化粧品CF曲だし、(3)、(5)(「微笑みを見つけた」)はシングルの中国語版。何語で歌っても声の“いとおしさ”は変わらず、亜細亜網羅的絶大人気も納得。
日本レコード大賞企画賞・童謡賞などに輝いた『車椅子のおしゃべり』シリーズ第2弾。身体の不自由な子どもたちの詩を歌い続けているボニージャックスの真摯な姿勢に感動を覚える。凡百のヒット曲が忘れてしまった“人間の心”がここにはしっかりとある。
今年の2月に惜しくも亡くなった柴田南雄の70年代のシアターピース。貴重なCDである。いずれも民謡など日本の民族的素材による。歌われる民謡の存在感と、ホール一杯に広がる、声と出来事の面白さ。柴田が典型的な前衛の作曲家であったことがわかる。
久しぶりのコンチェルトの録音だ。それも、目一杯ロマンティックなやつを選んでくれた。下手をすれば通俗なセンチメンタリズムに堕してしまう曲だが、舘野は遅めのテンポでたっぷりとうたい、スケールを十分保ちながら繊細さも損なわずに弾ききっている。
本邦エレキ・ギター・インスト界の第一人者、寺内タケシによるエレキ・ギター・インストの原点であるサーフ・ミュージック名曲集。再評価著しいディック・デイルの(2)(6)をはじめ、ベンチャーズ、アストロノウツ、トーネードーズなどの曲をテリー流に聴かす。