1996年6月発売
深海深海
ダウナーなチェロのインストからラストのタイトル曲まで、ポップな親しみやすさと内省的で不親切さ、あるいは正直さが不機嫌そうに同居して独特のテンションを生む。トータル・アルバム志向はバンドっぽさへのアプローチ。プロデュースは小林武史。
ベスト・オブ・ウェンディ・ウォルドマンベスト・オブ・ウェンディ・ウォルドマン
ジャンル
カーラ・ボノフやアンドリュー・ゴールドらとのブリンドルの再編成で、最近話題になったウェンディだが、彼女がワーナーに残した70年代のアルバムは本当に良かった。郷愁を誘う情緒に謎を秘めた歌声。それらで構成したベスト盤、懐かしいが、新鮮だ。
サザン・ナイツサザン・ナイツ
ニューオリンズ産、広義のポップス界屈指の作・編曲家/プロデューサーが1975年に発表した4作目のリーダー作。郷土の音楽の豊潤さを、サウンド・クリエイターとしての才を通して存分に伝える。表題曲1曲のためだけに入手しても損はない。良心に誓って。
ラーセン・フェイトン・バンドラーセン・フェイトン・バンド
キーボード奏者のニール・ラーセンと、ギタリストのバジー・フェイトンの強力ユニットによる80年のデビュー作と82年のセカンド。どちらもフュージョンのひとつの完成形と言えるできだ。セカンドは2人が以前、組んでいた幻の名バンドの名前を冠している。
夜の彷徨夜の彷徨
クルセイダーズ脱退直後の78年に発表したメジャーでの初リーダー盤。フュージョン史に残る名盤という声もある代表作で、快調にドライヴするプレイを期待するファンには最高の1枚。後年の多用性はないが、当時のギター小僧を唸らせた技巧はやはり鮮やか。
シベリウス&ニールセン:ヴァイオリン協奏シベリウス&ニールセン:ヴァイオリン協奏
今、若手でイチオシのヴァイオリニストはこのヴェンゲーロフだろう。シベリア出身、今年22歳の青年。すでに著名な指揮者の大半と共演しており、本盤は最新(1月)の録音である。北欧物2曲だが、切り口の鋭さと豊かな歌心、雄大なスケールが圧巻。